【生肉转载】Febri TALK系列——中村章子

取材・文/宮 昌太朗
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2023年7月31日~8月4日
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①DNAレベルで刷り込まれた
『機動戦士Zガンダム』
中村明日美子原作の劇場アニメ『同級生』の監督を務めるなど、さまざまな作品にアニメーター、演出家として参加する中村章子。彼女のアニメ遍歴を聞くインタビュー連載、その第1回は「いまだに忘れられない」と語る、富野由悠季監督の名作をめぐって。
カミーユが殴られるのが可哀想すぎて、つい毎回見てしまう
――中村さんは、子供の頃からアニメを見ていたのでしょうか?
中村 小さい頃に住んでいたのがまったく娯楽のない田舎だったこともあって、テレビを見るのが大好きだったんです。テレビが消えると不安になるというか、興味のうすい番組でもついている限りはずっと画面を見ていた気がします。歳の近い兄がいるんですけど、両親がテレビをあまり見ない人たちだったので、兄が好きで録画したロボットアニメを流していることが多くて、私も一緒に見ていた感じでしたね。
――お兄さんの影響が強かったわけですね。
中村 サンライズ系のロボットアニメを、ずっと見ていた記憶があります。夏休みになると『機動戦士Zガンダム(以下、Zガンダム)』と『機動戦士ガンダムZZ』を早朝に放送していることが多くて、朝に1回見て、午後も録画したものを繰り返し見ていましたね。見ていたというか、他のことをしていても常にBGMみたいに流れていたというか。
――1本目に挙がった『Zガンダム』は、そのタイミングで見たわけですね。
中村 とにかくずっとループで流れていたのをおぼえています。なので、今でも何かのきっかけで見ると、BGMがかかった途端に実家にいるような気分になりますね(笑)。DNAレベルで刷り込まれている、みたいな感じでしょうか。
――あはは。でも、その頃ってまだ小学生ですよね。『Zガンダム』は内容的にちょっと難しいんじゃないでしょうか。
中村 いやもう、当然わからないです(笑)。とりあえず、主人公のカミーユを追いかける感じで見てはいるんですけど、とにかくカミーユが殴られるじゃないですか。それがもう可哀想すぎて、それでつい毎回見てしまう。ニュータイプだし、きっとのちのち活躍するんだろうな、その力で大人たちを黙らせてくれ!みたいな気持ちで見ていたんじゃないかなと思います(笑)。
――あらためて考えると『Zガンダム』の登場人物って、みんなすぐに手を出しますよね。
中村 初対面でいきなり殴ってくるウォンさんとか、かなりトラウマです(笑)。エマ中尉にしても、頼りになるお姉さんみたいな良さげな雰囲気を出しておいて、ことあるごとに殴るし。最初はまだ指導の延長くらいの感じだったと思うんですけど、後半になると「八つ当たりなんじゃないか?」っていうくらい理不尽に殴る(笑)。
――そういうシーンはストレスじゃなかったですか?
中村 ストレスはあったと思いますけど、でも普通じゃない人たちのやりとりが「理解できないけど何か凄そう」みたいに見えていたのかなと。作品的には宇宙とかコロニーでロボットが戦っている、そういう非現実的なものを目の前で見せられていることが単純に楽しかったんですよね。いろいろなモビルスーツが出てきて戦って――モビルスーツ自体にはそれほど興味は抱かなかったんですけど、変形したりファンネルを飛ばしたり、スケールの大きいものを見るのも楽しかったというか。あとはシーンの切り替えなど、飽きないテンポ作りを丁寧にされていたのも大きい気がします。
いちばん好きなのはロザミアのエピソード
――思い返してみて、いちばん好きなエピソードは?
中村 いちばん好き、というか何度も見返すのはロザミィ(ロザミア・バダム)のエピソードです。最初はクールな女性パイロットとして登場したと思うんですけど、それからしばらく間(あいだ)が空いて、次に出てきたときは記憶操作されて、内面だけちょっと幼児化して出てくる。
――「お兄ちゃん!」という(笑)。
中村 そのギャップがすごかったですよね。見た目はどう見ても大人の女性だし、作中でもまわりから「さすがに無理じゃない? おかしくない?」ってツッコミを入れられるんですけど、そこをわりと力技でねじ伏せていく。そういう彼女を受け入れるカミーユも理解できなかったですけど(笑)、あの辺りのエピソードが印象的でした。しかも、彼女が本当はどういう人格だったのか、最後までほぼ描かれないじゃないですか。そのせいで逆に、記憶に残ったというのはあると思います。「結局、彼女って何だったんだろう?」と。
――昇華できないまま、中村さんの中でずっと残り続けてしまった。
中村 たとえば、フォウ・ムラサメも同じように記憶をいじられているキャラクターですけど、でも彼女には自分の感情でカミーユに好意を持ったり、ちょっといいシーンが用意されているんです。でも、一方のロザミィは不遇すぎるというか。他にも『Zガンダム』には、印象的な女性キャラクターがたくさんいるんですよね。レコアさんやベルトーチカみたいな性格の人ってけっこう身近にいるなあとか、大人になってふと思い出したり。そういう意味でも、忘れられない作品になっているんですよね。
――登場するキャラクターの絵を模写したりは?
中村 北爪(宏幸)さんの絵柄が好きで、真似して描いていました。『Zガンダム』は安彦(良和)さんがデザインされていて、北爪さんは作画監督で入られていたんですけど、次の『機動戦士ガンダムZZ』は北爪さんがキャラクターデザインをされていて。デザイン的には『機動戦士ガンダムZZ』のほうが好きでした。女性キャラクターのシャープでスタイリッシュなプロポーションとか、色気のある表情が好きでしたね。
――アニメーターとして仕事を始めてから、あらためて見て、参考になったところはありますか?
中村 うーん、参考になったところはないですね。「ない」というとあれですけど、今見返してもやっていることが複雑すぎて、参考にできると思えないというか。子供の頃に見すぎたせいもあると思いますけど、キャラの実在感もすごいし、アニメなんだけどアニメとして見られない部分もあって、ただただ傍観するだけですね。
②TVアニメにはない新鮮さを感じた
『トップをねらえ!』
アニメーター/演出家として、多彩な作品で活躍する中村章子に、これまでに影響を受けたアニメについて聞くインタビュー連載。第2回は、小学生の頃に初めて見たという傑作OVAシリーズについて。『機動戦士Zガンダム』とはまた違う魅力が、その作品には宿っていた。
「『ガンダム』と「りぼん」が合体してる!」って思った
――『機動戦士Zガンダム』のあとも、継続してアニメを見ていたのでしょうか?
中村 そうですね。兄も中学生の頃まではロボットアニメを見ていたと思うんですけど……。ただ、兄は本当にロボットにしか興味がなくて、ある時期から「録画テープがもったいない」という理由で戦闘シーンがあるBパートからしか録画しなくなっちゃって。それで兄とは別に、好きなアニメを自分でチェックするようになった気がします。その頃に、友達の家で『トップをねらえ!(以下、トップ)』を見たんです。
――2本目に挙がったのが、まさにその『トップ』ですね。
中村 友達のお兄さんがその頃、高校生ぐらいで、たしか発売されて間もないVOL.1を持っていたんです。そのお兄さんがけっこうマニアな人で、アニメとか映画のビデオをとにかくいっぱい持っていて。それで遊びに行ったときに「どれでも好きなのを見ていいよ」って言われたんですね。で、とりあえず「『となりのトトロ』が見たい」って言ったら「そんな、テレビで見られるようなのを見てどうするんだ」みたいなことを言われて。そこですすめられたのが『トップ』だったんです。
――「好きなのを見ていい」と言ったわりにはスパルタな(笑)。面白かったですか?
中村 面白かったですね。その前に『機動戦士ガンダム』でロボットを見慣れていたというのはあるんですけど、ロボットアニメというと「宇宙で戦争している」とか遠い未来っぽい世界観だと思い込んでいたんです。
――『トップ』はとくに冒頭、そういう世界観から外れていますね。
中村 しかもアニメにハマるより前に『りぼん』だったり『なかよし』だったり、少女マンガを好きで読んでいたので、『トップ』を見たときに「『ガンダム』と『りぼん』が合体してる! すごい!」って思ったんです。まったく別の世界にあると思っていたものが、こういう風に合体するんだ!って。少女マンガ的な日常シーンとか、学校から話が始まるところも入りやすかったですし、友達数人で見ていてアニメが好きなのは私だけでしたけど、他の子も鉄下駄シーンとか笑いながら楽しく見ていましたね。
――なるほど。『トップ』のパロディ的な要素が、むしろいい入り口になった。
中村 ちなみにそのお兄さんから「次はこれを見なさい」ってすすめられたのが、劇場版『機動警察パトレイバー』の1作目で。あれも現実っぽい舞台設定に加えて、ストーリーも面白くて画面もかっこいい。スタッフに興味を持つようになったのは、この2作品がきっかけだったと思います。
――そのときに見たのはVOL.1だけですか? 残りのエピソードは?
中村 たしか次の年の夏休みか冬休みにテレビ放送があって、そこで最終話まで一気に見た気がします。編集でけっこうカットされていたんですけど、そのときに録画したものを何度も繰り返し見ていました。物語のスケール感もどんどん大きくなっていくし、とくに第五話、最終話は画面のクオリティも上がって、話の盛り上がりとあわせて感動しました。印象に残っているのは、ディテールというか細かい設定ですね。戦艦の中に見おぼえのある電車が走っているとか、罰でレンズ磨きをさせられるとか。「そうか、こういうのもちゃんと人の手で磨くんだ!」みたいな、リアリティを感じる描写が多くてとにかく刺激的でした。
女性キャラクターの身体のラインが、すごく美しく描かれている
――ドラマ的な部分で印象に残っている場面は?
中村 話の筋立て自体はシンプルなので、見せ方の部分ですね。第二話でお父さんの船が見つかるんだけど、お父さんとは結局会えないシーンはショックでしたし、パートナーになった男の子が最終的に死んだのかどうか、はっきり見せないところも悲しいを通り越して怖さもあって。ウラシマ効果で親友のキミコやお姉さまと年齢が離れていって、それぞれと再会したときの昔とは違う距離感とか、見ながら緊張していましたね。
――ドラマとしてしっかり構築されている。
中村 エンタメとして素直に楽しんでいたと思います。それ以外にも突然デュエットが流れたりといった謎の仕掛けも、それまでテレビで見ていたアニメにはない新鮮さがありました。
――なるほど。
中村 あと、出てくる女性キャラクターの身体のラインが、すごく美しく描かれているんですよ。制服がハイレグなのはどうかと思うんですけど(笑)、腰からお尻、太ももにかけてのバランスがすごくキレイに描かれていて、真似して描いていた記憶があります。
――キャラクターデザインは美樹本(晴彦)さんですよね。
中村 美樹本さんの柔らかいラインと、肌の露出が多いコスチュームの組み合わせなので、肉感みたいなものを意識させられた、というのはあると思います。第一話の体操着はトップスがバストの膨らみでちょっと前に浮いていて、そのヒラヒラした薄い布の質感が伝わってくるのも好きだったんですが、第二話の制服からはそれがなくなって残念でした。第五話かな、キミコと再会したあと、ノリコがひとりでベッドに寝そべりながら、ちょっと感傷的になるシーンがあるじゃないですか。
――親友の同級生が自分より歳上になっていて、取り残されたような気分になるという。
中村 真面目なシーンなんですけど、ノリコがノーブラのせいで動くたびに乳首がチラチラ見えるのが気になって。お父さんの写真を抱きしめて感傷にひたっているけど、「見えてるよ!?」と誰かに突っ込みたくなる(笑)。意図したサービスなのか、アニメーターのアドリブなのかはわからないですけど、小学生としては見てはいけないものを見ているようでソワソワしましたね。でも、キレイに作画されているし、見ずにはいられない。しんみりした雰囲気とそういったディテール描写で、結果的に情報量の多いリッチなものを見ている気分にさせてくれたのも、好きな理由だと思います。
③近藤勝也さんが描く女性が美しい
『カゼノトオリミチ』
アニメーター/演出家・中村章子のアニメ遍歴をたどるインタビュー連載。第3回は、すでにアニメーターとして仕事を始めていた中村が出会った、NHK『みんなのうた』の隠れた名編をめぐって話が展開する。中村が「どうしても心惹かれてしまう」と話す、その魅力とは?
限られた情報量で、これだけ表情豊かに見せられるのはすごい
――3本目は「カゼノトオリミチ」。2004年末から、NHKの『みんなのうた』でオンエアされた短編アニメですね。
中村 これを見たのはたぶん、ガイナックスにいた頃ですね。スタジオにいた誰かに録画したDVDを借りたと思うんですけど。冒頭の女性の後ろ姿のカットとかが印象的ですが、さりげないのにキマっている画であふれていますよね。
――作画を担当しているのが近藤勝也さん、演出が望月智充さんで美術を田中直哉さんという『海がきこえる』のメインスタッフで制作されています。
中村 もともと『海がきこえる』は好きな作品だったんですけど、近藤さんが描かれる女性のキャラクターって、何気ないポーズでもものすごく美しい。清潔感がありつつ、ちょっとフェティッシュな部分が垣間見えて見惚れちゃいます。きっと描いているご本人も「かわいい!」と思いながら愛をもって描かれているんだろうな、と。お会いしたことも聞いたこともないので、内情はただの想像ですけど。
――あはは。髪のなびきなど、細かな仕草を丁寧に拾っていくところが、いかにもこのチームの作品という気がします。
中村 そうですね。しかも話を見せるというよりは、ミュージックビデオ的というかイメージビデオみたいな作りじゃないですか。数分の尺でコンパクトにまとめられているので、凝縮されている感じもあって。ふと思い出したときに何度も見返せるところもいいですよね。ジブリ作品なのにスタイリッシュ……というと失礼かもしれないですけど、シンプルで限られた情報量で、これだけ表情豊かに見せられるのはカッコイイなと。
――歌詞に合わせて映像を作っていると思うのですが、主人公の女性と相手の男性にただならぬ雰囲気もあって。
中村 ちょっと訳アリカップルみたいにも見える(笑)。男性側にカメラを振らず、女性に重点を置いた描き方も、わかりやすくて好きですね。
ちょうどいい抜けた感じが、画面のナチュラル感につながっている
――先ほど話題に出た『海がきこえる』を見たのは、いつ頃だったのでしょうか?
中村 たぶん、リアルタイムだったと思います。中学生か高校生か、テレビで見た記憶があります。
――もともとスタジオジブリの作品が好きだったのでしょうか?
中村 普通に好きでしたね。テレビで見る以外にも、小学校で半強制的に見させられることもあって。『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』あたりまでは、学校の道徳の授業で見る機会があったんですよ。『風の谷のナウシカ』を見たときは、先生が泣いていたのにびっくりしたのをおぼえています。子供たちはみんな「ふーん」みたいな感じで見ているんですけど、先生だけが静かに「スンスン……」って泣いていて。この授業はもしかして先生のためにやっているのかな?っていう(笑)。
――あはは。ジブリ作品の中でも『海がきこえる』は、望月さんが監督を手がけていることもあって、雰囲気が少し違いますね。
中村 画面もわりと地味というか、描かれているのも日常生活で、その良さみたいなものを当時はまだわかっていなかったですね。ただ、ヒロインの里伽子の浮き沈みが激しい感じに衝撃を受けて。「なんだ、このヘンな女は?」みたいな。
――ちょっと『機動戦士Zガンダム』を思い出すような(笑)。
中村 そうですね。また揺れが激しい女だ!みたいな(笑)。見た目から予想がつかない言動とか行動を取るキャラクターって、つい目が行ってしまうんですよ。次はどんなことをやるんだろう?って。主人公も好きとはいえ、よく付き合うな……とも思うんですけど(笑)。普通の日常が、それまで見たことのない丁寧さで描かれているから、里伽子が起こす小さな事件ひとつひとつが印象に残ったのかもしれません。
――当時はそういうところに注目していたわけですね。
中村 色もそうですけど、演出もちょっと抑え気味で「不思議なアニメだな」くらいの印象だったんです。とはいえ、里伽子がホテルで着替えているシーンの描き方など、それまでのジブリ作品とはちょっと違う雰囲気がある。ポーズだったり見えている肌の量とか、セルや美術の色味も涼しげなのが、今見てもめちゃくちゃオシャレですよね。あと前髪だったり肩を張るなど細かいポーズで表情を隠したり、さりげなく何かを含んでいる感じの見せ方がすごくうまいなあと。
――中村さんはアニメのエンディングを担当することもありますけど、その際に『カゼノトオリミチ』を参考にしたりとかは……。
中村 いや、ないですね(笑)。こういう風に作ってみたいという憧れはありますけど、レベルが違いすぎて、おいそれと参考にしようとは思えないです。
――「レベルが違う」と思う理由は何でしょうか?
中村 演出にしても作画にしても情報量の整理の仕方がすごいというか。わかりやすいインパクトのある描写は避けて、余計なものを削ぎ落とした純度の高いものをこともなげに作業されているように見える。実際には時間をかけて試行錯誤されているのかもしれないけど、そんなに苦労して描かれている感じがしないんです。すごい技術なのに押しつけがましくない。ちょうどいい抜けた感じが、画面を包んでいるナチュラル感につながっているような気がするんですね。とくに作画については、技術やセンスだけじゃなく、作り手の性格が影響してるのかな?とも思うんですけど。
――性格が絵にも反映しているという。
中村 私はどうでもいい細かい部分が気になって、大して変わらないのにいつまでもネチネチやってしまうんです。そういう、しょうもないところを気にしながら描いている人間にはできない気持ちよさがあるというか。とくに近藤さんの頭の中にはイメージがしっかりあるのかなと思うんですけど、サラっと迷いなく描かれている感じは今でも憧れますね。
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