【民间汉化】直木奖作家石田衣良畅谈创作《DT转生》原因:我感受到了文学领域没有的新奇趣味

来源:ナタリー
译者:远坂宗敬
采访时间:2024年3月8日
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前言
《DT転生 ~30歳まで童貞で転生したら、史上最強の魔法使いになりました!~》(以下称为《DT転生》)是在2023年10月号的《月刊少年シリウス》(講談社)开始连载的作品。故事讲述了一名便利店店员天使香光太,在某天被车撞死后,突然发现自己转移到了异世界·中央陆地。在那个世界,他们定期召唤异世界的人,并寻找拥有强大魔力的救世主。起初,光太被认为是最弱的,但在被送到偏远的阿奇博尔特家族后,他隐藏的力量被释放了……这就是故事的梗概。
《DT転生》的原作由直木奖作家、执笔过《池袋西口公园》和《秋叶原@DEEP》等多部热门作品的小说家石田衣良负责。我们在Comic Natalie上对他进行了访谈,以配合第一卷的发售。为什么这位资深作家选择了异世界这个首个原创漫画的题材?为什么选择了以一个转移到异世界的人物童贞为主题?在这些问题之后,我们发现了石田衣良独特的“异世界观·童贞观”。
采访 / 文字 / 太田芳树 (TARKUS)
----与异世界题材的“结缘”----
——请问石田先生接触到“异世界转生”类作品的契机是什么呢?
石田衣良(以下简称石田):疫情期间,我被迫待在家里,那时我只是闲得无聊不停浏览视频网站。我因为已经看遍了那些有趣的电视剧,所以想寻找下一个可以享受的新鲜玩意。阅读小说当然是一个选择,但我当时没有心思沉浸在那些沉重的故事中。然后我就注意到了一些在小说投稿网站上连载的异世界小说被改编成的漫画。
——您提到了自己关注小说改漫画,那您是之前就喜欢看漫画吗?
石田:我非常喜欢漫画,家里有数百本。特别是《火影忍者》、《魔偶马戏团》、《全职猎人》、《龙珠》,我读了很多遍,非常喜欢。所以这次我决定从漫画改编的版本开始阅读。

——说起来,疫情大约是在2020年,那时候不仅在日本,异世界转生类题材作品已经在全世界广受欢迎。石田先生在当时是否已经知道这类题材很受欢迎呢?
石田:我注意到了各大书店里轻小说的板块逐渐扩大,异世界作品也开始多样化。而且在亚马逊和Netflix上,异世界作品也常常进入排行榜前列,所以我知道这类作品很受欢迎。在那之前,我已经看过一些作品的动画,比如《盾之勇者成名录》、《幼女战记》、《关于我转生变成史莱姆这档事》(简称《转史莱》)。但是,我开始认真阅读改编成漫画的作品是因为新冠疫情。
——在众多的异世界转生、转移类作品中,您觉得特别有趣的是哪些作品呢?
石田:我读过的异世界类作品很多,从很大众的异世界转生、转移类作品到新鲜点的恶役千金类……不过我喜欢《盾之勇者成名录》,它很有趣。不仅主角横世无敌,还有引人入胜的故事情节,能让人翻阅不停。还有一部是关于"渴望复仇的最强勇者,以黑暗力量无敌屠戮"的黑暗英雄类型作品。虽然是残酷的故事,但我惊讶于作者的创意,想知道这样的黑暗发展能持续到何种程度。
----轻小说的魅力是开拓文学领域不怎触及的流派----
——当前异世界类小说的主战场是在"成为小说家吧"、"Kakuyomu"以及"Arcadia"等网络小说投稿平台,这些平台由用户们发布作品被追读而受到更广泛关注与欢迎。虽然当前也有一些职业作家来投稿,但业余爱好者占据了创作舞台的大部分面积。对于这样的情况,石田先生是如何看待的呢?
石田:我认为异世界题材保证了适度的趣味性,让人觉得"我也可以写这样的故事吗?"。可以说是这是小说创作的民主化,利用异世界这个题材让各种人参与其中,进行各自的戏剧表演。而且出版社也加入进来,建立了一个巨大的舞台市场。这种情况在当下的文学界并没有发生,我觉得很有趣。此外,作为读者,这也是一种特殊的戏剧类型,阅读门槛也很低。
——由于异世界的舞台是什么样的,读者在某种程度上也能共享这种状态。
石田: 比如说,被卡车撞死后转生──这样的开头部分,坦率地说,可以跳过不读(苦笑)。重要的是,如何将之后的故事情节连接起来而不让它显得支离破碎。我认为这是异世界作品的特点。但是,其结果是,"异世界"这个词已经成为世界各国的共通语言,这真是有趣啊。

——石田先生认为为什么当下异世界转生、转移类作品如此流行呢?
石田:这个问题在去年8月NHK综合频道播出的《今夜はとことん異世界スペシャル》中也有提及,我认为无论是日本人还是美国人,只要是活在现代社会的人,都对这个世界的不变感到厌烦。如果自己的呼声无法改变社会,那么内心深处就会有一种想要重置人生并在另一个地方重新开始的感觉,是吧。

——如果简单地重置人生的话,比如从社会人回到小学时代的时间循环,我觉得也是一种不错的情节展开。实际上,也确实有一些采用了这种"强大而全新游戏"的情节的作品,但为什么异世界转生、转移类作品更受欢迎呢?
石田:这只是我的个人感觉,如果在同一个世界中进行时间循环,我们还是要作为同一个人经历各种困难。但是,异世界作品的舞台往往是类似中世纪欧洲的世界观,科技并没有像现代社会那样先进,所以即使我们直接转移过去,凭借自己原有的知识就能立即处于有利的位置。这恰恰是每个人都有的愿望,我认为这也是为什么异世界转生、转移类作品如此受欢迎的原因。与严肃的文学作品不同,它在自由的文化领域中,让读者可以轻松地参与其中,提出自己的想法。正是这种轻松的氛围使得这个流派如此广泛传播。所以,我觉得大家应该多写一些异世界作品(笑)。只要能想到"异世界+某某"的组合,就可以展开创作。
----如果童贞变成了魔法使的话......?----
——在这种情况下,石田先生也想到了要写异世界转生、转移类作品?
石田:是的。当我阅读了各种漫画改编作品时,突然意识到自己从未尝试过担任漫画的原作。虽然参与过电视剧、实景电影、动画和舞台剧的创作,但从未亲自尝试过漫画原作……。异世界作品的创作非常自由,所以我觉得自己也可以自由自在地写作,于是开始构思创意。现在,连西村博之(《异世界西村博之》《西村博之,在异世界也能无敌论破》)和岛耕作(《转生之后成为岛耕作的事》《为了见你,岛耕作》)都成为了转生类的主角,所以一切皆有可能。我开始兴致勃勃地思考要写什么。然后我把这个企划带到了Sirius出版社。

——原来这是个意外的构思吗?刚才您提到,将异世界与某种元素结合,可以以“大喜利”的方式构思故事。而这次石田先生担任原作的作品是《DT转生》。童贞转生这个主意是如何浮现在您的脑海中的呢?
石田:首先,在异世界题材中,有一个有趣的元素是像《关于我转生变成史莱姆这档事》那样的国家建设故事。可以逐渐壮大伙伴的情节也可以构建,还可以设计类似探索迷宫的事件。所以,我想到了网络上的一个流行语:“到了30岁还是童真,似乎会变成魔法师”(编者注:石田想说的应该不是流行语,是日本比较火的一部同名耽美喜剧漫画,被改编成日剧了,而且播出那年正对应石田蹲在家里刷剧的2020年)。如果童贞真的成为魔法使,并因魔力测量失误而被送到边境贫穷的准男爵家里的话......从那时起,他只需一路上攀升,只要确定周围的角色,就可以愉快地创作了。另外,为了符合异世界题材的格式,我意识到要轻松写作......大概就是这样的感觉吧?
——那么,您对童贞有什么样的看法呢?
石田:现在,即使在北美,也有越来越多的非自愿独身男性,他们保持纯洁,但却对女性怀有偏见仇恨。在日本,未婚率也在上升,不受欢迎的男性在网络上互相攻击。但就我个人而言,我认为保持童贞也没什么问题......相反,我一直很好奇为什么大家认为一旦脱离童贞,人生就会迈上一个新的阶段。这可能是旧时代的价值观,也许是昭和时代的观念。在《DT转生》中,并不深入探讨童贞的含义和社会问题(苦笑)。主人公天使鸟宏太因为是童贞,所以可以使用强大的魔法。因此,即使旁边有一个魅力十足的女主角,他也不能碰她。在这个过程中,其他女主角也会对宏太产生兴趣,这样一来,故事不仅作为喜剧更加有趣,也会考验作为魔法使的他的真正价值。在这个意义上,我直觉地觉得童贞转生的故事会很有趣。

——最近出版的异世界转生和转移作品,不仅仅是简单的建国类或种田类故事,而是在成为特定职业的基础上加入了一点独特的元素,给人留下了相当细分化的戏剧性印象。《DT转生》则不同,展开了王道的建国故事,对吧?
石田:确实,我认为如果追随最新的趋势,需要细分化,但我认为王道的展开更易于阅读。而且,如果我要做异世界的作品,我最想写的就是王道的成长故事,所以我认为除此之外别无选择。幸运的是,连シリウス先生也欣然接受了这个方向,所以现在以这种形式推进作品。
——《DT转生》中出现了阿奇博尔特家的公主丽塔和莉莉,以及魔术师坎蒂丝等有魅力的女主角。在异世界转生和转移作品中,有魅力的女主角也是必不可少的存在,那么在这部作品中,您是如何塑造她们的形象呢?
石田:我认为这是异世界作品的“金科玉律”——即尽量增加可爱的女孩子。而且主人公宏太为了使用魔法必须保持童贞,所以最好有很多引诱他的女孩子。在这个基础上,我考虑到主要女主角应该有不同的思想,两个人都有漂亮的外表。在这样的思考中,丽塔和莉莉顺利诞生了......至于坎蒂丝,她可以说是典型的"萝莉妈妈"(笑),因为之前我从未写过这种类型的角色,所以想尝试一下。我写的现代日本为背景的小说中是无法出现萝莉妈妈的,但在异世界作品中是可以的。所以,我觉得未来还会出现一些奇特的女主角,就像异世界作品中常见的那样。

——你说"我觉得未来还会出现",那么你对未来的规划并不是很明确吗?
石田:在一定程度上,我已经决定了结局会如何,但到那时良太会发展成怎样还存在一些模糊的地方。不过,这一点可能会根据连载的反应而发生变化。
----石田衣良的新突破----
——对石田先生来说,这是他第一次的漫画原作,那么他是以小说形式来写故事的吗?
石田:不,我是以剧本形式来写的。我并没有写连续的叙述文字,只写了必要最低限的场景描述,人物设定和描写方面很大程度上由山田(秋太郎)先生来扩展。如果所有东西都用叙述文字来写,会减少漫画家的想象空间,还可能指定一些无法实现的事情。此外,以剧本形式来写故事更容易。
——迄今为止,“池袋西口公园”和“秋叶原@DEEP”等作品都被改编成了漫画,那时和漫画原作相比,创作方式有所不同吗?
石田:是不同的。在改编成漫画的情况下,漫画家重新构建了我几年前写的内容,所以会有"我注意到这里!"或者"他们把这个展开了"之类的发现感。但是在《DT转生》的情况下,我根据山田先生提供的人物设计,得到了让这些女主角更加活跃起来的刺激,受到了各种启发。我认为这是只写小说时无法做到的事情,所以写《DT转生》让我感到很好。

——与平时写小说相比,有哪些明显的不同之处呢?
石田:比如说,《池袋西口公园》中我写的是受到非正式雇佣困扰的公司员工,以及drug abuse等描写……而这次我可以描写处于童贞状态的男子和穿着比基尼装甲的女孩,还有魔法释放的场景。总之,写故事非常有趣(笑)。
——在写作过程中,有特别注意到的事情吗?
石田:这次我真的是非常享受写作的,所以没有特别注意的事情……(苦笑)。如果一定要说的话,那就是在考虑给读者带来治愈感的情节而写作。异世界题材常常出现主人公傲视一切的情节。这是因为主人公带着现代科技知识进入类似中世纪欧洲风格的世界,所以会发生这样的情况。但这也是使得异世界题材有趣的一个元素。在这个世界,即使是在本世界被认为是平凡的事物,在那边却会受到赞赏。……如果这样说的话,可能会给人一种不好的感觉,但我认为读者通过阅读这样的描写来得到治愈是事实。所以,我想肯定这一点,并且希望每个情节都能给人以治愈感。
——作为第一次担当漫画原作,可能也是一部分读者第一次阅读石田先生的作品吧。
石田:我希望大家在没有先入为主的情况下,先拿起《DT转生》,而不仅仅是因为是石田衣良的原作。此外,现在的娱乐中心是动画和漫画,其中包括了许多异世界题材的作品。所以,那些之前没有接触过我之前作品的人也有机会了解《DT转生》。在那时,我希望大家能够摒弃先入为主的观念,只是享受其中的趣味和易理解性。对我个人来说,这也是第一次的工作,所以我以非常新鲜的心态来对待它。

——终于到了第一卷的发售时刻了,石田先生,您希望读者注意哪些方面呢?
石田:首先是第一话中某个场景,那是良太第一次使用魔法的场景。那是个重要的开场,也象征着他今后将经历怎样的冒险。在保护自己的童贞的同时,良太将如何与丽妲、莉莉等人一起在异世界生存下去……。那是故事的核心所在,但我希望大家能够轻松地阅读,不要有太大的压力。这位女主角真可爱!当然,你们也可以对童贞的良太产生共鸣,思考着日本的未来。总之,希望大家能够以各自的方式去享受。就像我自己一样,对于拥有比基尼装甲的女主角的异世界,我非常期待地写作着,如果能够传达出其中的一部分,我会感到非常高兴。
日文原文
月刊少年シリウス2023年10月号(講談社)で連載が開始した「DT転生 ~30歳まで童貞で転生したら、史上最強の魔法使いになりました!~」(以下「DT転生」)。コンビニ店員のアマツカコウタはある日、車に轢かれて死亡し、気がつくと異世界・ミッドランドに転移してしまっていた。その世界では異世界人を定期的に召喚しており、膨大な「マギ」を持つ救世主を探していたのである。コウタは当初最弱だと思われていたが、辺境のアーチボルト家に送られてから秘められた力が解放され……というストーリーだ。
この「DT転生」の原作を担当するのは、直木賞作家にして「池袋ウエストゲートパーク」や「アキハバラ@DEEP」など数多くのヒット作を手がける小説家・石田衣良。コミックナタリーでは1巻の発売に合わせ石田へのインタビューを実施した。なぜベテラン作家が初のオリジナルマンガ原作として選んだジャンルが異世界ものだったのか。そして、異世界に転移する人間として童貞を選んだのか? その問いの先には、石田衣良流の“異世界観・童貞観”があった。
取材・文 / 太田祥暉(TARKUS)撮影 / 番正しおり
----石田衣良がコロナ禍で出会った“異世界転生もの”----
──まず、石田先生が異世界転生・転移ものに触れたきっかけから教えてください。
石田衣良:コロナ禍で家に籠ることになって、ひたすら動画サイトを漁っていた時期があったんです。でも、目ぼしいドラマは見つくしてしまって、次に何を楽しむか探していたんですよね。小説を読んでもいいけれど、ちょっとお堅い物語に触れる気力がなくて。そこで目についたのが、小説家になろうやカクヨムで連載されている異世界もののコミカライズだったんです。
──コミカライズを手に取ったとのことですが、もともとマンガがお好きだったんですか?
家にも何百冊とあるくらい、マンガが大好きです。特に「NARUTO-ナルト-」や「からくりサーカス」「HUNTER×HUNTER」「DRAGON BALL」は何度も読むくらいお気に入りですね。なので、今回もコミカライズのほうから読み進めることにしたんです。
──コロナ禍の始めとなると2020年頃ですが、当時はすでに異世界転生・転移ものが日本のみならず世界中で人気を博していました。石田先生はそういったジャンルが人気を集めていることはもともと知られていたのでしょうか。
石田:書店でも徐々にライトノベルコーナーが大きくなって異世界ものが幅を広げるようになっていましたし、AmazonやNetflixでもランキングの上位に異世界ものが入っていましたから、人気があること自体は把握していました。それまでにも「盾の勇者の成り上がり」や「幼女戦記」、「転生したらスライムだった件」(「転スラ」)など何本かはアニメを観ていましたしね。でも、がっつりコミカライズを読みはじめたのはコロナ禍がきっかけでした。
──数多く異世界転生・転移ものを読まれた中で、特に面白いと感じられた作品はなんですか?
石田:通常の異世界転生・転移ものから悪役令嬢ものまで幅広く読んでいますが……やはり「盾の勇者の成り上がり」は面白かったですね。ただ主人公が無双して最強であるだけではなく、ストーリー的なフックもあって、ページを捲らせる力がありました。あと、「復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双する」というダークヒーローもの。残虐な物語ではあるんですが、どこまで暗い展開が続けられるのか、作者の発想力に驚きながら読んでいます。
----文芸では起きないことが起きているのがなろう系ジャンル----
──異世界転生・転移ものは小説家になろうやカクヨムをはじめ、Arcadiaなどさまざまな小説投稿サイトにユーザーが作品を掲載したことから、人気を集め出したジャンルです。多くのプロ作家も投稿されているとはいえ、アマチュアが作品を書いているケースが多数を占めています。そのような状況は石田先生の目にはどのように映ったのでしょうか。
石田:異世界ものって、適度な面白さが担保されていて、「これなら自分も書けるかも?」と思わせてくれるような気がしているんです。小説の民主化というか、異世界という題材を用いていろんな人が大喜利をやっているんですよね。そして出版社も巻き込んで、一大市場を築いている。そんな状況は現在の文芸では起こっていないので、面白さを感じました。加えて、読者の立場としてもある種の大喜利ジャンルですから、読むことに対しての敷居が低いんですよね。
──異世界がどんな舞台なのか、読者もある種共有した状態で読むことができますからね。
石田:例えば、トラックに轢かれて転生した──という冒頭部分なんて、正直言えば読み飛ばしてもいいわけです(苦笑)。重要なのは、その後に描かれる展開をいかに息切れせずにつないでいくか。そこが異世界ものの特徴だと感じています。でも、その結果、世界各国でも「異世界」という単語が共通言語になっているのだから面白いですよね。
──石田先生はなぜここまで異世界転生・転移ものが隆盛を極めていると分析されていますか?
石田:これは昨年8月にNHK総合で放送された「今夜はとことん異世界スペシャル」でも触れたことなんですが、日本人もアメリカ人も、現代社会に生きる人なら誰しもこの世界の変わらなさにうんざりしているからだと思っています。自分が声を挙げても社会は変わらないのであれば、人生をリセットしてまた別のところでやり直したい……という気持ちが、心のどこかにあるんじゃないですかね。
──単純に人生をリセットするとしたら、社会人から小学生時代にタイムリープする、という展開でもいいように感じます。実際にそういった「強くてニューゲーム」展開の作品もあるわけですが、それよりも異世界転生・転移ものが流行したのはなぜなのでしょうか。
石田:これは個人的な所感ですが、同じ世界でタイムリープをしたら、また同じ人間として苦労しなくちゃいけないんですよ。でも、異世界ものの舞台は現代社会よりも技術が進んでいない中世ヨーロッパ的な世界観が多いので、僕たちがそのまま転移しても持ち前の知識だけで最初から優位な立ち位置にいられるんですよね。それこそ誰しもが持つ願望だと思うので、ここまで人気を集めているのではないかと考えています。お堅い文学作品とは異なり、自由な文化圏の中から、一読者が「こんなのどう?」と大喜利に参加できる気軽さも、ここまで広がった要因ですよね。だから、もっとみんな異世界ものを書けばいいのにって思っています(笑)。「異世界+〇〇」で思いついたものから出していけばいいですからね。
----もし童貞が魔法使いになったら……?----
──そんな状態を目にして、石田先生も異世界転生・転移ものを書こうと考えついたと。
石田:はい。いろんなコミカライズ作品を読みながら、ふと自分がマンガ原作をやったことがないと気づいたんですよね。ドラマに実写映画、アニメ、舞台もやっているけれど、自分でマンガ原作を書いたことはないな……と。異世界ものはとても自由に書けるので、これなら自分も伸び伸び書けるのではないかと思い、アイデアを考え始めたんです。今なんて、ひろゆき(「異世界ひろゆき」「ひろゆき、異世界でも論破で無双します」)も島耕作(「転生したら島耕作だった件」「逢いたくて、島耕作」)も転生ものになっている時代ですから、なんでもありですし。何を書こうか、楽しみながら考え始めました。そうしてシリウスさんに企画を持ち込んだんです。
──まさかの持ち込みだったんですね? 先ほど、異世界に何かを結び付ければ大喜利的にストーリーを考えられるとおっしゃいましたが、今回石田先生が原作を担当されたのは「DT転生」です。童貞が転生するというアイデアはどのように思い浮んだのですか?
石田:まず、異世界もので面白い要素といえば、「転スラ」のような国盗り物語が挙げられます。だんだん仲間が強くなっていって……という展開も作れますし、ダンジョン探索のようなイベントも構築しやすい。そこで思いついたのが、「童貞のまま30歳を迎えたら魔法使いになる」というネットスラングです。もし童貞が本当に魔法使いになって、魔力の測定ミスによって辺境にある貧しい準男爵家に送られたら……。そこからはもう成り上がるだけなので、周辺にいるキャラクターさえ決まれば楽しんで書けるなと思いました。あとは異世界もののフォーマットに合わせて、気軽に書くことを意識した……という感じかな?
──そもそも童貞に対して、どのような考えをお持ちだったんですか?
石田:今、北米でもインボランタリー・セリベイト──自ら望んではいないけれど純潔でいる男性たちが女性を憎んで犯罪を起こすことが増えているんですよ。日本でも未婚率は上がっているし、非モテ同士がネット上では叩き合っている。でも、個人的には童貞のままでもいいと思っていて……。むしろみんなはなぜ、脱童貞できたら人生のステージが一段上がったように思えるのか。そこがずっと気になっていたんです。童貞を脱することがステータスになるのは、もしかしたら昭和の古い価値観なのかもしれないな、と。「DT転生」ではそこまで童貞とは何か、と社会派な踏み込み方はしませんけど(苦笑)。主人公のアマツカコウタは、童貞であることで強大な魔法が使えます。なので、隣に魅力的なヒロインがいるからといって、手を出すことはできません。その道程で、コウタにちょっかいを出してくるほかのヒロインも登場すれば、コメディとしても面白くなりつつ、魔法使いとしての彼の真価も試されるわけですよね。そういう意味では、童貞が転生するお話は面白くなりそうだな、と直感していたのかもしれません。
──直近で書籍化された異世界転生・転移ものの作品を見ると、単なる国盗り物語やスローライフものというわけではなく、特定の職業になったうえでもう一捻りしているように、かなり細分化した大喜利状態になっている印象を受けます。「DT転生」はそうではなく、王道の国盗り物語を展開していますよね。
石田:確かに最新のトレンドに合わせると細分化しなくてはならないと思うのですが、それよりも王道の展開であったほうが読みやすいと思ったんですよ。それに、僕が異世界ものをやるのであれば、一番書きたかったのは王道展開の成り上がりものだったので、それしかないと思っていました。幸いシリウスさんにもその方向性が快諾されて、現在の形で作品を進めることになったんです。
──「DT転生」にはアーチボルト家の姫であるリタとリリー、魔術師のキャンディスなど魅力的なヒロインが登場します。異世界転生・転移ものではやはり魅力的なヒロインも欠かせない存在だと思いますが、本作ではどのように彼女たちを生み出していったのでしょうか?
石田:これは異世界ものの鉄則だと思いますが、かわいい女の子はなるべく増やしたい。それにコウタは魔法を使うために童貞を貫かなきゃいけないので、誘惑する女の子はいっぱいいたほうがいいじゃないですか。そのうえで、メインヒロインには考えが異なっていてどちらもキレイなスタイルを持つ2人を用意しようと考えていました。そう考えていくうちにリタとリリーはすんなりと生まれて……。キャンディスもいわゆる“ロリババァ”ですが(笑)、これまでそういったタイプのキャラクターを書いたことがなかったので、出してみたかったんですよね。僕が書いている現代日本が舞台の小説にはロリババァが出せませんけど、異世界ものならできますからね。なので、これからも異世界ものあるあるなヒロインが登場するような気がしています。
──「気がしている」ということは、あまり今後のロードマップも定めていないんですか?
石田:ある程度、結末がどうなるかは決めているんですけど、それまでコウタがどうなっていくのかはまだ曖昧なところがありますね。でも、そこは連載の反応を受けて変わっていくところもあるかもしれません。
----石田衣良原作、というところ抜きで手に取ってほしい----
──石田先生にとって初めてのマンガ原作となりますが、小説形式でストーリーを書かれているのでしょうか。
石田:いや、脚本形式にしています。地の文ではなくト書きで必要最低限の要素しか書いていないので、キャラクター設定や描写はかなり山田(秋太郎)さんに膨らませてもらっていますね。なんでもかんでも地の文で書いてしまうと、マンガ家さんの想像の余地が減ってしまいますし、実現不可能なことを指定してしまう可能性もあります。加えて、脚本形式のほうがストーリーを書きやすいんですよね。
──これまでにも「池袋ウエストゲートパーク」や「アキハバラ@DEEP」など何作もコミカライズはされてきましたが、そのときとマンガ原作とでは受け取り方も異なりますか?
石田:違いますね。コミカライズの場合は、数年前に書いたものをマンガ家さんが再構成しているので、「ここに注目したんだ!」とか「そこを広げるのか」といった発見感が強いです。でも、「DT転生」の場合は山田先生から上がってきたキャラクターデザインを受けて、このヒロインはもっと活躍させてみようとか、いろんな刺激を受けるんです。これは小説だけを書いていたらできなかったことだと思うので、「DT転生」を書いてみてよかったですね。
──普段の小説執筆と大きく異なる点はなんでしょうか。
石田:例えば「池袋ウエストゲートパーク」だと、非正規雇用されて苦しんでいる会社員とかドラッグが蔓延していて……みたいな描写を書いていくわけですが、今回は童貞とビキニアーマーを着た女の子と魔法発動シーンを描けるわけです。とにかくストーリーを書くのが楽しくて(笑)。
──執筆するうえで特に意識されたことはなんですか?
石田:今回は本当に楽しんで書いているので、これといって特に意識したことはないんですが……(苦笑)。あえて挙げるとするならば、読み手が癒される展開を考えながら書くことです。異世界ものって、どこか主人公が上から目線な展開が多いんですよ。それは現代の科学技術を知識として蓄えたまま中世ヨーロッパ風の世界に行くから起こることですけど、異世界ものを面白くしている要素の1つですよね。こちらでは普通だと思われていることでも、向こうに行けば称賛されるわけです。……と言ってしまうと悪いことのように感じられるかもしれませんが、そういう描写を読んでファンの方々が癒されていることは事実だと思います。なので、そこを肯定して、毎エピソード癒されるようにしていきたいなと考えていました。
──初めてのマンガ原作ということもあり、初めて石田先生の作品を読まれるという方もいらっしゃいそうですよね。
石田:一度石田衣良原作、というところ抜きで「DT転生」を手に取ってほしいですね。それに、今のエンタテインメントの中心はアニメやマンガですし、その中心に異世界ものはあると思います。なので、僕がこれまで出してきた作品が眼に入っていない層も「DT転生」を知る機会があるかもしれません。そのときには下手な先入観とかは捨てて、ただノリのよさとわかりやすさを楽しんでいただきたいです。個人的にも初めてのお仕事ですから、とても新鮮な気持ちで取り組むことができています。
──いよいよ第1巻の発売となりますが、石田先生はどういった点に注目していほしいですか?
石田:まず第1話で初めてコウタが魔法を使うシーンですね。あそこは最初の見せ場ですし、これから彼がどんな冒険を繰り広げていくのかを象徴する場面になっていると思います。そこから童貞を守りつつコウタがリタやリリーたちとどのように異世界で生き抜いていくのか……。そこがストーリーの肝とはなりますが、皆さんには気負わずに読んでいただければと思います。このヒロインかわいい!でもいいですし、童貞のコウタに感情移入をして日本の将来を考えてくれてもいい。とにかく各々の楽しみ方をしてほしいですね。僕もビキニアーマーのヒロインがいる異世界に行きたいと思うくらい、楽しみながら書いているので、その一端が伝わればうれしいです。
译者授权:远坂宗敬
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