【生肉转载】Febri特辑系列——《上伊那牡丹,酒醉身姿似百合花般》制作团队接力访谈⑥&⑦:编剧团队米内山阳子x白坂英晃x篠塚智子

取材・文/太田祥暉(oriminart)


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2026年5月19日

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放送が折り返しを過ぎた『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花(以下、上伊那ぼたん)』のメインスタッフによるリレーインタビュー。第6回は、シナリオを手がける米内山陽子、白坂英晃、篠塚智子の3人による座談会をお届けする。ひと筋縄ではいかない原作をいかにアニメのシナリオに落とし込んだのか、その舞台裏を聞いた。


「心の機微を書く」がチームの指針に

――米内山さんは、『mono』に続いてソワネ作品を手がけることになりましたが、どういった流れで参加することになったのでしょうか?

米内山 まさにその『mono』を制作中にソワネさんとアニプレックスさんからお声がけいただいたんです。いざ原作マンガを読んでみると、関係性によって物語を牽引していくところが肝であると感じて。これはシナリオを書くのもひと筋縄ではいかないな、とハードルの高さを感じましたね。

白坂 米内山さんからお話をいただいて原作マンガを拝読したとき、面白いことは前提として、とてつもない難易度の高さを感じましたね。かなり繊細な雰囲気を汲み取らなければ、原作マンガの雰囲気を再現することができないなと。

篠塚 少しアート寄りの雰囲気も感じ、完成した映像の想像ができなかったんですよね。ただ、米内山さんが「心の機微を書いてほしい」と指針を示してくださったことで、突破口が開けた気がしました。私は下戸なので、ついていけるかなと不安を感じていたんですけど、それなら大丈夫だなと心強く思いました。

――原作もストーリーが進むにつれて、キャラクターの表情、セリフの持つ言外の意味の重要度が増していきますが、そういった点がシナリオを執筆するうえで肝となったのですね。

米内山 ぼたんといぶきをはじめ、彼女たちの関係性は断定すると壊れてしまうようにも感じたので、いろいろなニュアンスを感じられるシナリオにしていきたいと考えていましたね。なので、私と白坂さん、篠塚さんとですり合わせつつ、解釈の幅をいくつか用意できるシナリオにしていくことを第一に考えました。

白坂 舞台を作るときには、役者さんとセリフの解釈について話し合うことがよくあるんです。セリフに込められた感情を表すために、どういった仕草を取るべきか。舞台の場合、脚本・演出・役者が稽古場で直にディスカッションをして作り上げることができます。ところがアニメの場合、自分たちの作業の先にも何人ものスタッフが関わります。なので、シナリオにさまざまな可能性を込めることが大事だと考えたんです。

――2024年春に米内山さんと塀先生が顔合わせをした際に、シリーズ構成案を作成していたそうですね。その際に意識していたことを聞かせてください。

米内山 各話のうねりも大事ですが、TVシリーズですから、キャラクターの「感情ライン」が一辺倒にならないように意識しました。そのために、あらかじめ原作を読み込んで、寮生の6人が各話でどのような感情を抱いているのか、グラフも作成しています。そして原作のある地点までを描くと仮定して、全12話のシリーズ構成を作成しました。

白坂 その表があったからこそ、各話のシナリオにとりかかる際に「ここで誰がどんな感情を抱いていたのか」といったことを確認しながら作業することができたんです。とても重要な指針になりました。

米内山 また、序盤のエピソードでは、塀先生ご自身も作品の方向性を決めあぐねていたそうなんです。そこで、シナリオでは中盤以降のエピソードに合わせてキャラクター感を調整しています。ただ、ぼたんに関しては、第1話時点では寮に入りたてで浮き足立っている部分もあるはずで、そこをオミットしてテンション感を統一してしまうのも何か違うなと。『上伊那ぼたん』は、ぼたんがだんだんと自分の求める何かを発見していき、「核」を築いていくお話でもあると感じていたので、うまいさじ加減を目指して調整しました。

――アニメのストーリーは、基本的には原作のエピソード順に沿って展開しますが、第2話は少しだけ順序が異なっています。

米内山 原作通りに描くと、ぼたんといぶきがピアスを取り置きするエピソードは第2話の中盤くらいに入るはずなんです。ただ、この出来事の前と後でふたりの距離感が大きく変わるので、なるべく印象に残るように描きたい。そこで塀先生にも確認したうえで、第2話のラストに配置することにしました。


キャラクターの感情を「確定させない」ことを意識した

――皆さんがそれぞれ、本作のシナリオ執筆時に立てていた指針はどんなものでしたか?

米内山 いかにト書きの湿度を上げられるか、ですね。たとえば、原作に風が吹いているコマが描かれていたとして、他の作品であれば「風が葉を揺らしている」くらいにしか書かないと思うんですよ。でも、『上伊那ぼたん』ではどんな風に葉が揺れているのか、木漏れ日は見えているのか、葉はどんな色をしているのか、陽を反射して光っているのかまでニュアンスを汲み取らないと、原作を読んでいる際に感じた思いが再現できないと考えていたんです。また、いつもはサラッと書かれているト書きが何行にもわたっていれば、絵コンテを切る方も情景で魅せてくださるはずですから、テンポコントロールの意味もありました。

白坂 米内山さんがその方向性で第1~2話を突っ走ってくださったので、とても参考になりました。それを踏まえて、自分は緩急を意識してシナリオを書いていましたね。キャラクターのかけ合いが中心のパートはト書きがあまりないんですけど、ヤマ場となるシーンになるといきなり7〜8行書く、といった具合でテンポ感を重視していた記憶があります。

篠塚 私も同じく丁寧に描写を拾うことを心がけましたが、加えるならば、他のスタッフさんの反応を見て描写を膨らませていくことです。本読みは修正したい箇所に関する指摘が大半ではあるのですが、スタッフの皆さんが読み進めながらよかった点に反応を示してくださって。それを受けて「この描写は大事にしたい」と考えながらシナリオにトライすることができましたし、前向きに書き続けることもできて、とても助かりました。

――ぼたんやいぶきをはじめ、キャラクターたちの関係性をシナリオに反映するにあたって、気をつけたことは何でしょう?

米内山 先ほど触れた話にも通じますが、彼女たちの感情をはっきりと確定させないことを意識しました。なんとなくここで惹かれ始めたんだろうな、ということはわかるけれど、断定するような描き方は原作でもされていません。また、私たちも他人のことをどう思っているか、その日によって変わりますよね。シチュエーションや雰囲気、接し方などによって気分が上下しますから。

篠塚 簡単にラベリングしない、ということですよね。「ぼたんといぶきだからこう」なんてことは考えず、その場面ごとにどう描くべきかを考えていた気がします。


――そうなるとチームでシナリオを担当している都合上、たとえば、ぼたんといぶきの関係性において、ライターごとに少しニュアンスが異なる……なんてこともあったのでは?

米内山 そこはもうすり合わせるしかないですね。すり合わせをしながら、相手の思いをうかがい知ろうとしつつ、自分の気持ちをしっかりと持っている彼女たちの様子を描くことに注意を払っていました。

『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花(以下、上伊那ぼたん)』のメインスタッフによるリレーインタビューの第7回は、シナリオチーム座談会の後編。これまでに放送されたエピソードを振り返りながら、執筆時に意識した点や、お互いのシナリオに対する印象について語り合ってもらった。


ロケハン写真に想像を膨らませてもらった第3話

――このインタビューの公開時点では第7話までの放送が終了していますので、第7話までの各話のシナリオを執筆するうえで意識したポイントを聞かせてください。まず第1話は、ぼたんが飲酒中のいぶきを目撃し、関係性が変わり始めるきっかけのエピソードです。

米内山 ぼたんがいぶきと出会うことと、ぼたんが初めてお酒を飲むことを大きな事件にしなくてはならないエピソードですね。言葉ではっきり表すわけではないけれど、このふたりが近づいていくお話なのだと視聴者の皆さんに感じてもらえるような雰囲気を醸すことを課題として考えていました。女子大学生がお酒を楽しく飲んでいるな、この子たちが仲よくなるといいな、でも何かありそうだな……と感じられるラインを意識しました。

――米内山さんが続けて担当した第2話でのぼたんと郡上先輩の飲酒シーンもそうですが、お酒を飲むシーンの解像度が高いように感じました。

米内山 第1話ではハイボールを飲むシーンがありますが、口に含んで喉を通っていく瞬間の炭酸が弾ける様子やグラスを傾けた際の氷の動きの気持ちよさをしっかりと描こうと考えていたんです。そこが解像度の高さにつながったのかもしれません。郡上先輩の喫煙シーンも同様ですね。タバコというアイテムは息を深く吸って吐くものですから、深呼吸をして会話のトーンを変えたいシーンにとても向いているんです。


――座談会の前編では、ピアスを取り置くエピソードを立てることを意識したとのことでしたね。

米内山 原作からストーリーの順番を変えたので、キャラクター同士が向け合う感情ラインが正しく積まれているのか、厳密にチェックしながら書いていました。『上伊那ぼたん』は感情ラインの積み方が繊細な作品なので、お話の順番を変えるとキャラクターの関係性が変わる側面もあります。そこを注意しながら書きました。

――続く第3話は、白坂さんの担当回。貸切温泉に向かうぼたんといぶきの姿が描かれました。

白坂 ぼたんといぶきの関係性が大きく動くエピソードだと考えていたので、温泉でのゴールに向けてきちんと段階を踏んでいくことを意識していました。でも、その道中もまだ探り探りなんですよね。一直線にゴールへは向かわないんです。なので、それまでどんな感情になっているのか、風景描写も使いながら詳しく書いていきました。貸切温泉についてはソワネさんがロケハンの写真を用意してくださったので、ここなら開放感も手伝ってこんなことも言葉にしちゃうかな、と想像しながら描写していた記憶があります。Cパートは、郡上先輩に感情移入しながら楽しく書かせていただきました。


気遣いから誰も触れていなかった部分に切り込むジンラン

――第4話では名前呼びになった変化も描きつつ、川越でマニキュアを塗りあうぼたんといぶきの姿が印象的でした。

篠塚 第3話まででキャラクター同士の関係性がわかってきたと思うので、あらためてそれぞれのくすぶっている思いをちゃんと印象付けたいなと。そう思いながら、冒頭で郡上先輩がマニュアル車の運転手に志願してすぐにエンストしてしまう展開を書いていました。また、川越に出かけるエピソードは原作を読んだときから初夏の空気感が色濃いエピソードだと感じていたんです。気だるい湿気がまとわりつく中、足湯に入ってひんやりしたビールを飲むという、想像するに気持ちのいい瞬間を意識して書きました。

米内山 マニキュアを塗りあったあとのシーンのト書きも良かったんです。「いぶきがぼたんの視線の先を探ると、そこにはオレンジからピンクに混ざったようなグラデーションの空模様がある」とあって……。

篠塚 この作品はささやかな小道具が効いてくるので、マニキュアと空を対比させて印象深く描きたかったんです。

――第5話では、いぶきが人前でお酒を飲みたがらない理由に少し触れました。

篠塚 この回のシナリオを書く前に、米内山さんがバーに連れて行ってくださったんです。バーテンダーさんがお酒を作ったり、グラスを差し出してくださったりする所作を間近で見たことはかなり参考になりました。また、トラウマを思い出すことに連動して、バーに入ってきたお客さんとの距離感やわずらわしさは繊細に扱うように注意しましたね。


――第6話は張景嵐(チャン・ジンラン)の初登場回ですが、米内山さんの担当でした。

米内山 ジンランはいろいろなことを暴いていく子なんですよ。相手を気遣う優しさから、今まで誰も触れなかったところにも切り込んでいくんです。少しヒヤヒヤしますけどね(笑)。第5話でいぶきのトラウマが少し開示されましたが、そこにジンランが入ることで、ぼたんといぶきの関係もさらに振り回されていきます。いぶきはジンランの前でお酒が飲めたので、一歩進むことには成功しましたが、単純に喜びだけでは済まない感情にさいなまれていたはず。そこから民泊で飲み直した際にこそ、ぼたんといぶきの関係性が深まるヒントがあるように感じていたので、大事に書いていました。

――そして第7話では、武甲山への登山における少し不思議なエピソードのAパートと、さまざまな場所へ行くBパートが描かれました。

白坂 第7話では露骨に見えるかなと思いつつも、ぼたんといぶき、郡上先輩とジンランとの間でぐるぐるしているそれぞれの思いを逃げずに書くことを課題にしていました。Aパートでの不思議な体験をしたことで、いぶきはぼたんのことを理解したいという気持ちになったのではないだろうか、と考えていた記憶があります。また、郡上先輩がぐるぐると気持ちを抱き続けていた結果が、最後の「お風呂が沸きました」です。郡上先輩の心情がアナウンスと重なるように気持ちを込めて書いていました。


「ここまで書いていいんだ」と驚いた第1話、第2話のシナリオ

――現時点の最新話までを振り返ってもらいましたが、作業中にお互いのシナリオを読んだ感想も聞いてみたいです。

米内山 おふたりとも信頼しているので、上がってくるシナリオが本当に楽しみでした。正直な方々ですから、ここが好きなんだなとか、ここが書きたかったんだな、というポイントがしっかり意思表示されているのも面白かったですね。そのうえで、白坂くんはとてもクレバーなシナリオを書く人だと感じています。抑えきれない「萌え」が漏れ出てはいますけど(笑)。一方で、篠塚さんは湿度のあるポイントを俯瞰している印象です。しっかり湿度を感じられるけれど、きちんとコントロールした内容になっている点が素晴らしかったです。

白坂 間違いなく「萌え」は漏れ出ていますね(笑)。でも、それは『上伊那ぼたん』の現場が「こんな要素も入れてみたんですけど……」と提案しやすかったから、という理由もあります。その反応次第で残すか消すかは決めていました。

――白坂さんは米内山さんと篠塚さんのシナリオをどのように捉えていますか?

白坂 米内山さんの第1話と第2話は「シナリオでここまで書いていいんだ」と驚くほどまるで小説のように詳細に書かれていて。それがベースとして存在したからこそ、第3話をはじめ、自分が担当した各話シナリオを書けたと思っています。篠塚さんのシナリオも、僕なら絶対に書かない場所にカメラを配置していて、衝撃を受けましたね。


――文字情報であるシナリオにおける「カメラの位置」というのは?

白坂 セリフとキャラクターの仕草は、どの視点で見るかによって描き方が変わるんですよ。基本的には第三者視点の俯瞰ではあるんですけど、篠塚さんは意外なところにカメラを配置することがあって。

篠塚 完成系となる映像が想像できなかったからこそ、どういう距離感なのか、どういったアングルなのかと妄想した結果、そうなったんだと思います。シナリオ執筆と同時期に美術設定やロケハンの資料も上がってきましたが、そこからもいろいろな要素を参考にしつつ、シナリオに反映していきました。

――篠塚さんは、米内山さんと白坂さんのシナリオについていかがでしたか?

篠塚 おこがましい感想ではありますが、おふたりとも「人」をちゃんと書ける方なんですよ。滑らかに感情が伝わる書き方をされているので、とてもシナリオが読みやすかったです。ここでこのキャラクターたちを近づけたいんだな、とひと目でわかるようなシナリオになっていました。とくに米内山さんが書かれた第1話は、どこから覗いている視点なのか詳細に書かれていて、勉強になりましたね。

米内山 お酒を飲む行為のどこにフォーカスして、どれくらいの間を使って描くのかを意識していたんですよね。通常の間尺であれば5秒で飲むとしても、気持ちが動くお酒の飲み方であれば、もっと尺が必要なはずです。ぼたんもいぶきのお酒を飲む様子に目を奪われたかもしれない……と解釈できたらいいなと思いながら、第1話のシナリオを書いていました。

――第8話以降のストーリーも楽しみです。

米内山 いろいろとお話はしましたが、お酒を扱っている作品ですから、お酒を片手にぼんやりと眺めてくださるだけでも楽しめると思います(笑)。いろいろなシチュエーションに寄り添ってくれる作品になったと思うので、皆さんがどのシーンを好きになられたのか、ぜひ教えていただきたいです!

白坂 ここから先のお話は濁流に飲まれていくような印象もありますが、ぜひ劇中に登場したお酒と一緒に『上伊那ぼたん』の世界に浸っていただきたいですね。

篠塚 ぼたんといぶき、あかねとやえか、郡上先輩とジンランだけではなく、いろいろな関係性が垣間見える作品だと思うんです。たぶん、見返したときには新たな発見があるはずです。これから物語は大きなうねりを見せていきますが、それまでにぜひ再視聴していただけるとうれしいです! 第10話では塀先生とご相談しながら書いたオリジナルストーリーも描かれますので、お楽しみに。






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