【生肉转载】Febri TALK系列——藤泽庆昌

取材・文/森 樹


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2023年4月17日~21日

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①イマジネーションの原点となった

『となりのトトロ』

『ラブライブ!』や『宇宙よりも遠い場所』などの劇伴の他、アイドルや声優、J-POPアーティストへの楽曲提供も手がける藤澤慶昌。彼のアニメ遍歴から音楽家としての目覚めや思考を掘り下げるインタビュー連載。その第1回は、幼少期に見た『となりのトトロ』について。


『トトロ』の音楽は、もはや自分の身体の一部になっている

――まずは藤澤さんが幼少期に見たという『となりのトトロ(以下、トトロ)』を挙げてもらいました。

藤澤 私が育ったのはわりと厳しい家庭だったので、マンガやアニメをあまり見せてもらえませんでした。唯一、『聖闘士星矢』だけは見せてもらえたのですが、『ドラゴンボール』は友達の家で読んでいたくらいで。それ以外で触れることができたのが、「金曜ロードショー」で放送されたスタジオジブリ作品をダビングしたビデオテープだけでした。そこに『トトロ』や『魔女の宅急便』が収録されていて、そのビデオを何度も繰り返し見るのが週末のルーティンだったんです。


――それこそ、テープが擦り切れるくらいに。

藤澤 そうです。何回見ても飽きなかったですし、セリフもおぼえました。どこに惹かれたのかを考えると、もちろん、トトロのあのキャラクターがあったからだと思いますが、他にも生々しさや生活感があって、友達が体験しているお話のような親しみやすさがありました。アニメを見るというよりも、自分の世界と地続きの、身近な別の生活を覗いている感覚でしたね。


――当時、藤澤さんも『トトロ』のような自然豊かな場所に住んでいたのでしょうか?

藤澤 僕が暮らしていたのはベッドタウンだったので、そこまで自然豊かではなかったです。ただ、それほど整備もされていなかったので、ため池や雑木林が近くにあって、そこに「何かいるかも」と思わせる環境ではありましたね。祖母の家はもっと『トトロ』の世界に近かったですし、親戚の家の周辺は蛍がたくさん飛んでいたので、遊びに行くと「ここにトトロが」とか「まっくろくろすけが」と想像する楽しみはありました。


――『トトロ』は久石譲さんが音楽を手がけていますが、当時から劇伴やテーマソングに対して思い入れはありましたか?

藤澤 オープニング主題歌の「さんぽ」よりもエンディング主題歌の「となりのトトロ」が好きでしたね。イメージソングの「風の通り道」や他の曲も当時からおぼえていますし、音楽家になってからも、久石さん特有のコードやメロディの動き方が意識せずとも浮かぶので、いろいろなことを吸収できる幼少期に触れた『トトロ』の音楽は、もはや自分の身体の一部になっている感覚があります。


――当時は何か楽器を習っていたのでしょうか?

藤澤 エレクトーンを習っていて、『トトロ』の曲も耳コピして弾いていました。そんなこともあって、『トトロ』には音楽家としても多大な影響を受けていると思います。久石さんのピアノ三重奏のコンサートを見に行ったこともありますね。


劇伴は、情景と一緒でなければ意識に残らない

――その後もジブリ作品を見続けたのでしょうか?

藤澤 『もののけ姫』が高校生の頃に公開されて、3~4回、劇場に見に行きました。初回鑑賞時は、席に座れなくて立ち見だったことをおぼえています。『風立ちぬ』も劇場で見ていて、あれは久石さんの音楽も含めて完成された一作だと思いますね。ジブリ作品は『千と千尋の神隠し』にしろ『ハウルの動く城』にしろ、どれも人間の生き様をきちんと描いていますが、中でも『風立ちぬ』は自分と同世代の大人の話であり、ものづくりにおける葛藤や矛盾を描いていて、そこに感動しました。僕の中でジブリ作品は『トトロ』『もののけ姫』『風立ちぬ』の3作が大きいです。音楽的な面でも、イマジネーションをたくさん生む原点のようなものですね。


――音楽活動を始めるようになって、あらためて感じた久石さんの魅力はありますか?

藤澤 『STAR WARS』のジョン・ウィリアムズもそうなのですが、作品を見終わったあとにメロディが残るんですよね。基本的に劇伴は映像やセリフがあって、根底には物語があって、それを下支えする役割なので、メロディを残すのがすごく難しいんです。物語に集中しているなかで、音楽をおぼえて帰ってもらうことはなかなかできることじゃないですし、僕が劇伴を制作するときも、それは意識しながらやっています。


――物語を支えながらインパクトを残す難しさですよね。

藤澤 映画の中でただフレーズが繰り返されただけではおぼえてもらえないんです。情景と一緒に意識に残るようにしなければいけない。メロディを聞くと、その情景が頭に浮かぶような音楽は、劇伴を制作している人間としてはいちばん目指したいところなんです。久石さんが作る劇伴には必ずそういうポイントがあるのでびっくりします。


――情景との紐づけが強く感じられると。

藤澤 飛び出してもいないし、引っ込んでもいない。それでいて物語に寄り添って作られているから、意識していなくても物語と一緒にある。それがすごいなと思います。音楽的なところでは、オーケストラがどんどん大きくなっているという変化はあるのですが、根本的なメロディ、楽曲の物語への“残し方”が魅力だと思いますね。


――音楽家になった今でも、それを意識しいるところはありますか?

藤澤 映画の中で音楽にできることはそれほどないのですが、ないとダメなものでもあります。そこで何ができるかを考えたときに、映像の奥にある感情を表現するものとして音楽を使ってもらえるようにしたい。それは僕が目標としてきたことですし、『トトロ』をはじめとするジブリ作品できちんと描かれていることだと思います。


②劇伴の仕事を始める原点になった

『カウボーイビバップ』

劇伴作家として活躍する藤澤慶昌に、影響を受けたアニメや劇伴について語ってもらうインタビュー連載。その第2回は、菅野よう子が音楽を手がけた『カウボーイビバップ』を取り上げる。テレビで偶然見かけて衝撃を受けたというオープニング曲「Tank!」との出会いが、彼を音楽とアニメの世界に呼び寄せた。


テレビから偶然聞こえてきた「Tank!」に衝撃を受けた

――2本目に挙がったのは『カウボーイビバップ(以下、ビバップ)』ですが、この作品を見たきっかけは?

藤澤 5歳上の兄の影響で、小学生の頃からロックにハマっていたんです。とくにMOTLEY CRUEやRattといったLAメタルを聞いていて、その流れでMETALLICAなどスラッシュメタルも聞くようになりました。高校時代、海外アーティストのライブ映像をよく流していたWOWOWに加入していた時期があって、何気なくテレビをつけたときに『ビバップ』がはじまったんです。それであのオープニング曲「Tank!」が流れて、「なんじゃこりゃ!?」となりました。


――SEATBELTS(シートベルツ)のジャズ・ファンクに衝撃を受けたわけですね。

藤澤 そのときに見たのがどのエピソードだったのかはおぼえていないのですが、とにかく「Tank!」の印象が強烈すぎて、「あれは何だったんだろうか」と白昼夢のような感じになりました(笑)。ちょうどファンク・ミュージックやジャズに興味を抱いて、マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』にも夢中になっていた時期だったので、なかなか得難い興奮をおぼえました。ただ、結局当時は「『カウボーイビバップ』というアニメだったんだ」というところまではたどり着けなくて、そのまま高校を卒業したんです。


――そのときはまだ、どんなアニメだったかもわからずじまいだったんですね。

藤澤 はい。それで京都の大学に進学した頃、『ビバップ』がテレビで放送されていたのを偶然見かけたんです。「これだ!」といろいろ調べた結果、ちょうど劇場版の『カウボーイビバップ 天国の扉』が公開されているのを知りました。でも、京都の映画館ではかけられていなかったので、大阪の天満にある小さな劇場で3回くらい見ましたね。もちろん、サウンドトラックも購入して。


――音楽的にはどのような部分に惹かれたのでしょうか?

藤澤 音楽的な完成度はもちろんのこと、プロダクション(制作体制、編成)としても素晴らしかったです。クレジットを読めば、T-SQUAREに参加していたサックス奏者の本田雅人さんや、数多くのライブサポートや録音に参加されているドラマーの佐野康夫さんのお名前もあって。その豪華なメンバーをきちんと活かしていることに驚きがありました。


――劇伴を担当しているのは菅野よう子さんです。

藤澤 「この人に会ってみたい!」と思いました。それが、後に僕が(劇場版『ビバップ』を制作した)ボンズに就職することにもつながるんです。それくらい『ビバップ』には人生を変えられた印象があります。僕はなぜか学生時代の記憶がほとんどなくて、友達にも怒られるくらいなのですが(笑)、高校生のとき、リビングで「Tank!」が流れた瞬間の光景だけはしっかりと脳裏に焼き付いています。


――以降も、菅野よう子作品を聞き込んだのでしょうか?

藤澤 監督の渡辺信一郎さんの作品とともに追いかけました。『WOLF’S RAIN』のサントラも聞きましたし、さかのぼって『マクロスプラス』のサントラもかなり研究しました。久石(譲)さんの音楽と同じく、自分の筋肉になっているというか、劇伴を制作しているときも無意識にあのサウンドのイメージが湧いてくることがありますね。


「菅野よう子さんに会いたい」と思ってアニメ業界に

――ボンズに就職した話が出ましたが、『ビバップ』の影響でアニメに興味を抱いたということでしょうか?

藤澤 大学生の頃は音楽で食べていけるとは思っていなかったんです。ギターをやっていましたが、ライブハウスでプロの演奏を見て、これは無理だと思いましたし、作曲家にはどうやったらなれるのか、そのルートもわかりませんでした。その中で「菅野さんと仕事をしたい」という気持ちは残っていたので、ボンズに制作進行として就職することになります。とはいえ、会えるわけもなく、すぐに辞めることになったのですが……。


――菅野さんに会いたい一心で行動したということですよね。

藤澤 そうですね。退社したあとに作家事務所という存在を初めて知りました(笑)。その後、前の作家事務所に所属していたときに『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』に編曲(オーケストレーション)で参加したんです。それが初めての劇伴に関わる仕事になりました(※音楽担当は川井憲次)。


――巡り巡って、劇伴の仕事に就くことになったわけですね。

藤澤 それからアーティストものや『宇宙よりも遠い場所』『スロウスタート』といった作品の劇伴で、佐野康夫さんや渡辺等さんなど、SEATBELTSのリズムセクションの方々に演奏に参加してもらうことになりました。『ビバップ』とそのサントラを通して、自分が好きなグルーヴやリズム、ベースラインを知ることができて、それが作曲家や劇伴作家人生においても大きな力となったんです。なので、すべてのスタートは『ビバップ』と言えますね。


――作家としての原点をたどると、菅野さんとSEATBELTSに行き着くと。

藤澤 SEATBELTSは架空のバンドという設定ですけど、参加しているのは錚々たるメンバーですからね。『ビバップ』にあの音楽が乗っていて、エンディングにつながる流れは、今でも映像として「完璧だな」と思います。


――作品としても非常にクールで、スタイリッシュな内容ですよね。

藤澤 『ビバップ』も、人の生き様を描いた物語ですよね。スパイク・スピーゲルと、彼とすれ違っていくだけの人たちの間で起きるエピソードの中で、志を曲げないスパイクがすごく魅力的で。すれ違う人たちもキャラクターが立っていて、誰もが素敵に見える。そこにSEATBELTSのようなサウンドが彩(いろど)りを添えているというのは、理想的だと思います。


③劇伴に対する価値観が揺らいだ

『宝石の国』

劇伴作家・藤澤慶昌のアニメ遍歴をたどるインタビュー連載。第3回は自身が劇伴を担当した『宝石の国』をピックアップ。人間ではない生命体が織りなす物語に対し、民族楽器の導入やフィルムスコアリングでの録音など、大胆な手法で臨んだ制作を振り返る。


物語と寄り添うのではなく、あえて距離を取った音楽を作る

――3本目は、フル3DCGで制作されたアニメ『宝石の国』です。藤澤さんが劇伴を担当している作品でもありますね。

藤澤 これまでの2本で話してきたように、僕はずっと「物語やキャラクターに寄り添うかたちで音楽が存在するのがいい劇伴」という価値観で仕事をしてきました。ただ、『宝石の国』はの劇伴は異質で、物語やキャラクターから距離をとって制作することになりました。これまで人の生き様に引っ張られて音楽を生み出してきたのに、『宝石の国』のキャラクターは人ではなく人型の生命体であり、生き様とは異なる別の何かを抱えているんです。


――それを踏まえて、価値観を転換する必要があったと。

藤澤 当初はそれまでと同じ感覚で作業を進めていたのですが、京極(尚彦)監督やスタッフと話し合うなかで、この作品の世界観を表現するには根本的に作り方を変えなければいけないのではないかという結論に至って、劇伴も2回ほど、まるまる作り直しています。物語から離れて音楽を作るとはどういうことかを考えていくなかで、自分の内面から何かを導き出さねば、という事実に気がつきました。


――自身の内面をさらけ出さないと、物語との距離が保てなくなる。

藤澤 そうです。『宝石の国』の世界観を情報としては取り入れつつ、音楽が距離を取って対峙するためには、それしか方法がありませんでした。例外として、ストーリーのキーポイントとなるアンタークチサイトがさらわれるパートは感情に寄せましたが、それ以外は客観的な視点で作ることを意識しました。


――自分の内面と向き合う作業は難しかったですか?

藤澤 物語に添わせるのではなく、作品の世界からヒントをもらいながら自分の内側をさらけ出す作業は、まるで自分と戦っているかのようで消耗しました。そういう意味でも、すごく印象に残っている仕事ですね。後に『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の劇伴を作ったときにも似たような感覚を味わいました。あの作品も残酷さと美しさを持ち合わせていましたし、『宝石の国』での取り組み方がかなり参考になりましたね。


――そのあたりは『ラブライブ!』で一緒に仕事をした京極監督や音響監督の長崎行男さんとの仕事だったからこそできた面もあったのでしょうか?

藤澤 そうですね。『宝石の国』では、京極さんも長崎さんもこちらがやりたい音楽を許容してくださったように思います。その他では東宝の小林(健樹)プロデューサーも手厚くサポートしてくださって、いろいろアイデアを出していただきました。


映像の質感と音楽の関係を考えるきっかけになった

――音楽的にはストリングスとピアノがメインにありながら、非西洋的なパーカッションが導入されているなど、サウンド面からもチャレンジ精神がうかがえます。

藤澤 『宝石の国』の世界は、人間社会が崩壊してから何千年と時間が経過していて、その間に文明もめちゃくちゃになっているわけです。宝石である彼らが使う道具などは人間が生み出した文明のものですが、だからといって人間と同じように使えるかと言えばそうじゃない。そうした存在のいびつさや混濁した文化を、ガムラン(インドネシアの民族音楽)と弦楽器を混ぜたり、西洋楽器にジャンベ(西アフリカの打楽器)を混ぜたりすることで表現できればと思っていました。ガムランと弦はキーとピッチ(音程)の問題でとても相性が悪いのですが(笑)。


――録音では、フィルムスコアリング(映像に合わせて音を録音する手法)も採り入れられたと聞きました。

藤澤 最初はすべての曲をそうしようという話もあったのですが、レコ―ディグやアニメ制作の都合もあって30曲程度をメニュー(音楽の発注表)に合わせて制作しています。それらの楽曲は編集しやすいようにパラデータになっていて、必要になれば曲と曲をつなぐ部分をさらに追加でレコーディングするような体制でした。なので、通常の作品のように「この曲をこの場面まで使う」といった方式ではなく、曲の中から映像に必要な部分を抽出して編集していく、手間がかかるやり方でした。エディット自体は小林さんが行っていて、それを僕が監修してダビングに持ち込んでいますね。フィルムスコアリングはシリーズの後半で実現して、アンタークチサイトがさらわれるシーンやラストシーンでは、動きと尺が把握できる映像をいただいて、そこに合わせて書き下ろしました。『宝石の国』はプレスコ(先にキャストの声を収録する方式)だったので、セリフも入っていましたね。


――なるほど。そういう意味では、かなり手間のかかる難解な作業であったと。

藤澤 今でも、アニメのあとの物語に音楽を付けるなら――と考えることもあるくらい、思い入れも深いです。これまでと同様、あの世界をずっと外から見続けるのか、フォスフォフィライトにフォーカスを当てていくのか。音楽を制作する上で作品を見ていく視点は『宝石の国』以降、間違いなく増えました。音と映像の関係性を考えるきっかけにもなって。『宝石の国』のCGで作られた映像は、あれだけ滑らかに動きつつも硬さがきちんと出ていますよね。じゃあ、音楽的にはハードな音を付けることで硬さを補完しよう、とか。キャラクターや世界観からは距離を置くけど、映像の質感には合わせるといったことも考えていました。


――映像と音と物語の根本的な関係性をあらためて突き詰める作業だったんですね。

藤澤 とくにアニメーションの音楽の場合、実写映画と比べて情報の補完性を高める必要があるのですが、だからといって、サイバーなSFならシンセサイザーで、ハートフルならオーケストラで、とセオリー通りに収めなくてもいいんです。その補完性を高める手法は他にもある、ということは、『宝石の国』の現場を経験したから意識できたことだと思います。






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