【生肉转载】Febri TALK系列——黒柳利充

取材・文/前田 久
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2023年3月6日~10日
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①『海がきこえる』
リアルな空気感を生む作画と演出
『少年ハリウッド』『バクテン!!』など、熱量の高いフィルムでファンを惹きつけるアニメ監督・黒柳トシマサ。そのルーツをたどるインタビュー連載の初回は、氷室冴子原作、望月智充(もちづきともみ)監督による、スタジオジブリの傑作TVスペシャルについての熱論!
キャラクターの気持ちが乗った絵があるからこそ、リアルな感触が生まれる
――1本目はスタジオジブリの『海がきこえる』です。この作品を選んだ理由は?
黒柳 高校生のときに見て、「アニメーションの絵を描こう」と思い始めるきっかけになった作品として選びました。それまでも落描き程度の絵は描いていて、絵に多少の興味はあったんですけど、仕事にしようと考えるほどではなかったんです。最初にアニメーションそのものに興味を持ったきっかけは、中学3年生のときに見た『耳をすませば』。ちょうど主人公の雫(しずく)や聖司と同い年で、自分も彼女たちと同じように進路に悩んでいたこともあって大きな影響を受けました。そこからいろいろなアニメを見ていくなかで、絵の好き嫌いが出てきたんです。当時のアニメといえば、『新世紀エヴァンゲリオン』や『機動戦艦ナデシコ』が人気だったんですけど。
――どちらもいわゆる「アニメらしい」絵というか、デフォルメが強く効いたキャラクターデザインですね。
黒柳 誤解のないようにいえば、そういった絵柄も好きだったんです。でも、ジブリのような絵……その中でもとくに『海がきこえる』での近藤勝也さんの絵に、当時の僕はより強く惹かれたんです。デフォルメされたところもあるけれど、リアルに近い、簡潔な絵。そして、美しい。自分でもちゃんと絵を描いてみようかな……と考えるようになるくらいにハマりました。氷室冴子さんの原作小説のために近藤さんが描かれた挿絵を模写してみたり。で、そういうことをやり出すと「アニメの絵を描く仕事って、どういうものなんだろう?」と気になったりもする。そんなときに『「もののけ姫」はこうして生まれた。』がちょうど発売されて、それを見たらアニメの作り方がひと通りわかりました。近藤さんも出演されていて「お、近藤さん! こういう人なんだ!」と思いながら見ていましたね(笑)。そうやって『海がきこえる』がきっかけで、アニメの作り方に興味を持っていったんです。
――後の仕事選びに大きな影響があったわけですね。
黒柳 そうですね。仕事を始めてからも、何回も見返しています。フィルムBOOKも、仕事をするときいつも手元に置いているんですよ。
――すごい。作り手になってから、さらにこの作品の作画のすごみを感じるようになった点はありますか?
黒柳 『舟を編む』という作品を監督したとき、キャラクターデザインの青山浩行さん……『時をかける少女』のあの青山さんと「日常芝居がいちばん難しい」という話になったんです。日常芝居は毎日自分たちが目にしているものだから、うまい・下手がすぐバレてしまう。さらに作画枚数もたくさん必要で、やり抜くのが大変なんです。日常芝居の素晴らしい作品といえば、なんといっても「名作劇場」なんですけど、ジブリはその流れがあるからか、そうしたすごいことを自然にやるんですよね。自分たちがやろうとすると、いかにも「すごくちゃんと描いたでしょ」みたいな、変な色気が出てしまうのに。『海がきこえる』の日常芝居はその中でも本当にさらっとしていて、過剰な演技じゃないんです。歩き出しはすっと歩き出すし、立ち止まりもすっと立ち止まる。口でいうと簡単なようですが、同じことをやろうとすると、絵がちょっと下手なだけに見えたりするんです。これが難しくて。
――なるほど。自然なセリフ回しを目指した声の芝居が棒読みに聞こえてしまうような。
黒柳 動きだけじゃなく、キャラクターひとりひとりの佇(たたず)まい、ただ立っているポーズのシルエットも、『海がきこえる』はすさまじいんです。たとえば、主人公の杜崎拓(もりさきたく)が東京から帰省して、親友の松野豊と一緒に埠頭(ふとう)で海を眺めるシーン。あのときの拓の背中の丸まり具合は、なかなか描けないですよね。この作品は高知県の実在の街が舞台なので、大量の資料写真をもとにレイアウトを起こして、背景美術も現実にあるものを描いている。そうしたことをやっているとはいえ、ただそれだけではあのシーンのリアルな感触は出せない。リアルなレイアウトや背景美術に、キャラクターの気持ちみたいなものがちゃんと乗っかった絵があるからこそなんです。そういったところが率直にすごいと思います。
望月智充さんの演出家、そして監督としての覚悟を見せつけられた
――何度も見返すうちに、感想が変わったところもありますか?
黒柳 あります。あるとき、「何でもない人が主人公の作品なんだ」と気づいたんですよ。本当に何でもない人が、ただただ恋をしただけの話を描いていて、でも、それがちゃんと物語になっている。さらに高校生のときの、振り返ってみると何でもなかったような時間の空気感が見事に作品の中にある。「あの空気って、どうやったら自分の作品でも出せるのかな?」という問いを、アニメーションを作っているときはいつも反芻(はんすう)しています。
――それは作画の力もでしょうけど、やはり監督の望月智充さんの演出の力が大きいでしょうか?
黒柳 そうですね。実際に自分が演出をやるようになってから『海がきこえる』みたいな作り方の難しさを、もう、ホントに突きつけられました。『海がきこえる』って、ラストシーンまではカメラが全部FIX(固定)なんです。それで一本の長編作品を作り上げるってすごい。僕も極力FIXで作ろうとしているんですけど……やっぱり、どうしてもPAN(※)を少し入れたり、画面に変化をつけたくなってしまう。そうすることで見やすくなるんです。FIXを貫くというのは、すごい覚悟です。一枚、一枚のレイアウトに対して「この絵なら画面が保つ」というよほどの自信がないとできないと思います。もちろん、工夫もありますけどね。写真のような白いフレームを画面に入れてみたり。
※カメラの位置を固定した状態で、首だけを振るように動かすカメラワークのこと。実写では水平の動きのみを指すが、アニメでは水平・垂直の動きを両方指す。
――でも、最小限ですよね。
黒柳 しかも、たぶんあのFIXは最後の、カメラをぐるんと回すところを印象的に見せるために、そうやっているんです。ただFIXにこだわっているのではなく、演出的な意味がある。それをやるための演出家としての覚悟。単に作品を面白くすることを考えるだけではなく、自分がこの作品の監督なんだ、自分が監督をやったからにはこうなるんだ……という覚悟を見せつけられている気がしました。それでいうと、『海がきこえる』みたいな作品って「実写でもいいじゃん」ともいわれがちだと思うんです。イメージシーンも入らないし。でも、アニメでやることの意味がある。自分でも『舟を編む』や『バクテン!!』で近いことをやってみて思うんですけど、いくら実写っぽくても、アニメという表現の性質上、背景にしろ、人物にしろ、全部を描かなきゃいけない。そこには実写のような偶然的なものがない。作り手によって情報が取捨選択されている。そうすると、やっぱり実写とは明らかに違ったものになるんです。実写寄りの作品を手がけても「アニメーションだからこその意味があるんだ」と言い切れるのは、『海がきこえる』があるからですね。
②監督の心境に触れた気がした
『NieA_7』
アニメ監督・黒柳トシマサのルーツをたどるインタビュー連載の第2回では、演出の師にあたる存在であり、黒柳監督の代表作『舟を編む』にシリーズ構成として参加していた佐藤卓哉氏の監督デビュー作を取り上げる。そこから学んだ「ポエム」とは?
キャラクターの心情だけでなく、監督の当時の心境が作品に込められている
――2本目は『NieA_7(ニア アンダーセブン)』です。こちらを選んだ理由は?
黒柳 僕が大学生になって上京したタイミングで放送が始まって、最初はたまたま見たんです。そうしたら、何かわからないけどぐっと心をつかまれてしまった。それまではジブリのような雰囲気のアニメばかりを追いかけていたのに。
――SF要素のあるけっこうはっちゃけたコメディで、テイストがまた違いますよね。
黒柳 「予備校生」「貧乏」「なんか面白い宇宙人がいる」っていう要素でできている世界観ですからね(笑)。でも、ただハチャメチャで面白いだけのアニメかというとそうではなくて、ときどき胸がしゅんとするような空気感もある。これは佐藤卓哉監督……後々、僕が演出を教えてもらうというか、横で仕事を見て勝手にその技術を盗ませていただく方ですけど(笑)、その佐藤さんが30歳のときの監督デビュー作なんですよね。それもあってか、単純にキャラクターの心情だけじゃなくて、佐藤さん自身の当時の心境みたいなものが作品に入っている気がするんです。当時はそんなことはわかりませんでしたが、アニメーションを通して、自然とそこにも惹かれていたのかなと思います。
――たとえば、どういうところでしょう?
黒柳 そうですね……主人公のまゆ子は予備校生ですけど、普通の予備校生活ってある種のモラトリアムの時間だし、大学に合格するまでがしんどくて、そこから先は大学生になっても社会人になっても、基本的にはより明るいほうに人生が進むっていう期待がありますよね。さらにこの作品の舞台になっているのは夏で、それもまた盛り上がる時期じゃないですか。なのに作品の中では、時間が流れるとともに寂しさみたいなものがどんどん大きくなっていく。時間が過ぎていくことが、別れだとか失うことだとか、何がしかの寂しさを孕(はら)んでいることが、表面的には明るい作品の底で訴えられている気がするんです。語り口もそうですね。まゆ子が主人公で、その視線で物語を切り取っているようでいて、どこかまゆ子の親の視線を感じさせる。まゆ子にはお父さんがいなくて、お父さんからもらった腕時計をずっと大事にしていたり、荏の花湯(えのはなゆ)という場所にこだわるのも、かつて家族と一緒に過ごした場所だから。作品の奥のほうで、画面には存在しないお父さんの存在をずっと感じさせるところが不思議なんですよね。
――第1話のアバン明けから本編と違うテイストの、まゆ子じゃない目線のカットで始まりますよね。そうした細部に、佐藤監督の思いを感じます。Blu-ray BOXのブックレット収録のスタッフ鼎談でも「思い詰めていた」という話をしているんですけど、具体的に何があったのかは一切表に出てこない。
黒柳 ですよね。ただ、その後の佐藤さんの監督作品を見ても、お仕事をご一緒した『苺ましまろ』にしてもそうだし、『STEINS;GATE(シュタインズゲート)』にしても「時間の流れ」が佐藤さんの中で変わらないテーマというか、ごく自然に作品の中にあるのかなと感じます。どちらも原作があるとはいえ、そこには監督としての何かがある。あとはそうだな……僕が好きなのは、まゆ子の予備校の行き帰りのシーンで、セリフが一切なく、予備校、電車の中、街……とBG(背景美術)オンリーのカットを重ねていくところですね。多くのアニメはそういうBGオンリーのカットは場面の説明でしかないのに、佐藤さんは単純に状況を説明するだけでなく、何らかの意味を持たせる。その意味って何だろう?と深堀りすると、すごくポエムなんです。
――ポエムですか?
黒柳 要するに、見てすぐにわかるような内容じゃない。たぶん、そのときの佐藤さんの中にあった何かしらが映像になっている。淡々とした画面から、いろいろなことを考えさせられる。見ている側を試していますよね。そういう演出の仕方には影響を受けています。
オープニングを歌うSIONさんが好きになった作品
――『バクテン!!』の絵コンテ打ちで、各話の演出担当にイメージシーンを「ポエムにしてください」と指示していたと聞きました。どうもそれは、ただのイメージシーンとは違うらしいとも。それは今の「ポエム」と同じことですか?
黒柳 そうです。単純にキャラクターの気持ちを理解するためのイメージシーンじゃない。キャラクターの気持ちを重ねてはいますけど、それだけじゃなくて、作り手が自分自身を重ねているところがどこかにあるもの。その日にあったイヤなことがなんとなく反映されているとか。他人にはわからない、でも、自分だけは知っていることで、にもかかわらず、自分だけが知っていればいいかというとそうではなく、「この気持ち、あなたもわかるよね?」と言いたいもの。タチ悪いですよね(笑)。でも、そこまで想像して見た人も同じような気持ちになってくれよ、と。そこを目指すと、見た人がキャラクターの気持ちがわかったようになると同時に、作っている人たちの気持ちもわかるようなシーンになって、そこから作品の枠を越えて、共感がさらに多くの人に広がっていくような気がしているんです。
――散文ではなく詩って、そういうものですよね。私的言語でありながら、共感を誘う表現形式。
黒柳 見ていただけるだけでも、ありがたいんですけどね。でも、面白かった、つまらなかったの感想だけで終わっちゃうようなものだと「何か足りなかったのかな?」と僕は思ってしまう。何かを語りたくなるような映像にしたいですし、見ている側の人たちにも、作り手側の一部として参加してほしいという思いがあるんです。
――そう思うようになったひとつの原点が『NieA_7』であり、佐藤監督との出会いだった。
黒柳 そうですね。あと、オープニングを歌っていたSIONさんがすごく好きになった作品だって話もしておきたいです。
――「ここまでおいで」は名曲ですよね。
黒柳 「悲しいのが好きなほど 人に囲まれてないから ごきげんなやつが好き」という歌詞は、まんまこのアニメーションの内容を短いフレーズで言い切っていて、すごいと思います。佐藤さんと知り合ってからだいぶ経ったあと、示し合わせたわけでもないのにSIONさんのライブでばったり会ったことがあって「今、『NieA_7』の監督と同じ空間でSIONを聞いてる!」と、あの日は感慨深かったです。そういう偶然も込みで大好きな、思い入れのある作品ですね。
③表現のレベルの高さに震えた
『風人物語』
『思い、思われ、ふり、ふられ』『バクテン!!』など、地に足の着いた日常描写とファンタジックな表現が魅力のアニメ監督・黒柳トシマサ。そのルーツをたどるインタビュー連載の最終回は、豪華スタッフによる濃い映像表現が堪能できるコアな一作をセレクト。
大好きな日常ものなんですけど、普通じゃない
――ラストは『風人物語(ふうじんものがたり)』。一般公募の原案を押井守さんが監修、西村純二さんが監督を務めてアニメ化しました。企画の成り立ちから完成した内容まで、かなり特殊なタイトルです。
黒柳 見たのは『みなみけ』を制作していた頃で、おそらく作品が発表されてから少し経っていました。まずは、絵に惹かれたんです。レンタルDVDのパッケージに描かれた荒川眞嗣(あらかわまさつぐ)さんのキャラクターを見て「何なんだ、あの洗練された絵は!」と思った。いかにもな美少女キャラクターじゃないけれど、かわいく見えるシルエット。そして中身を見てみたら、これまた大好きな日常ものなんですけど、普通じゃない。
――そこ、詳しく語っていただきたいです。
黒柳 この作品の好きなところでもあるんですけど、粛々と主人公・ナオたちの日常としての物語が進んでいって、そこにふと「風猫」という空を舞う猫の存在が入ってくることで、非日常の瞬間が生じるんです。そうやって日常と非日常を行ったり来たりする。その行ったり来たりを、ごく自然にやるんですよね。独特な空気感のある日常ものなんです。で、主人公たちのお話かと思いきや、そのまわりの大気先生だったり、ナオの両親だったり、大人たちの物語も同時に流れている。作品の中にひとつの世界がちゃんとできているのが、すごく面白いんですよね。
――たしかに。
黒柳 で、動いている絵も、やっぱり素晴らしかった。当時、あの動かし方にはアニメーターとしてドキドキしました。「こういう動かし方、あるんだ!」と思ったんです。いちアニメーターとして受けた影響も大きいですね。一時期、藤原佳幸さんが演出で僕が作画監督の仕事をしていたときに、僕が『風人物語』の絵柄の模写ばっかりしていたんですよ。そうしたら絵がとっ散らかっちゃって(笑)。作監として大変申し訳なく思っています。
――(笑)。でも、衝動的な行動に出るぐらいインパクトがあったということですよね。
黒柳 衝撃的でした。めちゃめちゃ絵がうまいなと思いました。そしてすごくチャレンジングなことをやっておられるなと。絵のうまさもですし、表現にもしびれました。風を線のタッチで表現するとか「こういうやり方もありなんだ!」と。劇中にも「雲を撮ってるんじゃなくて、風を撮ってるんだ」というセリフがあるんですけど、アニメでも「風ってこういうふうに見えるかもな」という描き方をしている。しかも、それがあることで普通に風が吹いているような、単なるなびきの作画でも独特な風の表現が見える気がしてくる。そこまで狙っていたのだとしたら、すごい演出だなと思います。また、そうした表現やキャラクターたちと背景のマッチ具合もすごくいいんですよね。美術監督である小林七郎さんの仕事はさすがだな、と思いました。映像表現としてレベルがかなり高いと思います。大好きですね。
ちょっとした不思議があって日常が面白くなる作品に惹かれた
――黒柳さんの監督歴を見ると、『風人物語』に近いテイストの作品はないですよね。こういうデフォルメが強めのキャラクターデザインで、ファンタジックな表現の作品をやってみたい気持ちも?
黒柳 やってみたいですね。やれるものなら。でも、それは本当に超一流のスタッフが揃って、ようやくできる作品なんです。
――強烈なスタッフ陣ですよね。絵コンテ・演出はもとより、全話のレイアウトを荒川さんが担当していて、作画監督や原画として小倉陳利(おぐらのぶとし)さん、大平晋也さん、黄瀬和哉さん、塩谷直義さん、本田 雄(ほんだたけし)さんなどなど、とてつもない方々が参加している。今だと劇場作品でもやれるかどうか。
黒柳 そしてこれも、「ポエム」ですよね。
――あ、そうですね。第2回で語っていただいた「ポエム」の雰囲気があります。
黒柳 まさにこの3作品が好きだから、自分の監督作は日常の中に「ポエム」が入ったようなものになるのかもしれません。今 敏さんの作品や『機動警察パトレイバー2 the Movie』も好きだし、もちろん、スタジオジブリの作品は今でも大好きですが、これまでの人生を振り返って、仕事しているときによく見ていたのは『海がきこえる』『NieA_7』『風人物語』なんですよ。で、監督になる前から「自分がやるなら、やっぱり日常をベースにしたもの」だとなんとなく思っていた。別に僕は『AKIRA』みたいなSF世界が嫌いなわけではないですし、アニメーターとしては「描きたい」気持ちもあるんですけど、自分が監督として何をやるかとなったら、日常を舞台に、アニメーションを通じて見た人の実生活の励みになるようなものを作りたい。あのキャラクターが言っていることは自分にも重なるものかもしれない……と感じてもらえるものを。
――現実と地続きの感覚が強いような。
黒柳 そうですね。ただ、日常そのものを、それだけを描いて作品として成立させられるかというと、それはちょっとわからなくて(苦笑)。自分がやるとしたら、ちょっとした不思議があることで、日常が面白いものに変わるような、そんな作品なのかなと考えています。もともとその志向はずっとあって、だから『風人物語』や『NieA_7』に惹かれ続けてきたんだろうなと思いもするんですよ。作りたいようなものを好きになったのか、好きなものを作りたいのかわからないといいますか。今回あらためて影響を受けた3本を選んでみて、自分にとって好きなアニメ、好きな作品というのは、自分が作りたいものと重なるんだと気づきました。
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