【生肉转载】Febri TALK系列——桃井晴子

取材・文/岡本大介
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2022年6月6日~10日
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①アニメとアイドルが融合した衝撃
『ハイスクール!奇面組』
1990年代後半から秋葉原でアイドル活動を開始し、「元祖アキバ系女王」の異名を取る桃井はるこ。声優、シンガーソングライター、作曲家、作詞家など幅広い才能を発揮する彼女のアニメ体験に迫るインタビュー連載の第1回は、大好きなアニメとアイドルが劇中で見事に融合した『ハイスクール!奇面組』。
現実と非現実が混じり合う面白さ
――『ハイスクール!奇面組(以下、奇面組)』は1985年からの放送なので、桃井さんは当時小学校低学年ですね。その頃からすでにかなりのアニメ好きだったんですか?
桃井 そうですね。地上波で放送されていたアニメはほとんど見ていたと思います。中でも幼少期は『タイムボカン』シリーズが大好きで、『タイムパトロール隊オタスケマン』とか『ヤットデタマン』とか毎度同じような、お約束的な展開なんですけど、それがすごく好きだったんですよね。山本正之さんが歌う主題歌も大好きで「キラキラキラキラ スタースター」(「オタスケマンの歌」の歌詞)とか「どうやったらこんなフレーズを思いつくんだろう? すごいな〜」と子供ながらに思っていました。
――アニメと同時にアニソンの魅力にも目覚めていたんですね。
桃井 アニソンもそうですし、アイドルやアイドルソングも好きでしたね。それもなぜか女性のアイドルに妙に惹かれていて。当時大流行していたおニャン子クラブはもちろんですが、水谷麻里さんや佐野量子さんなど、おニャン子クラブ以外のアイドルも好きで追いかけていました。
――『ハイスクール!奇面組』の主題歌を歌っていたのは、おニャン子クラブから派生したうしろゆびさされ組(高井麻巳子、岩井由紀子によるユニット)ですよね。
桃井 『奇面組』は毎週楽しく見ていたんですけど、特別に印象に残っているのは第63話「うしろゆびさされ組の卒業式ジャック」なんです。このエピソードでは、解散が決まったうしろゆびさされ組のおふたりが、本人としてアニメにサプライズ登場するんですよ。高井さんが「今まで応援どうもありがとう」って言って、岩井さんが「では、私たちの思い出の曲を歌います」と言って主題歌の「うしろゆびさされ組」を歌うんですが、それが本当に衝撃的だったんです。
――好きなアイドルがアニメになって劇中に登場するのって、たしかに衝撃的ですね。
桃井 そうなんです。しかも、奇面組のバンド演奏に合わせて、振り付けまで完全に再現して歌っていて。アニメと現実が融合した演出に、子供だった私は何が起こっているのか冷静に理解できないながらも、私の大好きなアニメとアイドルが同じ画面に入って動いていることに興奮して「何これ? 最高じゃん!」って(笑)。
――「アニメと現実の融合」というテーマは、桃井さんの芸能活動の根底にあるような気がします。
桃井 たしかにそうかもですね。私は『The Soul Taker 〜魂狩〜』という作品の中原小麦というキャラクターで声優としてデビューしたんですけど、そのスピンオフ作品では小麦ちゃんのコスプレをして「中原小麦でーす!」と言ってイベントに出演していましたし、ラジオでもあくまで小麦ちゃんとしてしゃべっていたんです。これって当時としてはかなり珍しいことだと思うんですけど、私的には現実と非現実が混じり合って曖昧になるのが面白いと感じていて、それは元をたどれば『奇面組』から受けた衝撃かもしれません。

――うしろゆびさされ組の歌唱シーン以外ではどんなところが面白かったですか?
桃井 なんでもありなコメディ作品なんですけど、その根底に「変でもいいじゃん」っていうメッセージが込められているのがすごく印象に残っています。現代で言うと「多様性の肯定」ということになると思うんですが、それが随所に散りばめられているんですよ。今でこそ学校教育の場でも「個性」が大切にされていますけど、私が小学生の頃はつねに「みんなに合わせてちゃんとしなさい」って言われていた時代ですから。だからこそ彼らの破天荒さだったり、個性を認め合う姿勢には憧れましたし、こんな高校生活が送れたら楽しいだろうなと思いながら見ていましたね。
――好きなキャラクターはいましたか?
桃井 私は昔から「推しキャラ」っていう感覚がいまいちわからない人なんですよ。特定の誰かというよりは、たとえば、河川唯(かわゆい)ちゃんと宇留千絵(うるちえ)ちゃんのわちゃわちゃした感じとか、人間関係が醸し出す雰囲気が好きなんですよね。それで言えば、唯ちゃんは(主人公の一堂)零のことを「零さん」って呼んでいて、その呼び方にキュンとしていました。私は『エスパー魔美』もすごく好きなんですが、魔美は(ボーイフレンドの)高畑和夫のことを「高畑さん」って呼んでいて、高畑も魔美のことを「魔美くん」と呼んでいるんですけど、どういうわけかその感じがすごく好きなんですよ。
――子供ながらに微妙な人間関係の機微を感じていたんですね。
桃井 どうなんでしょう? でも、たしかに昔から誰かひとりにフォーカスするよりは、作品全体を俯瞰で捉えていた感じはあるかもしれません。『タイムボカン』シリーズが好きなのも、視聴者に直接語りかけてきたり、いきなりファンレターを読み始めたりとか、そういうメタ視点が好きでしたね。アイドルソングやアニソンが響いたということもありますが、とにかく『奇面組』と『タイムボカン』シリーズは私の人格形成においてかなり大きな影響を与えていると思います。今の桃井があるのは、幼少期にこの2作品に触れたおかげと言っても過言ではないかもしれないです。
②青春時代のタイムカプセル
『パーフェクトブルー』
1990年代後半から秋葉原でアイドル活動を開始し、「元祖アキバ系女王」の異名を取る桃井はるこ。声優、シンガーソングライター、作曲家、作詞家など幅広い才能を発揮する彼女のアニメ体験に迫るインタビュー連載の第2回は、アニメとアイドルを追いかけ続けた青春時代が詰まった『パーフェクトブルー』。
未麻(みま)と自分の違いは、アキバ仕込みのパソコンスキル
――『パーフェクトブルー』は1997年に公開された今敏監督の劇場アニメです。どんなところが印象的でしたか?
桃井 「これ、まさに私たちがいるところじゃん!」のひと言に尽きます。この作品では売り出し中のアイドルとファンたちの構図が描かれているんですけど、それってまさに当時の私を取り巻く環境だったんですよね。
――桃井さんもちょうどこの頃からアイドル活動をしていましたよね。アイドル側の視点からこの作品を見ていたのですか?
桃井 いえいえ、むしろファン目線です。たとえば、当時のアイドルイベントの現場って、ミニコミ誌と呼ばれていた同人誌を売る人たちがいたんですけど、彼らのことまでバッチリと描かれているんですよ。自分たちの生態が完璧に再現されていたので、これはすごいなと。これが実写作品なら、もしかしたら年月や時代の移り変わりによって色褪せてしまうかもしれないですけど、アニメだといつまでも美しいままで全然古びないんですよね。あの時代のあの場所がまるでタイムカプセルのように綺麗に保存されていて、この映画を見るといつでもあの時代に帰れる感じがするんです。映画の内容は後半に進むにつれてどんどん怖くなっていくんですけど、私にとっては素敵な思い出がよみがえる作品ですね。
――とくに印象深いシーンはありますか?
桃井 やっぱりCHAM(主人公たちが所属するアイドルグループ)のコンサートシーンかな。あのステージは銀座三越の「森の劇場」がモデルになっていると思うんですけど、実際にあそこではアイドルのイベントをよくやっていて、私も日常的に足を運んでいたんですよ。そこに集まっている人たちの服装や雰囲気をはじめ、何から何までリアルに再現されていて、しかもそれがアニメという非現実な媒体で描かれているというのがなんとも不思議で。『ハイスクール!奇面組』もそうでしたけど、現実とアニメがごっちゃになった感覚がいいんですよ。
――ちなみに主人公の未麻(みま)はストーカーに追い詰められて被害妄想に陥りますよね。桃井さんはアイドル時代に怖い思いをしたことはありますか?
桃井 私はまったくと言っていいほどなかったですね。他の街だったらわかりませんけど、私自身がアイドルオタク出身だったので、最初期の私のファンの方はその代表のような感じで、身近にいて応援してくれている感じでした。あと、私と未麻との大きな違いはパソコン知識ですね。未麻はパソコン音痴で「未麻の部屋」というなりすましのブログに悩まされますが、私の場合は自分で「モモイハルコ秘密の日記」っていうホームページを作っていましたから(笑)。アキバ系と名乗り出したのは、パソコンに明るいっていう意味合いが強かったんです。

――映画公開当時はインターネットが一般家庭に普及していく過渡期でしたが、桃井さんはすでにパソコンを駆使していたんですね。
桃井 小学生時代からずっと秋葉原に通っていたので、パソコンに対する抵抗感のようなものが一切なかったんですよね。ただ、それでもパソコン通信にまで手を出したらもう前の生活には戻れない気も薄々していたので、中学生時代までは秋葉原界隈の友達にすすめられても最初は断っていたんですよ。まだ「私は真っ当な高校生になるんだから!」という思いがあって(笑)。でも、定時制の高校に進学したことで、平日の昼間からアニメやアイドルのイベントに行けるようになってしまい、「真っ当な高校生」は完全にあきらめました(笑)。それならもういっそのこと自分の興味に忠実に生きていこう、と開き直ってパソコン通信を始めたんです。いざやってみたら、アニメやマンガ、ゲーム、アイドルの話まで趣味全開で話せる空間に初めて出会えて、自分の世界が一気に広がった気がしました。それこそ『パーフェクトブルー』の感想もあれこれと語り合いましたし、『新世紀エヴァンゲリオン』の考察で盛り上がり、気がつくと朝だったということもしょっちゅうでした。その頃にアイドル活動を始めたのも、ネットや秋葉原で知り合った友人たちにすすめられたからですし、彼らからは多大な影響を受けています。
――パソコン通信は、同志とつながる最高のツールだったんですね。
桃井 でも、それだけじゃないんですよ。ネット上で連載していたコラムがきっかけで『GREAT SATURN Z』(セガサターン専門のゲーム雑誌)で連載をするという大事件が起きたんです。ただのオタクな女子高校生が商業誌で連載コラムを持つなんて考えもしなかったのですごく驚いたんですけど、それと同時期にロフトプラスワンでトークイベントを開催するようになりました。そうしたら、そのイベントを見てくださったスタッフさんの推薦で文化放送のラジオ番組をやらせてもらうことになり、それを聞いてくださっていたアニメ関係者さんからお声がけいただいたことで声優としてデビューすることになるんです。そこまでが次々と、まさに芋づる式に展開していくわけですよ。そのたびに「いやいや、絶対に詐欺でしょ?」とか疑いつつも、実際にはすべて本当の話で。だからとくに当時は「ネットには無限の可能性があるな」って感じていました。
――世に出るきっかけがインターネットというのは、当時だと珍しいケースですね。
桃井 そうですね。なかなか学校になじめなかった私が秋葉原という街に逃げ込み、そこで年上のお兄さんお姉さんたちと出会い、さらにインターネットによって共通の趣味を持った人たちとつながった。それによって、悩んでいたことが嘘のように消し飛んだんです。秋葉原やパソコン通信に仲間ができたら視野が広がって逆に学校のほうも楽しくなってきましたし、当時の友人たちには本当に感謝しています。今でも交流があるんですよ。だからこそ、当時の様子が再現された『パーフェクトブルー』を見ると、特別な気持ちになるんだと思います。
③ 声優&音楽家としての転機
『魔女っ娘つくねちゃん』
1990年代後半から秋葉原でアイドル活動を開始し、「元祖アキバ系女王」の異名を取る桃井はるこ。声優、シンガーソングライター、作曲家、作詞家など幅広い才能を発揮する彼女のアニメ体験に迫るインタビュー連載の第3回は、一風変わった魔女っ子を演じたことで芝居の幅が広がったと語る思い出の作品。
入り時間を間違えたのが主役抜擢のきっかけ
――『魔女っ娘つくねちゃん』は2005年に発売されたOVA作品で、桃井さんは主役のつくねちゃん役として出演していますね。
桃井 これはかなり運命的な出会いをして、とても印象に残っている作品なので挙げさせていただきました。
――どんな出会いだったのですか?
桃井 とある作品のアフレコのためにスタジオに入ったところ、現場に誰もいなかったんですよ。「あれ? 時間を間違えたかな、どうしよう?」と思っていた矢先に、ひとりだけスッと部屋に入ってきた人がいて、それがキングレコードのプロデューサーだった大月(俊倫)さんだったんです。大月さんも「あれ? 桃井ちゃんだけ?」という感じで。確認してみたら、その日に限って収録開始が1時間遅かったんですけど、それを知らなかった私と大月さんだけがいつもの時間にスタジオ入りしていたんです。つまり、あと1時間は業界の超有名プロデューサーさんとふたりきりなわけですよ(笑)。「どうしよう、何の話をしたらいいの!?」と焦っていると、大月さんが「今日、ここでふたりきりになったのも何かの縁かもしれないから」とカバンからマンガを出して「今度このアニメを作るんだけど、よかったら桃井ちゃん、やってみない?」と言われまして。それがまさに『魔女っ娘つくねちゃん』だったんです。
――そんなドラマみたいなことが現実にあるんですね。
桃井 もちろん、大月さんもその場のノリだけで声をかけてくれたわけではなくて、じつはその頃の私の仕事ぶりを見てくださっていて「いつか仕事を振りたい」と思っていたらしいんですよ。そんなタイミングで偶然にもふたりきりになったものだから「これは桃井と仕事をしろっていうことだろう」と感じたらしくて。
――運命的な出会いですね。
桃井 そして、この作品は声優としての転機にもなった作品なんです。主人公のつくねちゃんはいわゆる魔女っ子なんですけど、それまでに私が演じてきた魔法少女もののキャラクターとは雰囲気が違うんですよね。
――たしかにつくねはテンションが低めで、淡々としていますよね。
桃井 そうなんです。10代前半の女の子だからついつい元気いっぱいに演じてしまうんですけど、そのたびに「もっと普通でいいよ」と言われ続けました。それまでにやらせていただいた役とは方向性がかなり違うキャラクターで、おかげで私の芝居の幅も広げることができました。そういう意味でも、とても印象深い作品とキャラクターですね。

――桃井さんのもともとの声はかわいらしいヒロイン声ですけど、演じる役柄はキャリアを重ねるにつれてどんどんと広がっている印象があります。
桃井 そうですね。『The Soul Taker ~魂狩~』の中原小麦ちゃん役でデビューした当時はお芝居の経験がゼロの完全な素人だったので、できることにも限りがあったんですよ。スタッフさんもそれをわかっていて「そのままの声でいいよ」と言ってくださることも多くて。でも、つくねちゃんだったり、『瀬戸の花嫁』の瀬戸燦(せとさん)さんなど、新しいタイプの役柄をいただくたびに頑張って開拓していきました。瀬戸さんを演じる際は極道映画をたくさん借りてきて、ドスの利かせ方やしゃべり方などを研究しましたね。ただ、極道映画の女はあまりしゃべらないので、結果的には役立ちませんでしたけど(笑)。
――なるほど。かと思えば『STEINS;GATE』のフェイリス・ニャンニャンなど、桃井さんのパブリックイメージそのままというキャラクターもあったりします。
桃井 フェイリスは完全に自分です(笑)。というよりむしろ理想の姿ですかね? 私はゲームが下手なので、彼女みたいにゲームが強くてナンバーワンメイドで、しかも令嬢だったらもう最高だなって思いながら演じていました。とくに彼女が秋葉原への思い入れを語る際はものすごく力が入りました。私自身、秋葉原への思い入れはとても強いので、まるで自分の言葉としてしゃべっているような感覚になりましたね。
――『魔女っ娘つくねちゃん』では、主題歌2曲の歌詞と歌唱も担当していますね。
桃井 これもとても思い出深い経験です。大好きなインスタントシトロンさんのスタジオにお邪魔して、片岡知子さんにレコーディングをしていただいて。それまで私は楽曲にノイズはないほうがいいと思っていたんですけど、片岡さんはあえてノイズを作って、それを空気の音として使っていたりと、作曲家としてもとても勉強になりました。
――桃井さんは声優としても、歌手や作曲家としても長く活躍していますが、それぞれに目標はあるのですか?
桃井 私の場合、とてもありがたいことに、たとえば、フェイリスみたいに「この役は私じゃなきゃダメだ!」と思えるキャラクターを演じさせてもらう機会が多いんです。なので、これからも「これは桃井しかいない!」と思ってくださるようなキャラクターと出会えることを楽しみに、健康に気をつけて末長く活動していきたいです。作曲家としては、死ぬまでに一曲でいいから誰もが知っているような楽曲を生み出したいですね。とはいえ、それはめぐり合わせもありますから、できることはただただ目の前の楽曲を丁寧に作っていくことしかないんですよね。いつか不思議なパワーが加わって超ヒットが生まれることを願いつつ、今日もコツコツ頑張ります!
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