【生肉转载】Febri TALK系列——川面真也

取材・文/岡本大介


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2023年2月20日~24日

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①アニメーションの気持ちよさにハマった

『天空の城ラピュタ』

『ココロコネクト』や『のんのんびより』など、思春期の繊細な感情描写はもちろんのこと、2021年には劇場アニメ『岬のマヨイガ』の監督も務めるなど、活躍の幅を広げている川面真也が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の第1回は、小学生時代に出会い、アニメの原風景とも言える『天空の城ラピュタ』について。


アニメにここまで夢中になったのは初めて

――『天空の城ラピュタ(以下、ラピュタ)』の公開は1986年ですが、川面さんが見たのはいつのタイミングでしたか?

川面 公開と同じ1986年で、僕は小学校6年生だったと思います。とはいえ、映画館で見たわけではないんです。友達から「近くに新しい電気屋さんができたから行こう」と誘われて、そこに陳列してあったテレビにこの作品が映っていたんです。


――セルビデオを店内のテレビで流していたんですね。

川面 そうだと思います。当時の僕はそれがなんの映画なのかまったく知らない状態だったんですけど、それでもなぜか画面に釘付けになったんですよね。最初のシーンから見ているわけじゃないのでストーリーも理解していないんですけど、動きの気持ちよさにハマったんだと思います。最後まで見たらまた最初から始まったので、それも最後まで見ました。翌日も、その翌日もその電気屋さんに通ってはテレビの前で立ち尽くして何回も繰り返し見続けました。最後のほうはセリフもほとんどおぼえていたと思います。


――ジブリ作品であることを知らない状態でハマったんですね。

川面 そうですね。もともとそこまでアニメ好きというわけではなかったんですよ。友達が見ているアニメを僕もなんとなく見ていたくらいで、それよりはマンガや小説のほうが熱心でした。なので、アニメにここまで夢中になるのはおそらく初めてのことだった気がします。ジブリアニメ特有の動きの気持ちよさというのが、子供ながらにも響いたんでしょうね。


――とくに印象的なシーンはありますか?

川面 昔も今も変わらないんですけど、僕はなんでも「過程」が好きなんですよね。パズーがドーラ一家といっしょに行動することになり、機関士の助手をしたり見張りをしたりして海賊たちに受け入れられていくじゃないですか。新たなコミュニティの中に自分の役割や居場所があり、その場所にどんどんなじんでいくという「過程」にワクワクしていました。なので、いちばん好きなシーンを挙げるなら、その出発点である「40秒で支度しな」です。当時はウエストポーチが流行っていて、僕もいつも身につけていたんですけど、40秒でこのポーチに何を入れるべきかについて真剣に悩んでいました。「まず親父にもらった十徳ナイフは絶対に入れるよな、次は……」みたいに(笑)。年齢も近かったせいか、完全にパズーになった気でいましたね。


――パズーは男の子の憧れですよね。

川面 パズーはスーパーマンですよね。シータを助けるためにドーラたちに付いていくっていう決断力や行動力もそうですし、機械いじりも得意でトランペットもうまい。さらにコミュ力も高いですし、憧れました。


パズーが大股で歩くだけで自分まで爽快な気持ちに

――川面さんは思春期のドラマを手がけることが多いですが、こういった冒険ファンタジーをやってみたいという気持ちもありますか?

川面 そうですね。今のアニメ業界の流れ的にはかなり難しいなとは思いつつ、一度はチャレンジしてみたいという気持ちはもちろんあります。


――現在の川面さんの演出や監督業において、『ラピュタ』が影響している部分は感じますか?

川面 影響と言うか、『ラピュタ』は究極の形なんですよね。ファンタジー世界で非現実的なことをやっているのにもかかわらず、まるで自分が体験しているような錯覚をおぼえるんです。食事シーンでは自分も同じものを食べている感覚になり、飛行シーンでは空を飛んでいるような気持ちになる。パズーが大股でスタスタと歩くだけで、こちらまでなんとも言えない爽快さを感じるじゃないですか。誰かが描いた絵をモニター越しに見ているだけなのにここまでシンクロするなんて、冷静に考えるとすごいことですよね。自分の作品でそれができているかどうかはわかりませんが、そういう感覚はいつも大切しています。


――そういったシンクロ感を高めていくには何が大切だと思いますか?

川面 ジブリ的な気持ちよさを求めるならば、やはり作画の力が圧倒的に大きいですよね。でも、それはアニメーターさんの力であって、絵の苦手な僕にはコントロールできない領分なんです。なので、僕の場合は身体感覚をシンクロさせるのではなく、思考や感情をシンクロさせる方向性で勝負するしかないですね。


――「思考や感情をシンクロさせる」と言うと?

川面 カットのタイミングや緩急をコントロールする方法で、端的に言えば『新世紀エヴァンゲリオン』や押井守版の『攻殻機動隊』のような演出です。これらはもちろん作画も素晴らしいんですけど、身体というよりも「脳が気持ちいいな」って感じる瞬間が多いじゃないですか。目まぐるしくカットが移り変わったかと思えば、逆に静寂が長く続いたりして、それが思考や感情とうまくリンクすると気持ちがいい。この方向ならアニメーターではない僕でも追求することができるのかなと思っています。『ラピュタ』とは真逆の方向からのアプローチですが、結果的に没入感やシンクロ感を高めるという意味では同じだと思っているので、そこはつねに意識していますね。


②思春期のバイブル

『若草物語 ナンとジョー先生』

『ココロコネクト』や『のんのんびより』など、思春期の繊細な感情を丁寧に描写する手腕はもちろんのこと、2021年には劇場アニメ『岬のマヨイガ』の監督も務めるなど、さらに活躍の幅を広げている川面真也が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の第2回目は、最高に感情移入した『若草物語 ナンとジョー先生』。


ナンの気持ちに感情移入して、毎週のように号泣!?

――『若草物語 ナンとジョー先生(以下、ナンとジョー先生)』は1993年の放送ですから、当時の川面さんは10代後半ですね。

川面 そうですね。高校生くらいからアニメにハマりだして、当時は放送されているアニメはほぼすべてチェックしていました。1クールや2クール作品が多いなかで、世界名作劇場のように一年を通じて放送されるアニメはキャラクターの成長が丁寧に描かれるので、大好きなシリーズでしたね。中でも『ナンとジョー先生』は主人公のナンの気持ちに完全に感情移入してしまって、毎週のように号泣していた記憶があります(笑)。


――号泣ですか!

川面 僕自身が思春期のピークだったんですよね。ナンはとてもおてんばで明るい性格ですし、そこまで大きな悲劇が起きる作品ではないんですけど、そのぶん現実的な悩みにあふれているんですよ。たとえば、ナンは将来お医者さんになりたいという夢を持つんですけど、親しかった人が心臓発作で亡くなってしまったことで、医者の無力感に絶望するんです。なかばパニックになって「医者なんかいらない!」とまで言うんですよ。


――ふだんは元気いっぱいなナンだけに、ギャップがありますね。

川面 そうなんです。この作品には、子供が成長していく過程で感じる悩みや不安がしっかりと描かれていて、そこがめちゃくちゃ響いたんです。僕も当時は将来に対して漠然とした不安を抱えていたので、余計に他人事だと思えなかったんですよね。


――当時の川面少年は、すでにアニメ業界を目指していたんですか?

川面 まだです。なんとなく映像の仕事はやってみたいけど、業界への入り方もわからなかったですし、そもそも自分に映像の才能があるとも思えなくて。有名な監督さんって、学生時代からアニメや実写の自主制作をしていたとか、そういう逸話がたくさん残っているじゃないですか。僕はマンガを読んだりアニメを見ていただけでしたから、勝手に比較しては自信を失って、ずっとモヤモヤしていた気がします。


――本作ではナンをはじめ、いろいろな子供たちの成長が描かれます。作品を通じて勇気をもらったりもしましたか?

川面 もちろんです。とくにジョー先生やフリッツ先生など、子供たちの周りにいる大人たちの振る舞いや距離感が絶妙で大好きでした。19世紀後半のアメリカが舞台の作品なので、セリフも「早く寝なさい。いい夢を見るのよ」みたいな翻訳調の言い回しが多いんですが、愛情をストレートに表現する文化ならではのセリフ回しが自己肯定感を高めてくれたんですよ。僕は自己肯定感が低いタイプなので、ある意味でセラピーのようでした(笑)。


人と人との関係性や距離感が本当に素敵な作品

――たしかに、日本のドラマではなかなか出せない雰囲気ですね。

川面 この作品に登場する大人たちって、子供に対して説教らしい説教をしないんですよね。子供たちのことを尊重して、ひとりの人間として接していて、そのうえでちゃんと正しい方向へと導いていくんです。日本のドラマだとついつい感情的になったり説教臭くなってしまいそうなところですけど、そういった雰囲気はまったくなくて、それが理想的な人間関係に思えて憧れました。先ほどお話ししたナンが「医者なんかいらない」と絶望するエピソードでも、ジョー先生は誰よりもナンを心配しているんですけど、それでも「こう考えなさい」とは強要しないんです。あくまでナン自身の気づきや成長に寄り添っていて、その姿勢が素晴らしいなと思いました。


――ナンたちが生活するプラムフィールドは全寮制の学校だけに、大人も子供も、みんながひとつの家族のような雰囲気がありますね。

川面 そうですね。だからこそ、不良少年のダンを受け入れるかどうか迷うシーンは印象的でした。ジョー先生たちは誰彼かまわず受け入れているわけではなくて、意外とシビアな部分もあるんだなと思って。でも、それって裏を返せば、受け入れたら簡単には見捨てないという覚悟の表れでもありますよね。実際、ダンは学校で火事を起こしてしまいますが、それでも完全に追放するわけではなく、他の場所に預けることで結果的に更正させましたし。単純に寛容だとか優しいとかではなく、さまざまな方法を駆使して子供たちと関係性を築いていくというのが当時の僕にとってはうらやましくて、そういうところにも泣かされました。


――川面さん自身の仕事にも影響を与えている部分はありますか?

川面 人と人との関係性や距離感というところが本当に素敵な作品なので、そこは大きく影響を受けていると思います。とくに『岬のマヨイガ』などはそれが顕著に出ているような気がしますね。不安や悩み、恐怖といった負の感情を抱えている人に対して、周りの人はどのくらいの距離感で接するべきなのか、どんな風に寄り添えばいいのか。そういった感覚はこの作品が理想形として身に染みついているので、無意識に出ていると思います。


③演出家デビュー作

『ノワール』

『ココロコネクト』や『のんのんびより』など、思春期の繊細な感情を丁寧に描写する手腕はもちろんのこと、2021年には劇場アニメ『岬のマヨイガ』の監督も務めるなど、さらに活躍の幅を広げている川面真也が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の最終回は、初の演出作品であり演出家としての方向を決定づけた『ノワール』。


人間の思考や感情とカットをリンクさせることで生まれる気持ちよさ

――『ノワール』は2001年放送作品で、川面さんの演出デビュー作です。

川面 そうです。第1回の『天空の城ラピュタ』のときに少しお話ししましたが、アニメーション的な気持ちよさとは別に、人間の思考や感情とカットをリンクさせることで生まれる気持ちよさもあると思っていて、『ノワール』はどちらかと言えばそちらを重視した作品だったんです。キャリアの出発点でそういう作品に出会えたことが僕の演出家としての方向性に大きな影響を与えているのは間違いないので、それで今回ピックアップさせてもらいました。


――おっしゃる通り『ノワール』はかなり長尺な止め絵があったりして、タイミングが特徴的な作品ですね。そんななか、川面さんは第5話「レ・ソルダ」で初演出を手がけました。

川面 この話数に関しては、じつは当初は演出助手として入る予定だったんです。まだ演出を担当するには早いから、先輩である多田俊介さんの仕事を見て学べと言われていたんですが、諸般の事情から急に演出をすることになったんです。ただでさえプレッシャーだったんですが、描き上がったカットを絵コンテ通りに並べると、尺が全然足りないんですよ。それでどうしようかと悩んだ末、クライマックスの教会でのシーンの尺を大幅に引き延ばしたんです。とくにミレイユと霧香が向かい合うシーンは絵コンテだと数秒の指定だったんですが、そこを10秒くらいにしました。


――かなり勇気のいる決断ですね。

川面 初めてですから、きっと何をやっても怒られるし、それならもう怒られようと(笑)。それに『新世紀エヴァンゲリオン』や『攻殻機動隊』はその方法で素晴らしい効果を出していたので、いけるんじゃないかという変な自信もあったような気がします。


――結果的に、教会のシーンはかなり大胆で印象深いシーンになっています。

川面 ありがとうございます。じつはここは真下耕一監督からも褒められたんですよ。初めての演出回で褒められるなんて思ってもいなくて、それだけにめちゃくちゃうれしかったですし、それがひとつの成功体験として僕の心に深く刻み込まれました。真下監督からしてみれば、新人だった僕に自信を持たせるためだったかもしれませんが、それでもすごくうれしかったですね。


――さらに川面さんは第21話「無明の朝」で絵コンテにも挑戦しています。こちらはいかがでしたか?

川面 これは僕が一生背負わなくてはならない十字架です(笑)。脚本を読んだときは泣いてしまったくらいに素晴らしいシナリオだったのに、本当にもったいないことをしてしまい、いまだに申しわけないと思っています。


これ以降、コンテに振り切って勉強するようになりました

――初めての絵コンテですから致し方ないところもあると思いますが、具体的にはどんなところが納得いっていないんですか?

川面 引き出しがあまりにも少なくて、すべてのシーンをそれに当てはめていくことしかできなかったんです。それだけならまだ「未熟」のひと言で済んだかもしれませんが、そこに幼稚な思い入れもあいまって、それがひどかったですね。このカットが何より大事なんだと自分で思い込んだ結果、今では絶対にしないようなこともやっていて、恥ずかしくて直視できないくらいです。たとえるなら、中学生が夜中に書いたポエムみたいな感覚です(笑)。とにかくコンテ技術の稚拙さを思い知らされたエピソードで、そこからはわりとコンテに振り切って勉強するようになりました。


――現在の川面さんに通じる技術の基礎を作るきっかけになったんですね。

川面 そうですね。演出家としてのスキルを上げるためには当時はふたつの方向性があると考えていて、ひとつは絵がうまくなることで、もうひとつがコンテを勉強することだったんです。そのどちらを選択するかで悩んだんですが、当時、社内の隣の班には岡村天斎さんや今石洋之さんなど絵描きの天才たちがいましたし、『ノワール』でご一緒していた演出家陣も絵が抜群にうまい人が多かったんです。今から絵の勉強をしたとして、僕がそのレベルに達する頃にはきっと50歳は超えているなと(笑)。なので、僕は思い切ってコンテの勉強に集中しようと覚悟を決めたんです。監督となるとまた求められるものは変わってきますが、少なくとも演出家としての僕は、その時点でスタイルが定まったような気がします。


――なるほど。現在は監督としても活躍している川面さんですが、制作でもっとも大切にしていることはなんですか?

川面 これは師匠の真下耕一監督から教えられたことですが、お客さんを満足させるのは当たり前で、原作者や出資者、欲を言えば、現場スタッフまでを満足させてこその監督だと思っています。かなり高いハードルで理想論といえばそれまでですけど、でもこれ以上なく明確ではありますよね。


――プロ意識が高いですね。

川面 いや、僕は今でも半分くらい趣味感覚で仕事をしているんですよ。奉仕しつくすと自分が壊れてしまうので、どこかで自分が楽しいと思える部分はちゃんと残してあって、それが長期間にわたってこの業界で仕事をしていくコツなのかなとも感じています。ごく普通のアニメファンがたまたまアニメ業界に入り、たまたまアニメ監督をしているくらいに思っていただけたら僕としてもうれしいです。







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