【生肉转载】Febri TALK系列——木村隆一

取材・文/宮 昌太朗
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2022年12月26日~30日
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①ヒリヒリした人間関係に惹きつけられた
『エースをねらえ!』
今年で10周年を迎えた『アイカツ!』シリーズを筆頭に、幅広い作品で演出家として活躍する木村隆一のアニメ遍歴をたどるインタビュー連載。『アイカツ!』制作の際に参考にした作品として、最初に名前が挙がったのは出﨑統監督の名作スポ根ドラマだった。
先輩・後輩の人間関係の変遷が面白い
――1本目は、出﨑統監督の『エースをねらえ!』。1973年に放送された作品です。
木村 じつは今回挙げた3本は、どれも『アイカツ!』を作るときに参考にした作品なんです。『エースをねらえ!』は高校生のときに再放送で見て好きだったこともあるんですが、『アイカツ!』を制作するときに「スポ根もの」というお題をもらったんですね。その時点でキャラクターの設定はある程度できあがっていたので、「こういう世界観でやるのであれば、『エースをねらえ!』を下敷きにして作ると面白くなりそうだな」と。それで、星宮いちごと神崎美月の関係を、岡ひろみと竜崎麗香に寄せて考えてみたんです。
――言われてみればたしかに!
木村 『エースをねらえ!』はやっぱり人間関係、とくに先輩・後輩の関係の変遷がドラマティックで面白いんです。最初はなんということのないフラットな関係から始まって、途中から緊張感をはらんだ関係へと発展していく。で、最後はそれがひっくり返る……みたいな。古典的ではあるんですけど、めちゃくちゃ面白くて。
――『エースをねらえ!』は再放送で見ていたとのことですが、もともとアニメをたくさん見るほうだったんでしょうか?
木村 僕は新潟の出身なんですが、新潟に住んでいた当時は民放が2局しかなくて、放送している作品が少なかったんですよ(笑)。有名な作品はそこそこ見ていた記憶がありますけど、小学校高学年のときに新幹線が通って、民放がもう2局くらい増えて。そこからはアニメがたくさん見られるようになって、うれしかったのをおぼえていますね。世代的には『機動戦士ガンダム』がドンピシャで、本放送をちらっと見たおぼえはあるんですが、それほど印象には残っていなくて、ちゃんと見たのは劇場版からでした。劇場版の公開に合わせて再放送をたくさんやるようになって、そこでTVシリーズを見た記憶があります。
――当時は地域によって、見られる作品に違いがあるのが当たり前でしたよね。
木村 だから再放送で見たもののほうが記憶に残っているんですよね。高畑勲監督の『赤毛のアン』もそうですし、出﨑監督の作品もそう。『エースをねらえ!』は高校生のときでしたが、『あしたのジョー』も本放送より再放送で見た記憶が残っていますね。
――そうやって再放送されたものを、どんどん見まくって、という。
木村 たぶん当時、テレビ局にアニメマニアみたいな人がいて、名作と呼ばれているような作品をたくさん再放送していたんじゃないかなと思うんですよ。出﨑監督の作品も、そういうなかで再放送されていたんじゃないでしょうか。親戚のお兄ちゃんが見ているのを一緒に眺めていて、「これ、面白いんだ」みたいな話を聞かされた記憶もあります。ただ、意識して見るようになったのは、大学に入ってからですけど。
出﨑監督の濃厚なドラマ作りには今も影響を受けている
――そもそも『エースをねらえ!』の、どんなところが面白いと感じたんでしょうか?
木村 出﨑監督の作品はどれも人間ドラマの面白さなんですよね。なんともいえないヒリヒリした感じを作るのが本当にうまい。しかもドラマがベタっとしていなくて、泥くさいことを爽やかに描く印象があるんです。話のテンポも、一話を通して見るだけで疲れてしまうくらいにギュウギュウに詰まっている感じがある。出﨑監督がやられていたような濃厚なドラマ作りには今も影響を受けていますし、僕自身、「ああいうドラマ作りをやってみたいな」と思わされますね。
――そういう意味では、今でもお手本になっているわけですね。
木村 これは演出の領域ではないかもしれないですけど、出﨑監督はけっこう脚本に手を加えて演出しているんじゃないかなと思うんです。『エースをねらえ!』も原作のマンガがあって――どこまでが出﨑監督の演出なのかは検証していないのでわからないんですが、間の作り方はもちろん、前のほうで振っていたエピソードがあとになって生きてきたりする。単純に目の前の場面を演出しているだけじゃなくて、頭から最後までを見通したうえで演出していたんじゃないかと思わされるんです。これは、なかなかできることじゃないと思うんですよね。
――なるほど。
木村 僕がアニメ業界に入ったばかりの頃は、出﨑監督フォロワーみたいな人がたくさんいて、それこそ「3回PAN」(※出﨑監督が得意とした、シーン内で同じ方向へのパンを3回連続で行う演出)の真似をしている人もいっぱいいたんです(笑)。ただ、僕としては、それは出﨑監督のフォロワーでもなんでもなくて、むしろキャラクター同士のヒリヒリする感じこそが、あの独特の雰囲気を作っているんだ、と。出﨑監督はどんな作品を演出しても、あの感じになるのが不思議なんですけど……。
――セリフというか、掛け合いの感覚が独特なのかなという気もしますね。
木村 そうですね。『あしたのジョー2』だったら、ゴロマキ権藤まわりのエピソードが好きなんですけど、とりたてて変わったセリフを話しているわけではないのに、画の作り方とストーリー、文脈の配置が絶妙なサジ加減で、緊迫した人間関係を描いている。あれはいったい何なんですかね?
――何度見ても、わからないですね(笑)。
木村 どうしてああなるのかがわからないからこそ、本当の意味での出﨑監督フォロワーというのは出てきていないんじゃないか、とも思います。富野由悠季さんや宮崎駿さんにもそういうところがある気がするんですが、ある意味、戦争のにおいを知っている人という感じがする。戦争のにおいを知っているからこそ、何かちょっと違う緊張感をはらんだドラマを作れるのかな、と思います。
――もしかすると、そのお三方は「話せばわかる」と思っていない。そういうところからドラマを作っている感じがありますね。
木村 それはあるかもしれない。わからなくても関係性は作れる、と思っているのかもしれないですね。今はなかなか、そういう考え方は出てきにくくなっているのかもしれません。
②キャラクターを徹底的に掘り下げる
『赤毛のアン』の凄まじさ
『アイカツ!』シリーズの木村監督に、忘れられないアニメ作品を聞くインタビュー連載。第2回で取り上げるのは、世界名作劇場の一作として放送された高畑勲監督の『赤毛のアン』。『アイカツ!』のキャスティングに与えた意外な影響についても語ってもらった。
あの第1話の演出は、たとえ思いついたとしてもできない
――2本目は高畑勲監督の『赤毛のアン』です。これはリアルタイムで見ていたんでしょうか?
木村 再放送です。本放送は1979年なので、見ていてもおかしくないんですが、まったく記憶に残っていなくて。高校生のときに再放送を見て、「すごいな!」とびっくりしました。
――「びっくり」というのは?
木村 僕は第1話がすごく好きなんですが、本当に何も起こらないんですよ。アンがマシュウたちの家にやってくるだけなんですが、それだけでよくこの尺のアニメが作れるなあ!と(笑)。あの内容で一話が作れてしまうのは、キャラクターをめちゃくちゃ掘り下げて、芝居をさせているからこそなんです。脚本がどうなっているのかはわからないですが、いったいト書き(※脚本に書かれた、登場人物の動作や心情など、セリフ以外の部分のこと)でどこまであの芝居が書かれていたのか、見てみたいです。
――脚本の段階でどれくらい決められているのか、気になりますね。
木村 今、あの内容を渡されて、一話分を作ることができる演出家はほとんどいないんじゃないかと思いますね。それでもキャラクターを掘り下げれば、これだけのドラマになる。『赤毛のアン』はとにかく緊張感がすごくて、マシュウがアンを迎えに来る場面でも、「あの子が迎えに来た相手なんだ」とマシュウが気づくまでにけっこうな時間がかかるんです(笑)。駅に来たマシュウがちらっとアンのほうを見て、「こいつじゃないよな?」という雰囲気で駅長のところに行く。何気ない描写なんですけど、行ったり来たりするなかでだんだん気づいていくなんて、なかなか思いつかないですよ。原作小説にある程度描写があるにせよ、あの間合いでああいう風に見せて、しかもそれがちゃんと面白い……というのはなかなかできないです。たとえ思いついても、できないかもしれない。
――ちょっと怖くてできないですよね。
木村 本当にそう思います。でも、ああいうことをちゃんとやらないといけないな、といつも思うんです。僕が業界に入る前の話なんですけど、高畑監督がアンを演じた山田栄子さんのことを「演技はうまくなかったけれど、雰囲気があったから抜擢した」「成長していく過程がアンの成長とリンクするんじゃないかと思った」とおっしゃっていたのを聞いたのが、ずっと記憶に残っているんです。アフレコの前に山田さんだけを呼んで、練習してもらってから本番に入ったという話をされていたんですけど、そうやって声優さんが成長していく過程が、ドラマともリンクする形でお芝居に反映されている。制作側も役者さんも楽しんでやっているのが、ちゃんと作品に昇華されているのかな、と思います。
――木村監督の『アイカツ!』も、わりとキャリアの浅い役者さんを積極的に登用した作品ですよね。
木村 そうですね。『赤毛のアン』の記憶があって、それで新人声優さんを選んだところはあります。だんだんと成長していく過程が作品の中にもはっきり表れていて、物語の進行ともリンクしてくれたかなと思いますね。
モノづくりに関しては、なるべく正直でいたい
――『赤毛のアン』以外の高畑監督の作品で好きな作品というと?
木村 『じゃりン子チエ』が好きですね。あとは『平成狸合戦ぽんぽこ』もけっこう好きで、最後のほう、テレビクルーに追い詰められた狸が変化するシーンを映画館で見て、めちゃくちゃ感動して。その後、大学を卒業するくらいのタイミングで、スタジオジブリが演出家を育成する塾を開くというので応募したんです。もともとアニメ業界に行こうと思っていたんですけど、就職活動がうまくいかなくて、結局、高畑さんが開かれていた塾に1年間、アルバイトをしながら通いました。15人くらい、塾生がいたのかな。そのとき一緒だった居村健治くんは、その後、スタジオジブリで演出助手をやっていて、ジブリが解散したあとも『天気の子』や『映画大好きポンポさん』に演出で参加していますね。あと、すでにプロとして活躍されていた方たちも何人か塾に参加されていて、そのうちのひとりがカトキハジメさんだったんですよ。そのつながりで『アイカツ!』の絵コンテをカトキさんにやっていただきました(※第122話「ヴァンパイアミステリー」)。
――そんな裏事情があったんですね!
木村 『アイカツ!』の制作が始まったとき、カトキさんは別の作品に参加している最中だったんですけど、わざわざ電話をいただいて。久しぶりに話していたら、カトキさんのほうから「コンテをやりたい」とおっしゃっていただいたんです。
――その塾で高畑監督とも会ったと思うんですが、どういう方でしたか?
木村 最初の試験で、めちゃくちゃ説教をされました。「お前はこんなところに来ている場合なのか?」とか「就職しなくてもいいのか?」とか(笑)。実際に話してみるとすごく優しい方なんですけど、作品づくりに関してはやっぱり厳しい。とくに、自分の感覚に正直でいることに、すごく厳しかった記憶があります。何かの作品についてみんなで話していたときに、高畑さんから「どう思うか?」と感想を聞かれたんですよね。そのとき、僕がちょっと適当というか、高畑さんの考えに合わせたような返答をしたら、すごく怒られたんですよ。「正直なことを言え」と。
――ちゃんと自分の考えを話しなさい、と。
木村 その後、高畑さんの本を読んでいたら、『アルプスの少女ハイジ』の制作中に美術監督から質問を受けて、いい加減な返事をしたことをすごく後悔している、と書かれていたんです。それを読んで「モノづくりに対しては正直でいなければいけないんだな」と。僕は普段、平気でいい加減なことも言いますけど、でも本当に大事なことは正直に言わなければいけない。せめてモノづくりに関しては、なるべく正直でいたいな、と。それが高畑さんから受けたいちばん大きな影響かもしれないですね。
③その後の女児向けアニメの礎を築いた
『美少女戦士セーラームーン』
インタビュー連載の最終回で取り上げるのは、1992年から放送され、一大ブームを巻き起こしたアニメ『美少女戦士セーラームーン』。当時、大学生だった木村隆一監督はこの作品のどこにハマったのか? 『アイカツ!』に与えた影響についても、あわせて聞いた。
いろいろな人の「よさ」が存分に発揮されている
――3本目は、佐藤順一監督の『美少女戦士セーラームーン(以下、セーラームーン)』です。1992年に放送がスタートしているので、木村監督は大学生くらいですか?
木村 そうですね。テレビでやっていたのをオタク友達数人とたまたま見たんですが、「これはまた頭のおかしいアニメが始まったな」と(笑)。そこからめちゃくちゃハマって、毎週土曜日はみんなで家に集まって『セーラームーン』を一緒に見るという、アホみたいなことをやっていましたね。当時、同じ大学に通っていて、一緒にアニメを作っていた今石(洋之)君とも「『セーラームーン』、面白くない?」「面白いよね」という話をしていました。
――当時、木村監督の周囲でも話題になっていたわけですね(笑)。
木村 そもそも「タイトルがおかしいな」と思っていたんです。いったいこれは、どこに向けた作品なんだろう?と(笑)。今にして思えば、まさに直球の女児向けアニメだったわけですけど、振り切れたノリがすごく面白くて。いくらか話数が進んだところから見始めた記憶があるんですが、「妙なノリの作品だな」と思っていたら監督が佐藤順一さんだということに気づいて、そこからはちゃんと見るようになりましたね。話数が進むにつれて、作画もどんどん面白くなっていって。当時はまだ総作画監督制度みたいなものはなかったですから、各話ごとに作画監督の色がすごく出ていましたよね。僕は安藤正浩さんが作画監督を担当されている回がすごく好きだったんですけど、安藤さんの回は「本当に大丈夫なのか?」と思うくらいキャラクターが丸っこくデフォルメされていて、しかもそれがめちゃくちゃよく動く。久しぶりに80年代アニメのノリが味わえる作品だな、と。それでハマったところは大きいと思いますね。ストレートに楽しいし、思いついたことは全部やってみる、みたいなノリがある。あれはなかなかできないことだと思うんです。
――たしかに作品全体に勢いがありますよね。
木村 今回のインタビュー前にあらためて少し見返して来たんですが、ちょっと神がかっていますよね。スタッフの若さもすごく出ているし、いろいろな人の「よさ」が存分に発揮されていて、それによって作品全体がどんどん盛り上がっていく。そういう相乗効果みたいなものを感じるんですよ。いい企画だというだけではダメで、なにか運命みたいなものがないとああいう作りにはならない。『アイカツ!』の制作に取りかかった当初、まわりには30歳くらいの女性スタッフが多かったんですけど、子供の頃に何を見ていたかを聞くと、必ずといっていいほど『セーラームーン』が挙がるんです。まさにその後の女児向けアニメのスタンダードというか、礎を築いた作品だと思いますし、実際、『セーラームーン』には、このあといろいろな作品に派生していく要素がいっぱい詰まっている。もちろん、『セーラームーン』自体、いろいろな作品を吸収したうえで作られたものだと思うんですが、ここ四半世紀の子供向けアニメの起点になった、そういう作品なんじゃないかと思うんですよね。
限られた制作体制で、どれだけ面白いことをやるかを突き詰めている
――『アイカツ!』を作る際、参考にしたところはありましたか?
木村 雰囲気ですかね。物語の展開がシリアスになることも多いんですが、基本的なノリがすごく楽しいんです。子供が見るものだから、基本的には暗い気分にはさせないぞ、みたいな気迫を感じます。あと、思いついたことは、たとえ粗削りでも新鮮なうちに――自分たちが楽しいと思っているうちにやってしまう勢いでしょうか。『アイカツ!』のときも、思いついたことは出し惜しみせずにやるように心がけていました。僕は初期の『セーラームーン』が持っていた、そういう出し惜しみしない感じが本当に好きだったんです。実際に自分たちができていたかどうかはともかく、目標にはしていました。
――とにかくアイデアが詰まっているところは共通している気がします。
木村 『セーラームーン』は作画の枚数制限が厳しいなかで作られていたわけですけど、そういう限られた制作体制で、どれだけ面白いことをやるかを突き詰めてやっているんですよね。どこまでがキチンと考えられていて、どこからが思いつきなのかはわからないですが、最終的にすごくうまくハマっている。バンクの使い方ひとつを取っても、あの音楽がかかった瞬間に、見ている子供はめちゃくちゃテンションが上がると思うんです。もちろん、『セーラームーン』以前にも同じような手法を使った作品はあると思うんですけど、『セーラームーン』はすごくわかりやすい形で「こういう風にやれば、たとえ紋切型であっても面白く見える」ということを、明確な意思のもとでやっているんですよ。
――方法論が明快ですよね。
木村 半分はセンスでやったことなのかもしれないですけど、もう半分は考え抜いてやっていることで、それが結果としてすごくうまく機能していて。今見ても、学ぶべきことがいっぱい詰まっているなと思います。あと、さっきも少し話しましたが、シリーズの途中からどんどん熱量が上がっていくのがわかるんです。きっとスタッフのノリがよくなってきて、「自分たちは面白いものを作っているんだ!」と気づいたからなんじゃないかと思うんですけど。最初に組んだコンセプトがしっかりしていたからこそ、スタッフの気持ちに火が点いたんじゃないかなと思いますし、そういう熱量と意図が噛み合って出来上がっているんだな、と。
――『アイカツ!』は、かなりそこに近いものができていたように思います。
木村 目標ではあったので、『セーラームーン』に届いたとは思いませんが、雰囲気が近いものは作れたかなと思います。『アイカツ!』も、途中からスタッフが面白がってやってくれるようになったんです。やっぱりアニメに携わる者としては「私はこういう作品に参加していたんです」と言ったときに、後輩やファンに「知ってる!」と言ってもらえるのがうれしいんですよ。『アイカツ!』は、なんとかそこには到達できたかなと思いますね。
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