【生肉转载】Febri TALK系列——横谷昌宏

取材・文/岡本大介


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2022年1月31日~2月4日

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①初めてアニメにハマった

『魔法のプリンセス ミンキーモモ』

『ケロロ軍曹』『Re:ゼロから始める異世界生活』『トロピカル~ジュ!プリキュア』など、ギャグからシリアスまで幅広い作品を手がける脚本家・横谷昌宏が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の第1回は高校時代に出会い、初めてアニメにどハマりしたという『魔法のプリンセス ミンキーモモ』について。


「魔法少女もの」への思い入れの原点

――1本目は『魔法のプリンセス ミンキーモモ(以下、モモ)』です。これは1982年の第1作目、通称『空モモ』のほうですね。

横谷 そうです。高校生時代に見て思いっきりハマったアニメで、初めてスタッフのクレジットを意識した作品でもあります。


――アニメは昔から好きだったのですか?

横谷 完全にインドア派だったこともあって、子供の頃からアニメも特撮もマンガも映画もすべて好きだったのですが、アニメに関しては中学生になってからあまり見なくなり、しばらく離れていたんです。『空モモ』は、たまたまアニメ好きのクラスメイトに録画を頼まれたのが見るきっかけでした。


――どんなところにハマったのですか?

横谷 最初に録画した話数が「機械じかけのフェナリナーサ」(第19話)というエピソードで、とにかくモモがめちゃくちゃ可愛かったんですよ。それからいてもたってもいられずに『アニメージュ』や『アニメック』などのアニメ誌を買うようになり、気になった話数のクレジットを調べるようになっていきました。当時のアニメって、今よりも各話で作画スタッフの個性が出るじゃないですか。だから、そのうち「どうやら僕は上條修さんの描くモモが好きなんだな」とか「でも、動きはわたなべひろしさんのモモが好きだな」とか、アニメーターごとの特徴も意識するようになりました。


――『空モモ』をきっかけに美少女アニメというジャンルに目覚めた人は多いですよね。

横谷 そうなんですよ。僕自身、少女キャラに「萌え」を感じたのはそれが初めてでした。クラスメイトたちが『機動戦士ガンダム』に夢中になるなかで、僕だけは脇目も振らず『モモ』だけを追いかけていまし、その後もロボットものより魔法少女ものばかりをチェックしていました。そういう原体験があるので、じつは今でもロボットものってあまり明るくないんですよ。


――なるほど。ストーリーや世界観という点ではいかがでしたか?

横谷 最初こそモモの可愛さに惹かれたのですが、ほどなくしてシナリオの魅力にも気づきました。中でも「大いなる遺産」(第36話)は大好きで、これは金春智子(こんぱるともこ)さんの脚本なのですが、わたなべひろしさんのよく動く絵と相まって傑作回です。ファンの間でも評価が高いエピソードだと思いますが、同じように僕もどハマりしました。他にも首藤剛志さんが書いた「お願いサンタクロース」(第41話)も、心が温まる話ですごく印象的です。かと思えば、リアリストなのに童話が大好きなボーマン船長が登場する「ふるさと行きの宇宙船」(第30話)などは「こんなことを子供向け番組でやってもいいんだ!?」と衝撃を受けました。制作陣の真意はわかりませんが、「これ、明らかに大人に向けていますよね?」と感じたことをおぼえています。とにかく話数ごとにテイストがまったく違う。スタッフがやりたい放題に楽しんでいる感じが伝わってきて、そういうところにも虜(とりこ)になりました。

――脚本家の個性が発揮された作品ですよね。

横谷 そうですね。第一部のラストで、主人公であるモモが交通事故で死ぬという展開も、今ではまずありえないですよね(笑)。


――あれは衝撃的でした。

横谷 僕は『ウルトラマン』シリーズなどの特撮系もずっと好きなのですが、あれも基本的には一話完結ですよね。いろいろな脚本家の方が参加して、それぞれの個性を存分に発揮するスタイルの作品が大好きなんですが、『モモ』もまさにそんな作品でしたね。


――高校生の当時は、将来脚本家になりたいという気持ちはあったのですか?

横谷 「脚本家」という職業にはまだピンときていなかったのですが、アニメに限らず小説家だったり映画監督だったり、何かしら物語を作る人にはなりたいなと思っていました。マンガ家になることも考えていましたね。


――ここでアニメに目覚めたことが、現在放送中の『トロピカル~ジュ!プリキュア』などにもつながっているのかもしれませんね。

横谷 そうですね。『モモ』を出発点として、魔法少女ものには愛着がありますから。とくに『プリキュア』シリーズは1年間続くので、最後にはキャラクターにかなり情が移ってしまって。最終話付近では日常会話を書いているだけでも泣けてきたくらいです(笑)。


――大人になってから『空モモ』を見返すことはありますか?

横谷 それが、見ていないんです。青春時代に見て衝撃を受けたものってかなり美化されていて、大人になって見ると「こんなんだっけ?」と思うことも多いじゃないですか。だから思い出は美しいまましまっておこうと思って、いまだに見返していません。ただ、この業界に入ってから、金春さんやわたなべさんとお仕事をご一緒する機会があり、そのときは本当に舞い上がって「『モモ』、大好きです!」と思いの丈を語りました(笑)。さらに首藤剛志さんの追悼イベントでおふた方に挟まれて首藤さんの作品を鑑賞できたときは本当に感慨深かったです。高校時代の自分に教えてあげたらめちゃくちゃ驚いただろうなと思います。


②アニメ脚本家への転機となった

『カスミン』

『ケロロ軍曹』『Re:ゼロから始める異世界生活』『トロピカル~ジュ!プリキュア』など、ギャグからシリアスまで幅広い作品を手がける脚本家・横谷昌宏が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の第2回は、実写からアニメへと路線を転向するきっかけとなった『カスミン』。


「こういう脚本が書きたかったんだ」と心から楽しめた

――2本目は『カスミン』の第3期です。こちらは横谷さんが脚本で参加している作品ですね。

横谷 これは内容も面白いんですけど、個人的に転機になった作品として印象深いので選ばせてもらいました。


――横谷さんが脚本家としてデビューしたのは1996年の『怪盗セイント・テール』ですよね。『カスミン』に参加したのは2003年ですから、デビュー7年目というタイミングですね。

横谷 じつは『怪盗セイント・テール』以降、アニメの仕事はほとんどやっていなくて、当時は実写のドラマや映画の仕事がメインだったんです。ただ、映画の仕事は本当に大変で、企画がなかなか通らないうえに、通ったとしても今度はその支払いがいつになるかまったくわからない。なんとか食べられてはいたのですが、あまりに不安定で、このままではヤバいなと感じていました。そんななか、久しぶりに誘われたアニメの仕事が『カスミン』だったんです。1本目に挙げた『魔法のプリンセス ミンキーモモ』と同じく、それぞれの話数で脚本家が好きなことができるタイプの作品で、それはもう楽しかったのをおぼえています。


――全26話中、横谷さんは6話を担当しています。とくに印象深いエピソードはありますか?

横谷 どれも楽しく書かせてもらったのですが、あえて挙げるなら第10話の「カスミ、飛ぶ」ですかね。飛行機のお客さんが全員、白物家電というシチュエーションなんですけど、そこで「お客さまの中にお医者さんはいませんか?」というアナウンスが流れると、「はい」と言って洗濯機がスッと立ち上がる、みたいな話で(笑)。


――なかなかシュールですね。

横谷 僕は浦沢義雄さんの脚本が好きなんですよ。浦沢さんのお話には無生物が活躍するエピソードが多いんですよね。東映不思議コメディーシリーズの『ペットントン』という作品で、チャーハンとシューマイが駆け落ちする「横浜チャーハン物語」とか、いい意味で突拍子もないなと思っていました(笑)。だから、この話は完全に浦沢義雄さんリスペクトとして書いたのですが、とにかく書いていて気持ちが良かったです。それまでは脚本家としてやっていくことにいまいち自信を持てなかった部分もあったのですが、『カスミン』で初めて「僕はずっとこういうのが書きたかったんだな」と実感したんです。第3期はパッケージが販売されていなくて視聴する手段がないのが残念なのですが、もし今後配信される機会などがあれば、ぜひ見ていただきたいです。


――横谷さんは物語を緻密に構成するタイプの脚本家という印象があったのですが、実際ははっちゃけた作品が好きなんですね。

横谷 好きですね。もちろん、僕が好きなように書けたのは世界観やキャラクターの強度がしっかりとしていたからこそですし、なによりシリーズ構成の吉田玲子さんやメインライターの池田眞美子さんが締めるところをちゃんと締めてくれたおかげなんですけど、その脇で自由に遊べた『カスミン』は本当に楽しかったです。

――横谷さんも今ではシリーズ構成を務めることが多いですが、各話ライターとして思いっきり遊べる機会というのはあるのですか?

横谷 機会は減りましたけど、ちょうど現在放送されている『ミュークルドリーミー』はまさにそれですね。シリーズ構成の金杉弘子さんがメイン回を担当されていて、僕には自由にできる話数を振ってくれるので、めちゃくちゃ楽しく書かせてもらっています。金杉さんには感謝しかないです。


――そう言えば『ミュークルドリーミー』でも「恐怖のプチトマトマン」(第17話)でプチトマトを擬人化させていますよね。

横谷 僕自身、そんなに引き出しは多くないですし、好きなパターンというのもだいたい決まっているんですよね。だから小ネタと小ネタを組み合わせたり、工夫しながら書いています。ただ、過去に自分が書いたものを読み返すと、「今はとてもできないな」と思うことも多いですね。


――どうしてですか?

横谷 今では「これをやったらきっと怒られるよな」というセンサーが無意識に働いてセーブしちゃうんですよ。でも、当時は怖いもの知らずで「面白ければいいだろう!」と突っ走っているので、振り返ると危ないことをやっていたなと思います。


――なるほど。冒頭で『カスミン』が転機になったとのことでしたが、具体的にはどのように状況が変わっていったのですか?

横谷 『カスミン』をきっかけに、ようやく仕事が安定し始めました。それは『カスミン』でご一緒した方が、また別の作品で呼んでくださったのが大きいんです。とくに池田眞美子さんには『デ・ジ・キャラットにょ』や『おじゃる丸』『ケロロ軍曹』などたくさんの作品で本当にお世話になりましたし、そのどれもが本当に楽しかったです。あの4~5年間というのは、脚本家人生においていちばん楽しかった時期かもしれません。


――それまで実写の世界でなかなか先が見えなかったことを思うと、その変化は大きいですね。

横谷 そうなんですよ。気づけば毎週のように何かの打ち合わせがあって、脚本家として仕事をするってこういうことなんだなと(笑)。今の自分があるのは『カスミン』で再びアニメ業界に呼んでもらえたからだと思っているので、やっぱり忘れられない作品です。


③「王道」に初めて挑んだ

『Free!』

『ケロロ軍曹』『Re:ゼロから始める異世界生活』『トロピカル~ジュ!プリキュア』など、ギャグからシリアスまで幅広い作品を手がける脚本家・横谷昌宏が選ぶアニメ3選。インタビュー連載の最終回は、初めて“王道路線”に挑戦し、脚本家として大きく成長したと語る『Free!』。


男の子同士のドラマの面白さ

――3本目はシリーズ構成を務めた『Free!』です。横谷さんの代表作のひとつですね。

横谷 そうですね。当時は『ケロロ軍曹』のシリーズ構成を担当して7年くらいで、平行していろいろな原作ものの脚本を書かせてもらっていました。だから仕事的には安定していたんですけど、どこかでちょっとマンネリ化を感じていて、そろそろオリジナル作品にも挑戦したいという気持ちがあったんです。そんなときに京都アニメーションさんから声をかけていただいたのが『Free!』でした。


――『Free!』は原案にあたる小説(『ハイ☆スピード!』)はあれど、アニメ本編はオリジナルストーリーですよね。

横谷 そうなんです。キャラクターと世界観はある程度決まっていましたが、それ以外はイチから作り上げる必要があって、最初は僕にできるかなと躊躇(ちゅうちょ)したのですが、でもやってみようと。


――最初は迷ったんですね。

横谷 男の子のリアルな青春ドラマって、それまでほとんどやったことがなかったんですよ。加えて僕自身は完全なインドア派でスポーツも苦手ですし(笑)。そんな僕が果たしてキラキラした青春やスポーツの厳しい世界を書くことができるのだろうかと、やっぱりちょっと悩みましたね。でも、よくよく話をうかがうと、描きたいのはガチのスポーツ描写ではなく、あくまで青春ドラマだということだったので、それならできるかも、と思ったんです。


――『Free!』は多くの視聴者の心をつかみ、大ヒット作となりました。当時、横谷さんの中での手応えはいかがでしたか?

横谷 自分にもこういう話が書けるんだなと、少し意外でしたね。というのも、僕は王道の少年マンガ的な作品ってあまり好きではないんですよ。それよりもちょっとひねくれていたり、隙間を突くようなお話が好きで、それまで書いてきた脚本もそういったものばかりだったんです。ある意味では「王道」から逃げていたんですね。でも『Free!』では監督の内海紘子さんからも「ここは逃げちゃダメです、主人公たちがしっかり向き合うところをみんな見たいんです」と言われたりして、やっぱりそうか……と。


――覚悟を決めたわけですね。

横谷 はい。覚悟を決めて「王道」と初めて向き合いました。SFやファンタジー、ギャグの力を借りずに青春ドラマにのみガッツリ向き合うのは初めてだったので、とても勉強になりました。作品が成功したのは京都アニメーションさんの作画や演出の力があってのことですが、こんな僕でも多くの人に受け入れられるドラマを作れるんだという自信につながりました。


――結果的にはTVアニメ3期に劇場版5作という壮大なシリーズに成長しました。

横谷 続編作りはけっこう苦労しましたね。第1期って、受け入れられるかどうかもわからないのでかなり自由に、みんながやりたいことを詰め込めるんですけど、一度受け入れられたものの続きとなると、またいろいろと考えちゃうんですよね。さらに舞台が大学ともなれば、スポーツ描写もどんどんと本格的にならざるを得ないですし。「世界大会を目指す」と言っている以上、ただわちゃわちゃしているわけにはいかないですから(笑)。そういうこともあって、とくに第3期はかなり苦労した記憶がありますが、それも含めていい経験になったなと思っています。

――個人的に好きなキャラクターはいますか?

横谷 やっぱり七瀬遙がいちばん好きですね。あまりしゃべらないので脚本を書く側としては動かしにくいキャラクターではあるのですが……なぜか好きなんですよね。根っこの部分でいちばん自分に近いキャラクターだからなのかな。それで言うと、『Free!』を書いたことで男の子同士のお話の面白さに目覚めた感じはあります。男の子同士の関係性というか、いわゆるブロマンスが大好きになりました。


――それは思わぬ発見ですね(笑)。

横谷 脚本を作っているうちに、男の子のお話って、女の子のお話より書きやすいことに気づいたんです。男性が書く女の子の話って、どうしても男性から見た理想やファンタジーが入ってしまいますから、そこが照れくさかったり恥ずかしくてちょっと抵抗があったりもするのですが、男の子のお話を男の自分が書く場合は、わりきったうえで書けるので、気持ち的にすごく書きやすいんですよね。


――なるほど。いろいろな意味で横谷さんが大きく成長した作品なんですね。

横谷 そうですね。僕はどちらかと言うとプロットありきでお話を転がしていくタイプなのですが、キャラクター主導で物語を動かすのがいちばん面白いんだなとあらためて感じました。いまだに一人前のシナリオ論を語れるほどの力量はないですが、なんとなくそれが真髄なんだろうなと思う部分はありますね。


――今後、挑戦してみたい作品はありますか?

横谷 子供の頃から特撮が大好きなので、いつか『ウルトラマン』シリーズを書いてみたいですね。そして、これは本当に真面目に思っているのですが、いつかは浦沢義雄さんのポジションに立つのが夢です。よろしくお願いします!






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