【民间汉化】“谁说广播题材的动画没有新意了?”—《听我的电波吧》沙村广明访谈

根据沙村广明原作改编的动画《听我的电波吧》已于4月开始播出。本作讲述了因为某个契机被提拔为地方FM广播的主持人,并拥有了自己的冠名节目的札幌汤咖喱店员鼓田美奈玲的奋斗史。沙村独特又尖锐的台词品味在广播这一题材中进一步展示了它们的醍醐味。

为了庆祝动画化,コミックナタリー对沙村进行了一次采访。我们询问了这部曾被评价“难以映像化”的作品如何在动画中呈现,并听取了沙村从原作者角度的看法。此外,我们还讨论了广播这一媒体的魅力、原作的幕后故事以及作品今后的发展。

取材・文 / 松本真一 撮影 / 笹井タカマサ


来源:日本流行文化网站コミックナタリー

译者:_药药药_

采访发布时间:2020年4月9日

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我也不知道这到底算什么题材的动画(笑)

——《听我的电波吧》TV动画化消息公布的时候很多粉丝都很高兴,但是SNS上也有些人很疑惑这部作品是否真的能动画化。

沙村广明(以下简称沙村):其实我也有这么想的同样的想法(笑)。

——饰演鼓田美奈玲的杉山理穗さん也曾表示“请大家期待这部被认为难以映像化的广播业界漫画会被改编成什么样的动画”。请问在您看来这部作品为什么难以动画化呢?

沙村:严格意义上来说这部作品并不完全属于“广播题材漫画”(笑)。因此就算动画化了我也不知道这到底算什么题材的动画。我想作品定位问题大概就是难以动画化的原因之一吧。

——确实作品中有不少和广播无关的情节,很难简单归类于“广播业界题材”呢。

沙村:因为本作还是以广播界的故事为主,因此故事的舞台基本停留在札幌周边。虽说舞台范围有限,本作中却有不少视觉上很奇妙的场景。

——比如动画的第一个pv就从美奈玲在森林中和熊对峙的场景开始。

沙村:是的。本作在视觉上或许不会让观众觉得枯燥,但光看PV也让人摸不清这到底是个什么题材的动画(笑)。


成败都取决于主演杉山さん,无需担心

——原作画面的信息量相当巨大。首先是巨大的台词量,里面还包含了零零散散的笑点,此外对话框以外的地方也有手写的捧哏小字。漫画读者可以按照自己的节奏阅读这些文字,但是如果要在动画里听这么多台词会是什么感受呢?

沙村:动画的台词也很多,但是制作人员将节奏把握得很好,再加上饰演美奈玲的杉山さん的演技也很出色,最终呈现的结果是相当不错的。

——您这么说后我越来越期待实际播放的效果了。毕竟《听我的电波吧》这部作品的魅力很大程度上取决于主人公美奈玲的角色塑造呢。

沙村:只看漫画的话可能单纯会觉得这漫画对话框很多,但是附上声音后尤其会显得这部作品只有这个女人在说话(笑),甚至会让人怀疑这是不是有史以来话最多的主人公,但我并不担心这会影响动画的观感。

——官方还上传了杉山さん从头说到尾的《第2弹PV~美奈玲评论音轨版》,真的是相当厉害的演技呢。

沙村:是吧。我初见就被她的表现折服了。与其说动画的成败取决于美奈玲的塑造,不如说更看杉山さん的表现(笑)。

——饰演瑞穗的石见舞菜香在新千岁空港国际动画映画祭的时候曾说“(这部作品的)台本被美奈玲的台词塞满了”“因为好奇到底是什么神人才能征服这样的台本就去调查了杉山さん”。

沙村:讲真,第一话录音的时候我还担心过杉山さん的嗓子能不能撑住。结果她不仅出色地完成了工作,还在之后的庆功会上咣咣灌酒然后彻夜唱K到了天明。

——强者啊。

沙村:我一直以为声优这类靠嗓子吃饭的人得靠精心保养来保持状态,结果就是纯粹的嗓子很强(笑)。

——应该还是有在保养的(笑)。该作中美奈玲的声音被评价为和传统的FM广播电台DJ相反,“音调很高,让人无法安心,带有一种煽动感的傲慢”“但是不可思议地不让人讨厌”。请问饰演美奈玲的杉山さん的声音符合你的想象吗?

沙村:我当初画这段的时候并没有想得这么详细,但杉山さん的声音确实符合我对美奈玲的印象。试音的时候我也被请到了现场。当时加上杉山さん一共有三人进入了最后的筛选,其他两人都是资深老手。杉山さん有不逊于他们的实力,最后考虑到她和美奈玲同样出身札幌于是选中了她。

——我一开始还以为这次试音的是专门面向北海道人的,结果只是最终选择了札幌出身的人。

沙村:是的。我本来还期待动画的台词能带点札幌当地的语调,之后才知道那些地方全被监督要求改正了(笑)。

——和漫画一样以标准语为基准呢。

沙村:不过杉山さん在动画播放前(在Air-G‘ FM北海道电台播出)的同名广播中用的全是北海道方言。


只对动画组提了一个要求

——该作品决定动画化的时候,您曾惊叹动画组比您取材还要细致,请问这具体体现在哪些方面呢?

沙村:首先动画业界的人比漫画家更熟悉广播和放送业界。我去广播电台取材的时候,是进不去一些诸如储存备用电池的房间的,但是动画组的工作人员则能进去拍照取材,真的很了不起。动画组为了描绘动画中的原创场景,向各个部门发送了很多邮件详细询问。我自己取材的时候问的大多是“这种情况是否会发生”之类的问题,而动画公司的人则提出了更详细的问题。通过观察他们的交流,我意识到了一些我之前没有注意到的事情。后来当我要描绘类似的场景时,这些信息变得非常有帮助(笑)。

——原来如此。请问您有参与动画脚本监修之类的工作吗?

沙村:我有检查动画的脚本,不过我并没有要求他们照搬原作的剧情。即使细节有所不同我也会期待动画组会怎么展现这些情节。……啊,不过有一个地方我让他们删掉了。

——请问是哪个地方?

沙村:剧中有一个叫瑞穗的角色养了三只乌龟。它们在动画出现的频率比原作还高。出现广播业界用语时,它们会作为吉祥物出现进行解说。原本的剧本有一个场景在乌龟们的搞笑台词加入了用语解说,我只好说:"没有什么比在插科打诨的时候解说更没技巧的了,所以请不要这样做"(笑)。


并非“描绘广播业界的漫画”而是“可以阅读的广播”

——我还想深入了解一下原作。请问您最初为什么选择了广播业界题材呢?

沙村:说到这个,我其实并不是特别“想画广播业界的故事”,最开始只是想画“工作中的女性”。

——也就是职场题材吧。

沙村:是的。接着我决定选北海道作为故事舞台。

——我也很在意这点。您是千叶出身的,为什么会选北海道为故事舞台呢?

沙村:这就说来话长了……。虽然我现在的责编是男性,但刚决定连载时我的责编是一位女性。当决定要讲述“工作中的女性的故事”时,那位女性编辑主动要求看我画的嘴不干净的女性被彻底甩了后口吐暴言的场景(笑)。

——确实,您描绘的尖锐的女性角色很适合被甩后用诙谐有趣的语言谩骂的场景。那么这与北海道有何联系呢?

沙村:确定了故事由一场盛大的失恋开始后,我又定下了现代的时代背景和主人公的社会人身份。确定了以上构想后,我希望故事舞台是一个有工作地点,又靠近可以逃避失恋后的痛苦的大自然的都市。于是,札幌就成为了不二之选。确定了这点后,我就与责编一边喝酒一边聊天,完成了第一话的全部剧情。


——美奈玲失恋后在酒吧喋喋不休的时候被录音,之后她的暴言在广播中被放出,于是她冲向广播局,结果顺势当上了主播……是这样的走向吧。

沙村:是的。我的责编很喜欢听广播,再加上我平时也听广播,所以我们决定出一部广播题材的作品。决定故事舞台是札幌后,我就前往北海道取材拍照。当然,完全没有与广播局有关的照片(笑)。画第一话的分镜时,我才急急忙忙赶到 J-WAVE取材 ,所以漫画第一话中所有的广播局场景都来自J-WAVE。

──也就是说画第一话的时候您完全没考虑过之后的剧情发展吧。我本来想问您为什么在“原本就喜欢广播的人在业界奋斗”和“素人顺势开始做广播节目”的故事中选了后者,没想到您是从“描写一个失恋的女性”入手的呢。

沙村:是的。其实还有个原因是我不想让这部作品太过专注广播业界。虽然这是部广播题材的漫画,但我不想让它成为”描绘广播业界的漫画”,而是“可以阅读的广播”。

──“可以阅读的广播”吗?

沙村:广播的特点之一是只要主持人在一定时间内滔滔不绝地说话就足以让整个节目成立。同样,即使不知道故事的纵向情节,一部漫画也可以因为女主角滔滔不绝地说话而自成一体。从这个意义上说,我希望这部作品成为一部“可以阅读的广播”。

──刚才提到”这部作品的魅力很大程度上取决于美奈玲的魅力”,这点或许和广播本身一样呢。

沙村:如果主人公一心想成为广播主持人,那这就会变成一部完全关于广播业界的漫画。因此,我认为最好的是让一个甚至不认为广播有多少受众的人冒冒失失地进入这个行业。实际上,我在J-WAVE采访一位广播主持时,他说他曾被邀请成为某个节目的嘉宾。谈完话准备离开时,导演拍了拍他的肩膀,问他要不要试着主持一档节目。这件事是他进入广播业界的契机。我觉得这个故事很有趣。电视业界是不会有这样的机会的,但第一话中发生在美奈玲身上的事情却确确实实可能发生。

──像灰姑娘一样呢。

沙村:确实。另外这种随意的感觉也很有趣,我也想描绘出广播随意的一面。


广播的魅力在于和听众的关系性

──我还想更深入地了解一下 您对广播这一媒体的魅力的看法。在本作中有句台词是 "广播的优势在于它与听众的距离"吧。

沙村:是的,无论如何,广播的好处之一就是听众通常都持积极的态度。我认为与看电视的人相比,广播听众中几乎没有那种对什么都投诉的人。即使主持人犯了一些小错误,听众也不大会生气。

──我也经常听广播,印象中广播听众反而会对放送中的突发状况乐在其中。

沙村:主持人和听众之间相互信任,关系性可以说相当良好。东方收音机(*搞笑艺人组合名)的两位就曾在节目中大吵过一架。

──是直播中两个人因为对《EVA》的了解差异导致争论的那次吧。

沙村:对的对的。然后节目还真的开始七分钟左右就中断了。

──最终是以广告音乐强行结束话题然后勉强用音乐和CM过渡过来的。

沙村:我没想到还会发生这种事,听直播的时候超兴奋的。电视节目可不会出现这种情况。不知道这能不能说是“广播节目的魅力”(笑)。

──您刚才说的“广播的随意感很有趣”“广播听众很享受突发状况”不是取材得到的知识,而是您平时听广播才能亲身体会到的吧。

沙村:嗯,我现在几乎只听搞笑艺人的广播节目,几乎没怎么听过所谓的DJ解答听众烦恼或者点歌的节目。因此,漫画中的广播是我根据小时候坐在父亲的车里听到的节目的记忆画的。虽然我是去FM电台取的材,但漫画中出现的完全是AM电台的感觉(笑)。


第五卷之后的故事发展有点做过火了

—— 您在第一卷的后话中写到“这次想画不会死人的漫画”,请问这单纯是画完《无限之住人》后的副作用吗?

沙村:是的,我想抹掉人们提到我的漫画就是黑深残的刻板印象。 这部作品不会死人,读者可以放心阅读。

──虽说如此,但从第五卷开始情节变得相当了不得。我会避免详细剧透,但第五卷的书腰上可是写着“糟糕了,作者擅长的监禁情节即将开始”(笑)。

沙村:啊,那是因为大约在第4卷左右,我觉得“画面上有点平静了”、“感觉有点像广播行业的故事了”,就想搅和一下,于是画了那部分,结果变得非常混乱(笑)。稍微有点做过火了。

──想画平稳的漫画的愿望功亏一篑了(笑)。现在“说到沙村广明就是黑深残”的印象还是很强烈吗。

沙村:我想是吧。

──《无限之住人》和《布拉德哈利的马车》这样的硬核作品很有您的风格,但您同时也很擅长《听我的电波吧》和《竹易手足漫画全集 搬家》这样的对话式喜剧。很多读者都很欣赏您在多种风格和题材上的广泛创作能力。您本人也是想尝试创作这两种不同风格的作品吧。

沙村:是的,美学戏剧和对话戏剧我都想画。

──我第一次读《搬家》的时候,非常震惊《无限之住人》的作者居然还能画这样的喜剧。您的对话戏剧品味在《听我的电波吧》中甚至更上一层楼。

沙村:对话剧的素材写起来相对轻松愉快。当我画喜剧时,我会把想到的笑话全都记录在手机上,画《无限食女》的时候也是这样,所以我有大量的素材储备。有时候可能会碰到即使有了好的素材也无法融入到对话中的情况,但是在《听我的电波吧》中,即使与之前故事情节毫无关联也可以将笑话以广播节目内的听众投稿的形式插入其中(笑)。

──能够轻松地处理积累的素材确实不错(笑)。您的笑话经常涉及时事和艺人,所以一旦有了想法就需要尽早整理。说到时事话题,在《听我的电波吧》的动画中,这些时事话题是如何处理的呢?比如“被琴欧洲的博客治愈了”这个段子在连载时没什么问题,放到现在可能有点过时了吧。

沙村:棒球选手的段子也可能因为球员的所属球队与连载时不同不再通用呢。因此动画中也会根据现状对原作进行一些修改。比如说到“日本火腿斗士队的大野……”的时候,会加入美奈玲吐槽“他现在已经是是中日的球员了”的台词(笑)。


其实是更偏向视觉表示的作品

──您在后记中多次提到“想把这部作品做成恋爱题材但一直不太顺利”,请问今后作品中的恋爱要素会如何发展呢?

沙村:我已经放弃了(笑)。不会再尝试了。

──居然这么爽快(笑)。

沙村:最近呢,虽然并非为了了解时事,但我注册了一个专门用来阅读的Twitter账号。阅读了很多人的发言后,我开始感觉到,我曾想画的那种浪漫爱情故事的设想已经有点过时了。美奈玲甩了男性后与同居的瑞穗发生了一些暧昧的事情,或者说有一些亲密。获得信任的对象并不一定要是异性,也可以是女性之间。并不是说我想描绘女同性恋,而是我认为通过人与人之间的联系来制造戏剧冲突也是可以的。如果像过去经济景气的时代,以恋爱为主题的女主人公可能会很受欢迎,但现在的人们比起恋爱,似乎更注重工作和生活方式。

──确实已经不再是“结婚是人生的必选项”的时代了。

沙村:是吧。恋爱脑的女主人公已经逐渐不能引起共鸣了,因此我将美奈玲设计成了一个随波逐流、更关系接下来的生活的女主人公。

──原来是这样。那么能请您最后向《听我的电波吧》动画观众介绍一下本作的看点吗?

这么说会和最开始的发言有点重复。很多人听到“广播题材”的时候,都会认为内容只有“主持人在播音室讲话”。然而,为了不让画面显得乏味,漫画和动画中都准备了各种各样的视觉元素。

──不仅是熊,连外星人都出现了呢。

沙村:是的。Sunrise是一家历史悠久的优秀公司,连我随意画出的混乱场景都能很好地编排出来。 因此,它比 "广播题材 "一词所暗示的更注重动作和视觉效果。 我想强调这是一部适合动画的作品,不会让观众感到无聊。

──另外请问动画会改编到原作的哪一部分呢?

沙村:我刚听到动画化的消息时也好奇他们会做到哪里。因为这个故事似乎没有一个明确的“告一段落”的地方。但是看了动画剧本后,发现工作人员巧妙地总结了剧情,真的很厉害。动画的结尾部分是原创故事,不过,这一部分故事与原作中的某个主题相似,取材的地方也一样,因此会有一些与原作相似的情节。虽然看起来好像是我的原创故事被改编成了动画,但实际上是动画先完成了剧本,我再根据它创作原作的。包括那个原创故事在内,敬请期待吧。




日文原文

沙村広明原作のアニメ「波よ聞いてくれ」が、4月から放送中だ。本作は、札幌のスープカレー屋店員でありながら、あるきっかけで地元のFMラジオにパーソナリティとして抜擢され、冠番組を持つことになってしまった主人公・鼓田ミナレの奮闘を描いている。沙村の持ち味でもある切れ味鋭い会話のセンスが、ラジオという舞台でより一層輝いている作品だ。

コミックナタリーではアニメの放送を記念し、沙村へのインタビューを実施。「映像化が難しい」と言われていた今作がアニメではどのように仕上がっているのか、原作者目線での感想を聞いた。さらにラジオというメディアの魅力や、原作の裏話、今後の展開についても語ってもらっている。

取材・文 / 松本真一 撮影 / 笹井タカマサ


なんのアニメなのかよくわからないですよね(笑)

──「波よ聞いてくれ」TVアニメ化が発表された際の反響として、喜んでいるファンももちろん多かったですが、「え、あれがアニメ化できるの?」という声もSNSなどで散見されたように思います。

沙村広明:俺もそう思っていた部分はあります(笑)。


──実際、鼓田ミナレ役の杉山里穂さんも「映像化が難しいと言われていた沙村先生のラジオ業界コミックが、どんなアニメになったのかぜひ楽しみにしていただければと思います」とコメントしていました。原作者としてはどのような理由で「アニメ化が難しい」と思っていましたか?

沙村:このマンガって、「ラジオマンガ」って言えるほどジャンルがはっきりしてないんですよ(笑)。だからアニメにしても「なんのアニメなんだろう」って思われるんじゃないかなって。そういう意味では難しいかもなと。


──確かにラジオ以外の部分でもたくさん事件が起きるので、単純に「ラジオ業界もの」とはひとくくりにしづらい作品です。

沙村:基本的にはラジオの話だから、あっちこっちに旅をするでもなく、札幌の近辺で行われる話なんですよ。それなのにビジュアル的にはかなり変な場面が多いんじゃないかとは思います。


──アニメの第1弾PVは、ミナレが森の中で熊と対峙する場面から始まりますからね。

沙村:そうそう。だから視覚的に退屈するってことはないんじゃないかなーと思うんですけど、PVを観てもなんのアニメかはよくわからないですよね(笑)。


成功するも失敗するも主演の杉山さん次第だけど、心配はない

──原作を読むと、情報量がとにかく多いじゃないですか。まずセリフが多いし、その中に細かいボケがいくつもあって、フキダシ外の書き文字で小さくツッコんでて。マンガだと自分のペースで読めるんですけど、アニメであの量のセリフを聞くとどう感じるんだろうというのは気になります。

沙村:アニメでも当然セリフは多いんですけど、テンポがうまくハマってるし、ミナレ役の杉山さんの力量もあって、すごくいいものに仕上がっていると思います。


──楽しみです。「波よ聞いてくれ」という作品の魅力は、主人公のミナレというキャラクターが担う部分が大きいですよね。

沙村:マンガだけ見ると「このマンガ、フキダシ多いな」って思うだけかもしれないけど、声がつくと「しゃべってるのはこの女だけだな」っていうのが浮き彫りになってますよ(笑)。こんなに主人公がしゃべるアニメがあったかなっていうぐらい。でもそこに関しては心配ないですね。


──杉山さんがしゃべりっぱなしの「第2弾PV~ミナレコメンタリー版~」という動画もアップされてましたけど、すごくよかったですね。

沙村:そうですよね。俺が見る限りも概ね好評だったので、よかったなと思ってます。成功するも失敗するもミナレ次第というか、杉山さんにかかってるから(笑)。


──「新千歳空港国際アニメーション映画祭」でアニメのイベントがあった際、瑞穂役の石見舞菜香さんは「台本がミナレのセリフで埋め尽くされていた」「これを乗り越える方はどなたなんだろうと、杉山さんについて調べちゃいました」と言っていました(参照:「波よ聞いてくれ」石見舞菜香がミナレのセリフ量に驚愕、沙村広明が語るその原因は)。

沙村:いや、ホントにね、第1話の収録で杉山さんの喉が潰れるんじゃないかと思いましたよ。それでもちゃんとこなしてくれて、しかも収録後に打ち上げみたいなことをやったんですけど、杉山さんは酒をガンガン飲んで、朝までカラオケやってました。


──すごい。

沙村:声優さんって、さぞかし日頃から商売道具である喉のケアをしてるんだろうと思ったら、単純に喉がめちゃくちゃ強い人たちなんだなって(笑)。


──ケアもしてると思いますけどね(笑)。作中でミナレの声は、いわゆるFMラジオのDJらしい声とは逆で、「音域が高く、人を安心させず、アジテーターじみた傲慢な響きがある」「不思議なのはそれが不快ではない」と評されています。ミナレを演じる杉山さんの声はイメージ通りでしたか?

沙村:マンガでそう描きつつ、そこまで細かくビジョンがあったわけでもないんですけど、イメージ通りでした。オーディションにも参加させてもらったんですが、3人ぐらいに絞ったときに、ほかの2人はベテランだったんです。でも杉山さんはその2人に遜色ないぐらいの力があるなと。そして最終的には杉山さんが札幌出身というのもあって、彼女に決定しました。


──最初から北海道出身者に絞ったオーディションなのかと思っていたんですが、結果的に札幌出身の人になっただけなんですね。

沙村:そうですね。アニメのセリフで札幌の人らしいイントネーションがスッと出てきてもいいなと思ったんですけど、あとから聞いたらそういう部分は監督に全部矯正されたって(笑)。


──マンガと同じく基本は標準語なんですね。

沙村:でも杉山さんが、アニメに先がけて(AIR-G'エフエム北海道で)やってくださってる「波よ聞いてくれ」のラジオは、北海道弁をバンバン出しているみたいですよ。


アニメスタッフへの注文は1カ所だけ

──アニメ化が決定した際、沙村さんは「原作者以上に取材をしてくださっていて頭が下がる」とコメントされていましたが、具体的にはどういった部分に対してそう感じましたか?

沙村:まず前提として、アニメ業界の人はマンガ家よりラジオ、放送業界に詳しいんですよね。それに俺がラジオ局に取材に行ったときは入らなかった、例えば非常用バッテリーが置いてある部屋とかも、アニメのスタッフさんは写真を撮ってくれていて、すごいなと。ほかにもアニメではオリジナルのシーンがあるんですけど、そこを描くにあたっての、各所への質問メールが細かかったんですよ。俺が取材するときは「こういう状況は起こりますか」ぐらいの感じなんですけど、アニメ会社の人はもっと詳しく質問してて、そのやり取りを見た俺が「そうか、確かにそこはどうなってるんだろう」って気付かされるという。あとから俺が似たようなシーンを描くときに助かりました(笑)。


──なるほど。ちなみに沙村さんは、脚本の監修などでアニメに参加はされたんですか?

沙村:脚本のチェックはしました。でも俺は「原作通りにしてくれ」とか言わないほうなので。細かい部分に違いはあるけど、アニメのスタッフさんがどう料理してくれるのを楽しみにしてます。……あ、1カ所だけやめてくれって言ったことがありますね。


──なんでしょう?

沙村:瑞穂というキャラが飼ってる3匹の亀がいるんですけど、原作より出番が多いんですよ。要はラジオ業界の専門用語が出たときに、亀たちがマスコット的に登場して解説する仕様になってるんです。でも亀がギャグゼリフの中の用語を解説するシーンがあったので、そこだけは「ギャグの途中で解説を入れるほど無粋なものはないのでやめてくれ」と、そこだけは言わせてもらいました(笑)。


“ラジオ業界を描いたマンガ”ではなく“読むラジオ”

──原作の話も伺いたいのですが、そもそもなぜラジオ業界のお話になったんでしょうか。

沙村:これはですね、強く「ラジオ業界を描くぞ」と思っていたわけじゃなくて、最初は「仕事をする女」の話にしようと思ってたんですよ。


──お仕事ものみたいな感じで。

沙村:そう。その次に、北海道の話にしようというのが決まったんです。


──これも気になるところなんですけど、沙村さんは千葉出身ですよね。なぜ北海道が舞台なんですか?

沙村:これは話せばちょっと長いんですけど……。まず、今の担当編集は男性なんですけど、連載立ち上げのときは女性だったんです。「働く女の話にしよう」ってなったときに、その女性の編集さんが「沙村さんの描く口の汚い女が、盛大にフラれて、暴言を吐くシーンが見たい」って言い出して(笑)。


──確かに沙村さんの描くキリっとした女性キャラって、フラれてからウイットに富んだ罵詈雑言を吐く絵が似合いそうです。それがなぜ北海道につながるんでしょう?

じゃあその大失恋シーンを序盤で描こうと。そして現代劇で、仕事もしていると。そういうビジョンを詰めていった結果、まず舞台を選ぶときに、働く場所がある都会なんだけど、すげえ失恋をして逃げ込む大自然が近くにある土地がいい、ということで札幌になりました。そこまで決まったうえで、担当さんと飲みながら話してたら、第1話のプロットが全部できちゃったんですよね。


──ミナレが失恋して、バーでクダを巻いてたら録音されて、それをラジオで流されて、ラジオ局に乗り込んで、しゃべることになって……という流れが。

沙村:そう。担当さんがラジオを好きだし、俺も聴くし、みたいなところから、じゃあラジオを出そうみたいな。先に「舞台を札幌にしよう」って決まった時点で北海道に取材に行って、写真は撮ってたんですけど、当然ラジオ関係の写真は全然なくて(笑)。第1話のネームを描く段階で、慌ててJ-WAVEさんに取材に行きました。だからマンガの第1話に出てくるラジオのシーンは全部J-WAVEなんですよ。


──1話の時点では先のことなんか全然考えていなかったと。「ラジオ大好きな人がラジオ業界を目指す」ではなくて、「素人が成り行きで番組をやることになる」というのはどういう意図なのか、という質問も用意していたんですが、まず「失恋した女性を描く」からの流れなんですね。

沙村:そうですね。あとはあまり業界ものにしたくはなかったという理由もあります。ラジオがテーマのマンガではあるけど、“ラジオ業界を描いたマンガ”ではなくて“読むラジオ”みたいなマンガにしたかった。


──“読むラジオ”ですか。

沙村:ラジオって、パーソナリティが延々しゃべってるだけでその時間が成り立つじゃないですか。それと同じで、話の縦筋がわからなくても、ヒロインが延々としゃべってるだけで、マンガが成り立つ。そういう意味で“読むラジオ”になればいいなと。


──さっき「この作品の魅力はミナレの魅力によるところが大きい」と言いましたけど、そこは確かにラジオとの共通点かもしれないです。

沙村:熱心にラジオパーソナリティになりたがってる主人公を作っちゃうと、もうラジオ業界のマンガになっちゃう。だから「ラジオってそんなに聴いてる人いるんだ」と思ってるぐらいのふわっとしたやつが業界に入ってくるぐらいがいいのかなと。実際にJ-WAVEを取材した際に、あるパーソナリティの方にお話を伺ったんですけど、その人がラジオ番組を持つきっかけが、ある番組でゲストとして呼ばれてトークをして、帰ろうとしたときにディレクターにポンと肩を叩かれて「君、番組持ってみない?」って言われたからなんですって。その話を聞いて面白いなって。テレビ業界ってそんな感じでは入れないじゃないですか。第1話でミナレに起こったことは、あながちなくもないっていうね。


──シンデレラストーリーが起きうる。

沙村:それもあるし、そのユルさが面白いなって。ユルいところまで含めて描いてみたかったんです。


ラジオはリスナーとの関係性が魅力

──沙村さんの考える、ラジオというメディアの魅力ももう少し掘り下げたいと思います。作中では「ラジオの強みはリスナーとの距離感」というセリフが出てきましたよね。

沙村:そうですね。ラジオはとにかく、リスナーがみんな好意的に聴いているのがいいと思います。テレビを観ているのって、なんでもかんでもクレームを送りつけてくるような人が多いイメージなんですけど、そういう人がラジオリスナーにはほぼいないと思います。パーソナリティが多少ミスをしたところで怒らないっていうか。


──僕もラジオはよく聴くんですが、ラジオリスナーってトラブルをむしろ面白がる印象です。

沙村:パーソナリティとお互いに信頼しあってるというか、いい関係性がありますよね。例えばオリエンタルラジオの番組で、2人が放送中にめちゃくちゃケンカしたことがあるんですよ。


──生放送中、エヴァンゲリオンに関してのおふたりの知識の差が原因で口論になった回ですね。

沙村:そうそう。それで番組がマジで7分ぐらい中断したんですよ。


──ジングルで無理やり話を終わらせて、音楽やCMでなんとか繋いでいました。

沙村:「こんなことが起こるんだ!」って、あのライブ感は興奮しましたね。あんなこともテレビではありえないですよ。これを「ラジオの良さ」って言っていいかわからないんですけど(笑)。


──今の「ラジオはユルいからいい」「ラジオリスナーはトラブルも面白がる」というお話は、取材で得た知識ではなく、沙村さんが普段からラジオを聴いているからこその実感がこもってました。

沙村:まあ、今はほぼ芸人さんのラジオしか聴いてないんですけどね。いわゆるDJがリスナーのお悩みとか曲リクエストに答える形式の番組もほとんど聴いたことがなくて。だからマンガの中のラジオは、俺が子供の頃に父親の車に乗っていたときに流れていた番組の記憶で描いてます。FM局に取材に行ったのに、マンガに出てくるのは完全にAMのノリですよ(笑)。


5巻からの展開は、ちょっとやりすぎましたね

──ところで1巻のあとがきで「今度こそ人の死なないマンガを描きたい」的なことを書かれてましたよね。これは単純に「無限の住人」からの反動でしょうか。

沙村:うですね、俺のマンガといえばエログロだったり残虐シーンだったりっていうイメージが強いと思うので、払拭したくて。人が死なないですよ、落ち着いて読めますよ、と言いたかった。


──とはいえ5巻ぐらいからはけっこうとんでもないことになりますよね。詳しいネタバレは避けますが、5巻のオビには「まずいことに作者得意の監禁展開突入」とあります(笑)。

沙村:ああ、あれはね、単純に4巻あたりで「画的にちょっと落ち着いたな」「ラジオ業界ものっぽくなってきたな」って思っちゃって。「またかき乱そう」ってことであれを描いたら、めちゃくちゃになりすぎた(笑)。ちょっとやりすぎましたね。


──せっかく平和なマンガにしたかったのに(笑)。でもいまだに「沙村広明と言えば残虐シーン」というイメージって強いんですか。

沙村:だと思いますよ。


──もちろん「無限の住人」や「ブラッドハーレーの馬車」といったハードな作品も沙村さんらしいんですけど、「波よ聞いてくれ」や「竹易てあし漫画全集 おひっこし」のような会話劇でのコメディも得意とされていて、その幅の広さを魅力に感じている読者もたくさんいるのではないかと。ご本人としてはどっちも描きたいわけですよね。

沙村:そうですね、耽美なのも会話劇もどちらも描きたいです。


──初めて「おひっこし」を読んだときは「えっ、『無限の住人』の作者って、こんなコメディも描けるのか」と衝撃でした。その会話劇のセンスが「波よ聞いてくれ」ではさらにパワーアップしていると感じます。

沙村:会話劇のネタは割とポンポンと楽しく書けますね。「ハルシオン・ランチ」のときとかもそうだったんですけど、コメディを描いてるときって、思いついたギャグを全部携帯にメモってるんです。だからネタのストックは大量にある。それをマンガに出したいんだけど、そのネタを出していい会話に持っていけないときもあるわけですよ。でも「波よ聞いてくれ」だと、それまでの話の流れといっさい関係ない場面でも、ラジオ番組内のリスナーの投稿としてギャグを放り込めるんですよ(笑)。


──溜めていたネタを成仏させやすいのはいいですね(笑)。沙村さんのギャグって時事ネタとか芸能人ネタも多いから、思いついたら早く消化しないといけないし。あ、そういう時事ネタは「波よ聞いてくれ」のアニメだとどうなってるんでしょうか。「琴欧洲のブログは癒やされる」という話とか、連載当時はともかく、いまはちょっと古くなってるのではと思うんですが。

沙村:野球選手のネタとかも、もう連載当時とは所属球団が変わっちゃったりしてますからね。だからアニメでは原作と変えている部分もあるし、「日ハムの大野が……」というところは、ミナレが自分で「今は中日にいるけどね」ってツッコミを入れたりしてます(笑)。


本当はビジュアル寄りの作品なんです

──ほかにもあとがきでは「恋愛ものにしたかったのになかなかならない」ということも繰り返し言われてます。今後、恋愛要素はどうなりそうでしょうか。

沙村:そこに関してはもう諦めてますね(笑)。もう、ならないわ。


──そんなきっぱりと(笑)。

沙村:最近ね、世相を知るためっていうわけでもないけど、Twitterで読む専用のアカウントを持ってるんです。それでいろんな人の話を読んでるけど、やっぱり俺が描こうとしてた恋愛劇のビジョンはもう古いなということは、今更ながら感じ始めてます。ミナレが男をフッたあと、同居人の瑞穂とクダをまくというか、ちょっとイチャイチャしてますよね。信頼関係を得る相手は別に男女じゃなくて、女性同士でもいいんじゃないかなと。別にレズビアンを描きたいわけじゃないんですけど、人間同士のつながりでドラマが起こればそれでいい。昔みたいに景気がよければ恋愛主体のヒロインでもいいのかもしれないけど、今の人たちって恋愛よりも、どう働いてどう生きるみたいなほうが大事みたいになってるじゃないですか。


──確かに「結婚するのが当たり前」という時代ではないです。

沙村:ですよね。恋愛脳みたいなヒロインにリアリティを感じなくなってきたので、ミナレはひたすら流される、「明日はどうしよう」というヒロインになりましたね。


──なるほど。最後に「波よ聞いてくれ」のアニメを観る人に、見どころをアピールしていただけますか。

沙村:最初に言ったことと少しかぶりますけど、やっぱり「ラジオを題材にしてる」とだけ聞くと、「パーソナリティがブースの中で話してるだけなのかな」って思う人もいると思うんですよ。だけど絵的に退屈にならないように、マンガでもアニメでも、いろんなビジュアルを用意してます。


──熊だけじゃなくて宇宙人なんかも出てきますからね。

沙村:そう。俺が適当に描いためちゃくちゃなシーンを、サンライズという優秀な老舗が動かしてくれるんですよ。だから「ラジオもの」っていう言葉のイメージより、ずっと動きやビジュアルに寄っている。観ている人に飽きさせない、アニメ向きの作品だということは言っておきたいですね。


──ちなみにアニメでは、原作のどのあたりのお話までやるんでしょうか。

沙村:俺も最初にアニメ化の話を聞いたとき、「え、どこからどこまでやるの?」って思いましたよ。「ここまでが一段落」みたいなのがないから。でもアニメの脚本を見たら、上手い感じにまとめてくれていて、スタッフさんはさすがだと思いました。終盤はアニメオリジナルの話になるんですよ。ただ、その部分は原作でも描いたあるお話と同じテーマで、同じところに取材してるので、原作と似たエピソードは出てきます。あたかも俺の原作をアニメにしたように見えるかもしれないけど、実はアニメが先行して脚本を描いていて、俺があとから合わせて原作を描いたところがありますね。そのオリジナルの話も含め、楽しみにしていてください。






译者授权:_药药药_

原文链接:

“谁说广播题材的动画没有新意了?”—《听我的电波吧》沙村广明访谈

日文原文链接:

アニメ「波よ聞いてくれ」特集 沙村広明インタビュー“ラジオアニメは地味だと誰が言った?”