【生肉转载】Febri TALK系列——花田十辉

取材・文/岡本大介
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2022年5月16日~20日
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①旅ものの原体験
『ガンバの冒険』
『ラブライブ!』や『響け!ユーフォニアム』といった青春ものから、『STEINS;GATE』のようなSF作品、オリジナルの『宇宙よりも遠い場所』など、幅広いジャンルで活躍する花田十輝が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の第1回は、仲間との旅や冒険の原点として心に残る『ガンバの冒険』について。
心に焼き付けられたノロイに対する恐怖
――花田さんは幼少期からアニメ好きなんですよね。
花田 そうです。僕は特撮ものがいまいち肌に合わず、もっぱらアニメを見て育ちました。そんな中で『ガンバの冒険』を初めて見たのは、たしか小学校3~4年生の時期で、リアルタイムではなくて再放送だったと思います。
――『ガンバの冒険』のどんなところに惹かれましたか?
花田 仲間たちと一緒に旅をして遠い場所を目指すというストーリーに初めて触れたのがこの作品なんですね。中でも惹かれたのは、7匹のキャラクターすべてに得手不得手があって、全員が力を合わせて困難を乗り越えていくところ。ときには喧嘩をすることもあるけど、みんながそれぞれの役割を果たして、最終的には大きな目標をクリアするという展開に魅了されました。ロードムービーであり、冒険ものでもあり、とにかくそういう雰囲気にハマったんだと思います。
――とくに印象に残っているキャラクターはいますか?
花田 それはもうノロイに尽きます。子供時代に『ガンバの冒険』を見ていた人であれば、今でもイタチを見ればノロイを想像してしまいますし、当時の恐怖心までよみがえってくる人も多いと思います。今はペットとしてイタチを飼う人も多いですが、僕ら世代は絶対に無理ですね(笑)。それくらい強烈に心に焼き付いています。
――ノロイは多くの子供にトラウマを植えつけた、日本のアニメ史上に残るラスボスと言えます。
花田 大人になって見返しても、やっぱり怖いんですよ。人間が誰かを殺すのって、それが怨恨であっても快楽であっても、何かしらの理由が必要になるじゃないですか。でも、それが動物となると何の理由もいらなくて、そこが怖いんですよね。とある島にいる白いイタチがネズミを虐殺しまくっているという時点で底知れぬ恐怖を感じますし、同時に未知の面白さがあって、設定としてもすごくよくできているなと感心します。
――ノロイでとくに印象に残っているシーンはありますか?
花田 ガンバたちが初めてノロイと対面したシーン(第20話「白イタチノロイを見た!」)です。そこで「私は君たちを歓迎する」って言いながら、ガンバに催眠術をかけるんですが、そのときに赤色だった目が急に緑色に変わるんですよね。あの一連のシーンは鮮明におぼえています。まるで僕まで催眠術にかけられたみたいに、テレビの前で釘付けになって、目をそらせなかったです。ノロイは他にも、画面にツメ跡だけをパパッと映すことでネズミを殺すとか印象に残る演出がたくさんあって、大人になった今からすると、さすがは出﨑統監督だなと思います。

――ノロイの話は尽きることがないですね。一方で、ガンバたち7匹の関係性もいいですよね。
花田 いいですね。僕はガンバたち7匹が集まってわちゃわちゃしている雰囲気がすごく好きで、自然とワクワクしてくるんです。
――普段はみんなの足を引っ張りがちなボーボでも、いざというときはみんなを助けたりして、よくできた関係性ですね。
花田 そうなんですよね。ガンバとボーボの親友感とかヨイショとガクシャの相棒感とか、本編が始まる前にもいろいろな冒険があったんだろうなと感じられるやり取りも好きです。
――ガンバたちがノロイ島を目指して冒険をする展開は、女子高生4人が南極を目指す『宇宙よりも遠い場所(以下、よりもい)』にも通じるものを感じます。
花田 僕にとって旅ものの原体験が『ガンバの冒険』なので、当然『よりもい』にも大きな影響を与えていると思います。ガンバが船酔いになるエピソード(第2話「ガンバ、船で大暴れ」)があるじゃないですか。『よりもい』でも船酔いのエピソード(第8話「吠えて、狂って、絶叫して」)があるんですけど、あれを書いたのは『ガンバの冒険』の影響なんです。いしづかあつこさん(『よりもい』監督)も出﨑監督作品が好きで、その話をしたら「じゃあ船酔いで一本作ろうか?」と。これは『よりもい』に限らずですが、オリジナルで何かを作る場合には、まず頭に浮かぶのが『ガンバの冒険』ですね。
――花田さんにとって、旅もの、冒険ものの教科書的な位置付けなんですね。
花田 そうですね。当時の多くのアニメが4クールの中で『ガンバの冒険』は2クールで全26話というのもいいんですよ。現代のTVシリーズの主流は1クールか2クールですから、すごくしっくりくるんですよね。4クール作品になるとどうしてもゲスト回や遊び回などが増えてしまうんですが、『ガンバの冒険』は最初から最後までキュッとまとまっていて、そこも参考になります。
――中盤には黒ギツネのザクリという中ボスが配置されていて、まったくダレないですね。
花田 うまいですね。キャラクターの数も原作の15匹から7匹に半減しているんですけど、アニメで描くにはそれくらいが適正ですからね。最初から最後まで一貫してノロイを目指して話が進んでいく構成でありつつも、山小屋での人間との交流など、毛色の異なるエピソードも適所に入っていて、それが作品世界にグッと広がりを与えていてすごいと思います。とにかくネタに困ったら『ガンバの冒険』を思い出す。僕にとってはそんな作品ですね。
②趣味や嗜好がハマった
『戦闘メカ ザブングル』
『ラブライブ!』や『響け!ユーフォニアム』といった青春ものから、『STEINS;GATE』のようなSF作品、オリジナルの『宇宙よりも遠い場所』など、幅広いジャンルで活躍する花田十輝が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の第2回は、型破りな展開とおふざけ路線が自身の趣味にハマった『戦闘メカ ザブングル』。
ネタとして語られがちだけど、設定と構成はかなり秀逸
――1982年放送のロボットアニメで、監督は富野由悠季さんです。
花田 小学生のときに『機動戦士ガンダム』を見て富野監督のファンになり、『伝説巨神イデオン』、そして本作と追いかけていました。正直、『機動戦士ガンダム』はもう神の域にあって、僕ら世代のアニメ関係者は誰であれ少なからず影響を受けていると思っているので、今回はあえてこちらを選びました。
――『戦闘メカ ザブングル(以下、ザブングル)』のどんなところが好きですか?
花田 端的に言うと、ふざけているところです(笑)。『ザブングル』って「掟破りの『ザブングル』」と言われていて、それまでのロボットアニメのお決まりを覆した作品なんですよね。それは第1話(「命をかけて生きてます」)から顕著で、主人公は主役機であるザブングルを強奪して自分のものにして、かと思えばすぐにもう1機同じ機体が登場するんです。「主役機がもう1機あるの?」っていう。当時の常識では考えられなかったんですが、でもよく考えてみたら1機しかないのがそもそもおかしくて、そりゃ2機くらいは作るよなとも思うんですよね。他にもいろいろな掟を破って新しいパターンを見せてくれたんですが、僕にはそれが面白く感じたんです。
――花田さんはおふざけが許容できて、かつ好みだったんですね。
花田 はい。これはロボットアニメファンの間でも賛否が分かれるところですが、否定する人の気持ちもわかるんです。終盤で人型に変形したアイアン・ギアーがありえないくらいの大ジャンプをするんですけど、そのときのセリフが「はっはっは、マンガだからね!」だったり(笑)。真摯に作品を追いかけてきた真面目なファンからすれば「さすがにそれはダメだろ」って思いますよね。でも、僕はそれを「面白いじゃん!」と思いながら見ていましたし、僕自身もそういうことをやりがちなんです(笑)。
――花田さん脚本での掟破りと言うと?
花田 たとえば、『ラブライブ!』のダイエット回(第2期第7話「なんとかしなきゃ!」)などは、スタッフからは「アイドル作品でダイエットの話はちょっと……」と反対されました。それでも「だからこそ面白いんじゃない!」って押し切れるのは、きっと『ザブングル』の掟破りへの憧れからな気がします。もっと言うと、僕のシナリオでビンタのシーンがけっこうあるのは富野監督作品で育ったことが大きいかもしれません。人って普通にビンタしたりされたりするものなんだと、幼少期に強く植え付けられちゃっていましたから(笑)。

――好きなキャラクターはいますか?
花田 ジロンの仇敵であるティンプですね。『ガンバの冒険』のノロイもそうですが、僕はわりと悪役が好きなんですよ。悪いことばかり考えて、人が苦しむのを見るが大好きな心の小さいキャラが大好きで。なので、最近の「じつは悪役にも最終的にいいところがあった」みたいになる風潮は好きじゃないですね。お前のこれまでの人生否定してどうするって(笑)。
――メカデザインなど、ロボットアニメとしてはいかがでしょうか?
花田 ロボットの操縦桿が車のハンドルだったりとか、面白いですよね(笑)。たとえば、『ガンダム』の世界だと、モビルスーツってすごい兵器感があるし、乗り手も選ぶじゃないですか。でも、ウォーカーマシンは基本的には誰でも乗れますよね。なにしろ操縦桿がハンドルですから(笑)。そういう意味で、この世界で描かれるロボットってどこか日常生活の延長線上にあって、あくまで道具の一種という感じがして、僕は大好きです。
――なるほど。あと本作は富野作品としては珍しくハッピーエンドで、ほとんど仲間が死なない作品ですよね。ドラマやシナリオはいかがでしたか?
花田 「意外と」と言うと失礼ですが(笑)、じつはお話的にもすごくよくできているなと思うんです。『ザブングル』の世界には、どんな重い罪でも3日間逃げ切れれば無罪放免になる「3日限りの掟」が存在するんですけど、じつはそのことって最初は視聴者に知らされていないんですよね。ジロンは両親の仇を1週間追い続けているんですけど、それを周囲の人に打ち明けると「1週間? そんなに追い続けてどうするのか」と大笑いされるんです。僕らはそこで「3日限りの掟」のことを知り、同時に主人公であるジロンに感情移入するわけです。笑われている主人公が正しくて、世界が間違っているという状況が一瞬にして生まれるんですよね。この構造はすごくよくできていて、こういうアプローチって最近のアニメではなかなかやれていないんじゃないかと思います。
――じつは彼らは人工的に作られた種族であったりと、SF設定もしっかりとしていますよね。
花田 そうですね。世界がディストピア的に管理されていたことがあとになってわかる設定もちゃんとしていましたし。ただ、なによりも好きだったのは、それが明らかになってからも「どんな世界でも生きちゃったもん勝ちだよ。楽しんじゃったもん勝ちだよ」という、「世界の謎の解明」より「明日の飯」というところで作品の主軸を貫いていく姿勢ですね。先ほどの「3日限りの掟」も、過去に囚われず今日を生きる人を描くのに必要な設定だったと思いますし。
――なかなかにテクニカルな構成と脚本ですよね。
花田 ギャグ要素が強いのでネタ的に見られがちな作品なんですけど、芯のストーリーはちゃんとしているんですよ。個人的にはもっと評価されていい作品なんじゃないかなと感じています。
③アニメの仕事がしたいと思った
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』
『ラブライブ!』や『響け!ユーフォニアム』といった青春ものから、『STEINS;GATE』のようなSF作品、オリジナルの『宇宙よりも遠い場所』など、幅広いジャンルで活躍する花田十輝が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の最終回は、アニメの仕事をしたいと思うほど強烈なインパクトを与えた、あの名作について。
SFと日常系の融合。セリフ回しにも憧れる
――1984年公開の押井守監督作品です。花田さんは当時中学生ですね。
花田 もともとTVシリーズを見ていて、純粋に「面白いギャグアニメ」として楽しんでいました。映画化されるという話を聞いたので興味を持ち、朝イチで映画館に行って見たんです。そしたらもう、ただただ圧倒されました。あまりの衝撃に、そのまま夜まで一日中繰り返し見ていました。当時の映画館は入れ替え制ではなかったので、それができたんですよね。
――どんなところに衝撃を受けたんですか?
花田 てっきりギャグアニメだと思っていたので、そのギャップもあったと思いますけど、なによりタイムリープの面白さですね。僕はそれまでタイムリープ作品に触れてこなかったので「同じ日が続くのってこんなにも面白いんだ」と衝撃を受けたんです。最近、ネットで「人は雛のように人生で最初に見たタイムリープ作品に一生ついていく」って書きこみがあって、なるほどなあと思ったんですけど、まさに自分にとってはこの作品がそれに当たります。将来はアニメの仕事がしたいなと思うようになったキッカケの作品でもあります。
――中学生のときにアニメ業界を目指したんですね。
花田 そうです。シナリオライターという職種を明確に意識したわけではないんですけど、とにかくアニメの仕事がしたいと思いました。この時代って押井さんはもちろん、宮崎駿さんや富野由悠季さんなどトップクリエイターの方々が代表作をガンガン発表していた時期じゃないですか。なので、いずれそういう方向に引き寄せられていくのは必然だったかもしれませんが、僕にとって直接のキッカケになったのはこの作品なんです。
――当時すでにクリエイターの名前を意識していたんですね。
花田 中学生の頃にはもう立派なアニメオタクでしたから。とくに当時の僕は押井フリークで、OVA『天使のたまご』(1985年)の上映会にも参加して、登壇した押井さんに質問を投げかけたりもしていました(笑)。
――では、押井作品でいちばん好きな映画ですか?
花田 シナリオとしてよくできているなと感じるのは『機動警察パトレイバー the Movie』(1988年公開)なんですけど、世界観だったり肌触りとして好きなのはやっぱりこちらですね。
――本作はタイムリープを利用したSF作品でありつつ、日常を描いた青春ドラマでもありますよね。そこはいかがでしたか?
花田 これは『ガンバの冒険』にも通じますが、やっぱり仲間内でバカなことをやっている時間というのがいちばん楽しくて、かけがえのないものなんだなっていう感覚はこの作品からもすごく味あわせてもらいました。その感覚はプロとなった今でも大切にしていて、『けいおん!』で1年生が留守番する話(第2期第5話)とか『ラブライブ!』でのライブの前に学校に泊まり込む話(第2期第12話)とか、「それだけで30分もつ?」という意見を打ち合わせのときに言われたりしたんですけど、そういうときに「もちます。なぜなら何も起きなくても楽しいから」と自信を持って返すことができるのは、この作品がそれを見事に証明しているからな気がします。

――そういう意味では、日常系作品の先駆けと言えるのかもしれませんね。
花田 意図的にそういう描写にこだわっているところもたくさんありますよね。たとえば、序盤にある給湯室での会話シーンとかは明らかですよね。三宅しのぶが「つまり、ある人がある人を気にして~」って延々と話すくだりは、視聴者側としてはセリフ内にたくさん出てくる「ある人」がそれぞれ誰のことを指しているのか、全部わかっているわけじゃないですか。でも、しのぶがラムに「これってわかる?」と聞くと、ラムはすかさず「全然わからんちゃ」って返す。セリフのダイアローグとして素晴らしいと思いますし、ひとりのシナリオライターとしても憧れちゃいますね。
――会話劇も素晴らしいですし、随所に理想の青春が詰まっていますよね。
花田 たしかに。中学生の僕はこれを見て「高校生活ってこんなに楽しいんだ!」って夢を抱きました。実際は、そんなにいい高校生活にはならなかったんですけど(笑)。文化祭の準備でみんなで夜更かしをして、コンビニで好きなだけ買い物してとか、もうそれだけでワクワクしますし、そういう共感を増幅させる描写というのは、次々と事件が巻き起こるお話に負けないくらいの魅力があると思わせてくれます。
――とくに印象深いシーンはありますか?
花田 本当にたくさんあるというか、むしろ名シーンしかないですよね。あたるの家でみんながご飯を食べるシーンや、あたるが水たまりに沈んでいくシーンはやっぱりすごく印象的です。あと冒頭で、セーラー服姿のラムが戦車の砲塔に現れるシーンもいいですね。作画の力の入れようが凄まじいですし、映画的な演出も手伝って「女の子をかわいく描く」というのはこういうことなんだなと勉強になります。一気に映画の世界に引き込む力があるシーンです。
――大人になってからもよく見返すのですか?
花田 見返しますね。『伝説巨神イデオン』と並んで、これまでにいちばん多く見た作品かもしれません。
――本作を見たいと思うのはどんなときですか?
花田 それはだいたい決まっていて、アイデアに詰まって絶望したときです(笑)。シナリオを書いていると「この世界には何にも面白いことなんかない」って凹む瞬間があるんですよ。アニメも面白くなければ、世界も面白くない。そんなときにこの作品を見ると「やっぱりアニメは面白いな。面白くできないのは自分が悪いからだ」と素直に思えるんですよね。僕は数え切れないほどこの作品に救われ、勇気をもらってきました。きっとこれからもお世話になると思います。
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