【生肉转载】Febri TALK系列——岡田有章

取材・文/岡本大介
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2022年9月19日~23日
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①再びアニメ愛を持った
『AIR』
『機甲戦記ドラグナー』や『鎧伝サムライトルーパー』など、1980年代からアニメ美術に携わる岡田有章。劇場版『Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』など、近年も話題作で活躍するベテランデザイナーに自身にとって特別なアニメ作品を聞くインタビュー連載。第1回は、アニメに対する考え方が変わったという『AIR』。
アニメってもっと自由でいいんだと既成概念が吹き飛んだ
――京都アニメーション制作の『AIR』は2005年の放送なので、当時の岡田さんはすでに美術監督としてバリバリと活躍している時代ですよね。
岡田 そうですね。アニメの原体験としては『宇宙戦艦ヤマト』や『マジンガーZ』などがあって、学生時代は『機動戦士ガンダム』や『戦闘メカ ザブングル』など、好きだった作品はいろいろあるのですが、今回はあえてアニメ業界に入ったあとにとくに印象に残っているものを挙げました。
――なるほど。『AIR』はどんなタイミングで見たのですか?
岡田 アニメ業界で20年間ほど美術の仕事をしたあとで、ゲーム会社に就職した時代があったんですけど、そこから再びアニメ業界に戻ってきた際、あらためて「アニメのことをちゃんと知らなきゃ」と痛感したんです。というのも、それまでアニメ業界で働いていた20年は、目の前の作業に追われて、ほとんど作品そのものを見ることがなかったんです。背景だけを描いているぶんにはとくにそれでも問題はなかったんですけど、アニメ業界に復帰するにあたっては企画初期から参加させてもらう機会が増えたので、いろいろなアニメを見て勉強しようと思ったんです。過去作品からリアルタイムの作品まで、とにかくジャンルを問わずにいろいろなアニメを見まくったんですが、TVアニメ版『AIR』はそんなときに出会った作品です。すぐに夢中になって勉強はそっちのけになっちゃいました(笑)。
――どんなところが面白かったですか?
岡田 最初はビジュアルでした。生き生きとしたキャラクターや美術に惹かれて「これはすごいアニメだ!」と確信したんですが、話数が進むごとにシナリオの精度に驚かされました。それまでは、いわゆる恋愛ゲーム系の作品ってどちらかと言えば苦手意識があったんですけど、それが一気にひっくり返されて大好きになりましたね。
――価値観が変わるほどハマったんですね。
岡田 そうですね。もともとサンライズのロボットアニメに参加することが多かったので、どれもカラッとした作品ばかりだったんですよね。前向きな少年の成長物語が多かったので、恋愛ゲームやライトノベルに多いネガティブな主人公というものになじみがなかったんです。でも、『AIR』を見てからはそういう主人公も全然いいじゃん、と思うようになりましたし、『灼眼のシャナ』や『涼宮ハルヒの憂鬱』など、ライトノベルもたくさん読むようになりました。

――具体的に印象に残っているシーンはありますか?
岡田 海辺の田舎町という閉ざされた舞台で、ファンタジーやオカルト、ホラーなどの要素が絶妙に絡み合うことで独特の雰囲気を醸し出していて、それがまず魅力的ですよね。ヒロインたちのバックボーンが徐々に明かされていく展開もよかったですし、中盤から急に1000年前の夏の出来事が描かれるという構成も新鮮でした。それまでそういうタイプの作品と出会ったことがなかったので、あらゆるところが衝撃的でしたね。
――原作ゲームは「泣きゲー」として有名ですよね。
岡田 アニメを見ていてももちろん泣きました。観鈴(みすず)のことをなんとか救ってあげたいと、かなり感情移入しながら見ていました。シナリオも作画も演出も素晴らしくて、TVシリーズでこんな高品質なアニメが作れるんだと驚いた記憶があります。それから『CLANNAD -クラナド-』や『Kanon』など、Key原作で京都アニメーションの作品をチェックしたんですけど、どれも素晴らしかったですね。
――見返すこともありましたか?
岡田 夏になるとやはり『AIR』を見たくなってしまうんですよね。当初は2~3年に一度くらいで見返していました。
――自身の仕事に影響を与えた部分はありますか?
岡田 『AIR』って、カメラアングルひとつとってもすごく自由だし、演出も新しく感じたんです。それまで僕が主に参加していたサンライズ作品は、フォーマットを重視した作りになっていることが多かったので、アニメってもっと自由でいいんだなと既成概念が吹き飛んだ気がしました。美術に関しても、それまではあまり凝りすぎると他の美術スタッフの負担が大きくなるので、描きやすいラインに落とし込んで作業量を軽減しようとばかり考えていたんです。でも、『AIR』に関してはスタッフがすごい熱量をもって臨んでいて、キャラも背景もいっさい妥協していないような感覚をおぼえたんですね。スタッフ全員が一丸となって、切磋琢磨しながらいい作品を作り上げていこうとしないと達成できないクオリティにビックリしたというのが本音で、僕もいつかこんな仕事がしてみたいという気持ちがフツフツと湧いてきました。
――アニメ業界に戻ってきて、あらためてアニメ作りの素晴らしさを感じたんですね。
岡田 そうですね。もちろん、効率やコストを軽視していいというわけではないですけど、それまでの僕は過剰に自制していたのかもしれないと思い知らされました。せっかく縁があってもう一度アニメ業界に戻ってきたのだから、これからはもっと一本一本の仕事を大切にしようと思いましたし、アニメ愛のようなものを取り戻すきっかけになった気がしますね。
②SFファンとして夢中になった
『STEINS;GATE』
『機甲戦記ドラグナー』や『鎧伝サムライトルーパー』など、1980年代からアニメ美術に携わる岡田有章。『ガンダム Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』など、近年も話題作で活躍するベテランデザイナーに自身にとって特別なアニメ作品を聞くインタビュー連載。2作目は、SFファンとして心をくすぐられたという『STEINS;GATE』。
「鳳凰院凶真になりたい!」と憧れた
――『STEINS;GATE』は2011年の放送ですが、リアルタイムで見ていたのですか?
岡田 ばっちりリアルタイムかどうかは曖昧なんですけど、ほぼ同時期に見ていたと思います。そのあと2013年に公開された『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』を見に行こうと思ったんですが、きっと感動で鼻水やら嗚咽やらで大変なことになると思い、我慢してBlu-rayの発売を待ったおぼえがありますから(笑)。
――なるほど。作品のどんなところに惹かれましたか?
岡田 SF設定の巧妙さに尽きます。もともと学生時代はSF好きだったんです。『宇宙兵ブルース』(ハリイ・ハリスン)や『エンダーのゲーム』(オーソン・スコット・カード)、『ヴォルコシガン・サガ』(ロイス・マクマスター・ビジョルド)など、ハヤカワや創元SFなど海外の翻訳小説をよく読んでいました。
――そんなSFファンですら、『STEINS;GATE』には唸らされたんですね。
岡田 タイムリープをテーマにした作品はそれまでもたくさんありましたけど、その設定を使ってここまでうまくドラマを盛り上げている作品を、僕は他に知りません。それにブラックホールを利用したタイムリープの仕組みだったり、そのリフターがブラウン管だったりなど、どれもがSFファンの心をくすぐる設定ばかりなんですよ。フィリップ・K・ディックの『ペイチェック』を初めて読んだときのドキドキハラハラを思い出しました。フィリップ・K・ディックの作品って、SFでありながらもミステリー要素も入っていて、読者をうまくミスリードさせて騙すみたいなところがあるじゃないですか。『STEINS;GATE』もそれと同じで、知らず知らずのうちにうまく誘導された感覚があって、それがまた気持ちよかったんですよね。
――たしかにSFをベースにしつつも、それによるキャラクターのドラマが濃密ですよね。
岡田 そうですよね。これがSF抜きの青春群像劇だったらそこまで刺さらなかったと思うんです。素晴らしいSF設定に引っ張られる形で、いつの間にかドラマにもどっぷりとハマっていた感じなんですよね。結果としては、SFもドラマも楽しめて、おまけに女の子たちもかわいいというレアな体験ができました。

――とくに好きなキャラクターはいますか?
岡田 やはり主人公の岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖(まきせくりす)ですね。とくに岡部には完全に感情移入をしちゃって、見ているときは「僕も鳳凰院凶真(ほうおういんきょうま、倫太郎の二つ名)になりたい!」と思っていました(笑)。
――岡部は世界線の変更のために奔走する、かなり過酷な運命を背負っていますが。
岡田 そうなんですよね。実際に岡部になったら、とても精神が耐えられそうにはないんですけど、でもやっぱりどこかで憧れがあるんですよね。だから続編の『シュタインズ・ゲート ゼロ』では屈託のある岡部を見ているのが本当につらかったです(笑)。
――なるほど(笑)。とくに好きなシーンはありますか?
岡田 岡部たちがいるラボの1階にある、42型ブラウン管がDメール送信の鍵であることが判明したシーン(第11話「時空境界のドグマ」)です。冷静に考えるとかなり強引な感じだったりしますけど、SF好きとしてはそのギミック感がたまらないんですよね。原案の志倉千代丸さんは本当にSFが大好きなんだなと感動しました。そのあと同じ科学アドベンチャーシリーズである『ROBOTICS;NOTES』のアニメも見て、そちらも面白かったですね。とくにパワーアシストスーツが暴走して瑞榎(みずか)が崖から落ちるシーン(第16話「巨大ロボットが、大好きです」)は衝撃を受けました。「ロボットの反乱」というありきたりなネタでも、使い方によってはここまで新しい描写になるんだと感じましたし、『STEINS;GATE』もそういう驚きが詰まっているような気がします。
――志倉千代丸さんのファンでもあるんですね。
岡田 そうです。じつは『翠星のガルガンティア』に参加したあとに志倉さんとお会いできる機会があって、その際に僕が描いたガルガンティアのイメージを褒めてくださったことがあったんです。あれはうれしかったですね。いい思い出です。
――『STEINS;GATE』が自身の仕事に与えた影響はありますか?
岡田 具体的に何がどうということではないんですけども、あらためて日本のSFアニメはすごいなと感じました。前に挙げた『AIR』は作品の演出や作り手の熱量に圧倒された感じなんですけど、『STEINS;GATE』に関しては単純にユーザーとして大ファンになってしまった感覚で『スター・ウォーズ』と同じレベルで好きなんです(笑)。ハリウッドの大作やマーベル作品に負けないくらいに面白い作品が日本のアニメにもあるじゃないかと感動しましたし、もう一度純粋なアニメファンになれた気がしました。しばらく離れていたSF小説もまた読み始めるようにもなりましたし、すごく刺激をもらいましたね。
③いろいろな夢がかなった
『クロムクロ』
『機甲戦記ドラグナー』や『鎧伝サムライトルーパー』など、1980年代からアニメ美術に携わる岡田有章。『ガンダム Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』など、近年も話題作に活躍するベテランデザイナーに自身にとって特別なアニメ作品を聞くインタビュー連載。3作目は、自身が世界観作りから参加した『クロムクロ』。
SF設定のアイデアを採用してもらえたのは、SFファンとしてもうれしかった
――『クロムクロ』はP.A.WORKSによるオリジナルTVアニメです。岡田さんは「ヴィジュアルコンセプト・メカデザイン」のクレジットで企画段階から参加していますね。
岡田 岡村天斎監督に声をかけてもらい参加させていただいた作品ですが、とにかく楽しかったです。ロケハンに同行したり、SF設定のアイデア出しまでお手伝いさせてもらうなど、普段は美術だけを担当することが多いですから、すごくいい経験をさせてもらいました。あと僕は『true tears』が大好きで、こんなに素晴らしい仕事をされているP.A.WORKSさんの作品に参加できるという喜びも大きかったですね。おそらく自分には一生縁がないだろうと思い込んでいて、勝手に凹んでいましたから(笑)。
――ちなみに、これまでにメカデザインの経験はあるのですか?
岡田 一応はあるんですよ。2007年に放送された『GR-GIANT ROBO-』という作品でコンセプトデザインを担当させてもらって、そのときにロボットも描いたんです。ただ、そちらは原作があるのに対して『クロムクロ』は完全オリジナルなので、やっぱり苦労はしましたね。
――主人公機のクロムクロはどんなコンセプトでデザインしたのですか?
岡田 岡村監督からは「とにかくガンダムっぽいのだけはダメ」とだけ言われました(笑)。個人的には作品の世界観とマッチするように、鎧や甲冑っぽい雰囲気を出したいと思っていたんですが、実際に甲冑を着せてしまうと武者ガンダムに似てしまうんですよ。なので、ガンダムとはまったく違う関節構造にして、かつ甲冑を着せないでも鎧感が出るようなデザインを目指して試行錯誤しました。ただ、クロムクロのデザインがあまりに大変だったので、他のロボットたちはしれっとガンダムに似た関節構造に逃げちゃいましたが(笑)。
――でも、結果として、クロムクロの異質感が際立っていて映えましたよね。
岡田 そうですね。岡村監督も途中まではとくに気にしていなかったのですが、ラスボスをデザインする際に「あれ? そう言えば、クロムクロっぽいロボットって他にいないね。なんで止めちゃったの?」って言われて、ギクッとしまして(笑)。それで(最終決戦に登場するライバルの機の)ロックヘッドとオーガだけは頑張ってクロムクロと同じ構造にしました。
――個性的なロボット同士によるアクションシーンは本作最大の魅力ですね。
岡田 ロボットたちがキビキビと動いているのは岡村監督のおかげだと思います。監督がすべてのカットをチェックして動きのカッコよさを追求していましたから。完成したアクションシーンを初めて見たときは、僕の想像をはるかに超えていて感激しましたね。

――車両形態に変形するザ・キューブのデザインも印象的でした。
岡田 呼び名が「馬」であることはすでに決定していたので、車両形態の他に馬っぽい乗り物にもなれば面白いなと思っていて、じつは2段階の変形を考えていたんです。でも、どうしてもキューブからは馬にはならなかったんですよね。3Dデータで矛盾なく作る必要があったので変形に嘘がつけなくて、結局、時間切れであきらめました。岡村監督は何も気にしていませんでしたが、個人的には『クロムクロ』で唯一の心残りです。
――そうだったんですね。メカデザインは背景を描くのとはかなり違う作業だと思いますが、昔からやりたかったんですか?
岡田 今は成り行きで背景をメインに描いていますが、学生時代はなんでも描きたかったですし、それこそ世界観をイチから自由に作り上げていきたいと思っていた時期もありました。そういう意味で『クロムクロ』ではロボットのデザインも担当させていただけたので、もうめちゃめちゃ楽しかったんですよ。
――ヴィジュアルコンセプトとしては、黒部研究所の全体図を設計したんですよね。
岡田 そうです。黒部にロケハンに行ったあと、国土地理院の3D地形図などを参考に、スケール感などを検証しつつ、ダムと研究所の配置を決めました。やっぱり実際の景色を見られたことは大きかったですね。
――デザイン以外の仕事で印象に残っていることはありますか?
岡田 SF設定のアイデアを採用してもらえたことですね。もともと枢石(くるるいし)というガジェットを使ってワームホールを作るという大まかな設定はあったんですが、細かい部分は決まっていなかったんです。入口と出口が直結して出入りが自由というものではなく、現地と目的地に共有空間を作り、そこに入った船だけが移動できる限定的なシステムなんですけど、これを提案して、採用されたんです。ひとりのSFファンとしてとてもうれしかったですね。
――岡田さんにとって『クロムクロ』はどのような位置付けの作品になりましたか?
岡田 冒頭にも言った通り、とにかく楽しくて仕方なかったというのがいちばんで、アニメの仕事をしていて本当によかったなと感じました。憧れのP.A.WORKS作品に企画から参加できたことや、メカを含めた世界観のビジュアルを作る仕事をさせてもらったことで、僕のいろいろな夢がかなった感じがします。こんな体験は二度とないかもしれないし、ひょっとしたらこの先はもう余生かも?と寂しくなったくらいです(笑)。一生忘れられない幸せな体験をさせていただきました。
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