【生肉转载】Febri TALK系列——大塚隆史

取材・文/前田 久


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2021年9月13日~17日

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①アニメの仕事を意識した

『もののけ姫』

『スマイルプリキュア!』や『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』など、エンタメの「王道」を行く作品づくりで知られる大塚隆史。その原点を探る全3回のインタビュー。初回は宮崎駿監督のアニメ『もののけ姫』をセレクト。だが、大塚が影響を受けたのは作品そのものではなく……。


人生で初めて能動的に、自分から何かをしようと考えて動くことができた

――今回、3作品を選んでいただきましたが、1作目は『もののけ姫』です。宮崎駿監督の代表作ですね。ただ、本編よりも『「もののけ姫」はこうして生まれた。』という制作の裏側を追ったドキュメンタリー作品の影響が大きいのだとか。

大塚 そうなんです。『もののけ姫』そのものだったら、アニメの監督としてわかりやすいセレクトだったかもしれませんね(笑)。僕は今でこそアニメの仕事に従事していますが、昔からアニメが大好きだったというわけではありませんでした。人並みに好きというくらいだったと思います。良くも悪くもアニメオタクではなかったんです。専門学校時代も、アニメの制作会社に入ってからも、濃いアニメ談義にはついていけなくて困りました(笑)。残りの2本も、この連載企画でほかの人たちが挙げているような作品とはちょっと違ったテイストのものを選んでいるので、企画の趣旨と違っていたら申しわけありません。


――そんなことはないですよ。興味深いセレクトで理由が気になります。さっそく順を追って聞かせてください。『「もののけ姫」はこうして生まれた。』からは、どんな影響を受けたのですか?

大塚 このドキュメンタリーを見たことが、僕がアニメの仕事を志すきっかけになりました。もともとは、弟が『もののけ姫』をすごく好きだったんです。毎週末映画館に通って、当時の映画館は入れ替え制ではなかったから、朝イチの回から最後までずっと席に座って見ていたくらい。


――それはすごい。

大塚 その弟があるとき、『「もののけ姫」はこうして生まれた。』を買ってきたんです。VHS3巻セットで1万円くらいする、学生には高価な代物で驚きましたね(笑)。それで、僕もなんとなく一緒に見ていたんですけど、その中で近藤喜文さんが試験官をやるアニメーターの原画試験のシーンがあって。


――それに合格すると動画マンから原画マンになれる試験で、最終的に誰も受からない。

大塚 ええ。そのビデオでアニメの制作過程をいろいろ見て、「原画」という仕事があることを知った。僕は子供の頃から絵を描くのは好きだったんですけど、それを仕事にするイメージはとくになかったんです。画家になりたいわけでもなかったし、描きたいストーリーがあるわけでもないからマンガ家も違う。そうした仕事に就くための才能も、欲もないと思っていたんです。というか、考えたことがなかった。でも、その原画試験の映像を見たときに「動きを描く」みたいな仕事があることを初めて知って、興味を持ちました。それでアニメの仕事に就くためにはどうしたらいいのかを調べ始めました。高3の初夏だったかな。高校の進路指導室に行って大学のパンフレットを調べても該当する学科がなく、専門学校にそれらしいのを見つけて、体験入学に行ってみました。自分の進路について初めて能動的に行動した瞬間でしたね。

――体験入学では何をやったのでしょう?

大塚 自分で連続した絵を描いて、それをアクションレコーダーという専用の機材で撮影するんです。そうすると画面に自分で描いた絵が動いて映し出されて、それにとにかく感動して「これがしたい」と思いました。職業としてはあまり意識していなくて、ただやりたいなと思ったんです。


――『「もののけ姫」はこうして生まれた。』は6時間ほどある長い作品ですが、印象に残っているのは、原画試験のシーンだけですか?

大塚 そうですね。ほかのシーンにはとくに関心は持ちませんでした。僕自身、絵を描くのは好きでしたけど、特別に絵がうまかったわけでもないし、訓練していたわけでもない。だけど原画試験のシーンを見て、不思議と「俺ならできる!」と思ってしまった。完全にアホですね(笑)。でも、とにかくそう思ってしまった。そういうある意味、自分の中の何かが反応する瞬間というのが才能……というか人の向き・不向きがわかる瞬間なのかもしれません。根拠のない自信が湧いて、対象に興味が持てて、やってみたいと思えること。それが生き方を決めるときに大事なんじゃないのかなと今は思いますね。


――クリエイティブの始まりには、そうした不思議な感覚が大事なのかもしれませんね。

大塚 もちろん、それだけではダメで、そこからいろいろ勉強していくことが大事なんですけどね。でも、始まりはそういう「根拠のない自信」や「なんとなく好き」という気持ちが大事なのかなと思います。どちらも手に入れようと思って手に入れられるものではなく、身体の中から反応するものだと思うので、そういった感覚を見落とさないことが大切かもしれません。


②「演出」の力を意識した

『も~っと!おジャ魔女どれみ』

『スマイルプリキュア!』や『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』など、エンタメの「王道」を行く作品づくりで知られる大塚隆史。その原点を探るインタビュー連載の2回目は、東映アニメーションの門を叩くきっかけになったアニメ『おジャ魔女どれみ』について。


初めて「この人のような映像を作ってみたい」と強く思えた

――2作目に挙げていただいたのは『も~っと!おジャ魔女どれみ(以下、どれみ)』の第20話「はじめて会うクラスメイト」です。これはいつ頃、見たんですか?

大塚 僕が関西にいた20歳の頃に、たまたまテレビで見ました。さきほどお話しした通り、僕はアニメにさほど詳しくなかったので、今放送しているアニメ作品くらいはひと通り見ておこうと思い、『も~っと!おジャ魔女どれみ』もそんな中のひとつでした。とはいえ、当時の僕は「大人の鑑賞に耐え得るアニメ作品こそが真のアニメーション作品だ!」などとカッコつけていたので、子供向け作品を「お子様の見るものだ」と小馬鹿にしていたんですね。そんな中、偶然見た『どれみ』のお話は不登校の女の子のお話でした。僕は自分が不登校だったわけではないものの、そういった問題が簡単に解決できるものではないことくらいは理解していました。だからテレビアニメ1話分、たかだか20分のお話の中で、不登校児の悩みや問題を解決できるわけがない、もし、解決して元気に登校する終わり方だったらウソだなと(笑)。


――シビアですが、もっともな目線です。

大塚 そうしたら、まさかの展開で。不登校の子がどれみのおかげで学校に行こうとするところまでは予想通りだったんですけど、結局、最後は学校に行けず、問題を解決せずにお話が終わってしまう。「こんなことって子供向けアニメであるのか!?」「そんなものを作っていいのか!? 作れるのか!?」と衝撃を受けました。そこから毎週、『どれみ』の放送を追いかけ始めて、するとその話数だけじゃなく『どれみ』という作品自体がいかにすごいかがわかってきた。そのすごさは佐藤順一さんの存在に由来していることも。そして、佐藤さんと五十嵐卓哉さん、このふたりの関わった回はスゴいと気がついて、そこからアニメの「演出」という仕事に興味を持った。僕はどういうわけか「脚本」や「作画」にそこまで関心がいかず、「演出」という側面に強く惹かれました。

――『どれみ』がなかったら、その後のキャリアもまったく違うものになっていたわけですね。不登校児のかよこちゃんの話は、魔法で解決しない展開もですが、登校途中でトラウマがフラッシュバックして吐くといった、細かい描写も強烈です。

大塚 そうそう、そういったところなんですよね。単に「学校に行けませんでした」じゃなくて、そうなるときの「イヤな感じ」。不登校になったことがない人でも、行きたくない場所や会いたくない人にどうしても向き合わなければならないときの、あの「イヤな感じ」はわかるじゃないですか。「遠くから目的の建物が見えただけで、もうイヤになる。足が動かない」とか、そういった感覚や感情がフィルムから伝わってくる。それらを伝えられるのは、「演出」の力なんです。


――わかります。

大塚 佐藤さんの作る映像って、表現そのものに奇抜さはなく、すごく見やすいんです。見ている人に普通にすっと入ってきて、しっかり楽しませつつも、少し引っかかるものを置いていく。これがなかなか真似できない。映像にケレン味をつけたり、格好つけたり、派手にしたり、意味深にすることは、じつはけっこう簡単なんです。正確にいえば、難しいけどやればできる。


――なるほど。

大塚 もう一点、演出家としての視点で見るとスゴいのが、アニメーターに過度なスキルを要求せずに作品を高得点で成立させているところです。テレビ作品は毎週放送することが責務ですので、毎週過度な要求は期待できない。そこで純粋に演出力で魅せるというのはとんでもなくスゴいです。もうひとつ、『どれみ』を見ていて魅了されたのは五十嵐卓哉さんの演出でした。五十嵐さんの作る映像はとにかく美しく、かつ理にかなっていてすべてが気持ちいい。アニメ業界に入ったものの、とくに作りたい映像イメージがなかった当時の自分が「この人のような映像を作ってみたい」と強く思いました。……で、そんなことを思っていたら、第20話を見てから1年も経たないうちに、そんな自分が『どれみ』のスタッフになった(笑)。


――びっくりですよね。『も~っと!』の次回作の『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』で、いきなり憧れていた作品のスタッフとして現場に入る。いかがでした?

大塚 演出助手という仕事のいいところは、いろいろな演出家さんについて、その仕事を見られるところ。自分にいちばん向いているスタイルを発見できるところです。そうした目で五十嵐卓哉さんや細田守さん、長峯達也さん、岡佳広さん、山吉康夫さんといった、世代もスタイルも違う優れた演出家の方々の仕事の進め方や画面作りを学べた、いい現場でした。僕が参加したときには、佐藤さんはもう現場を離れていたのだけは残念でしたけどね。もうひとつ大きく影響を受けたのは、東映アニメーションのシステムでした。テレビ作品のいち話数であっても「演出家はその話数の監督」という考え方があって、その話数の絵コンテ・演出、アフレコ演出、音響演出をすべひとりの演出家が仕切るというものでした。制作会社の多くでは絵コンテと演出、音響演出は切り分けられて、それぞれ別の人がやる場合が多いのですが、東映アニメーションだとその話数が一本の作品として演出家の個性や力がしっかりと立つので、大好きなやり方です。東映アニメーションが多くの素晴らしい演出家を輩出している背景には、そういった演出家の「演出力」を鍛えるシステムが大きく影響しているのだなと思いますし、僕自身の技術の向上にも非常に影響がありました。


③アクションの魅力を思い出した

『ドラゴンボールZ』

『スマイルプリキュア!』や『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』など、エンタメの「王道」を行く作品づくりで知られる大塚隆史。その原点を探るインタビュー連載の最終回は、鳥山明原作のメガヒットアニメで屈指の燃えるエピソードから、大塚を支える「2本の柱」に話が広がった。


「ケレン味」というものを、まざまざと見せつけられた

――最後に選んだのが『ドラゴンボールZ』の第31話「いまだ悟空! すべてを賭けた最後の大技」です。これはどんな理由で?

大塚 順を追って説明すると、『おジャ魔女どれみドッカ~ン!(以下、どれみ)』に参加した頃から、東映アニメーションの資料室に行って、過去の東映アニメーション作品のアーカイブを調べるようになったんです。僕はもともとアニメオタクではなかったので、そこでいろいろなことに気づくんです。「佐藤順一さんって『美少女戦士セーラームーン』や『きんぎょ注意報』の監督だったの!?」とか「え、『ビックリマン』も『北斗の拳』も東映アニメーション(当時は東映動画)の作品だったの!?」とか……。アニメ好きの人からすれば常識ですね。そして、なによりお世話になる会社の過去の作品情報を把握していないという……ホントに恥ずかしいくらい何にも知らず(笑)。『ドラゴンボール』もその流れで見て、「西尾大介」という監督の名前はおぼえていたんですけど、まだそのときは顔と名前が一致しなかった。現場で接点がないと意外とわからないものなんですよね。で、『ふたりはプリキュア』に配属されたときも、まだ「この人が『ドラゴンボール』の監督なのか」くらいの、ゆるい感じだったんです。子供の頃、『ドラゴンボール』がとても好きだったんですけどね。


――仕事ですし、あまりはしゃぎもしませんよね。でも、それが何かのきっかけで変わった?

大塚 無礼千万なのですが、アニメ制作のことを何もわかっていない頃の話で、そのときは単純に『ドラゴンボール』は鳥山明がスゴいとだけしか思っていませんでした。それは間違いありませんけど、ある意味、間違いだったと気づかされることが起きます。それは『ふたりはプリキュア』の第30話(「炸裂!プリキュアレインボーストーム」)の初号試写だったんですけど、プリキュアが新しい必殺技を撃つときの「ドンッ!」って感じ、エネルギーを放った衝撃で自身の身体が吹き飛びそうになるのを「グンッ!」と堪える表現に思いっきり頭を殴られた感覚をおぼえました。「『ドラゴンボール』だ!!!」って。


――あれはいいですよね。

大塚 そう、つまり僕が好きな『ドラゴンボール』はマンガももちろんですが、アニメーションの動きあってのそれだったんです。当時の僕の大興奮は、マンガで見た四倍界王拳かめはめ波ではなく、アニメ映像の四倍界王拳かめはめ波だったんです。そこで強い衝撃を受け、今までとは違うアニメの魅力を感じた、というより、子供の頃の自分を魅了していたものの正体がわかったという感じでした。そこから『ドラゴンボール』を調べたら、まさに自分が子供の頃にめちゃくちゃ好きだった回が西尾さんの演出回だったんです。それが今回選んだ『ドラゴンボールZ』の第31話……悟空とベジータの戦いで、四倍界王拳かめはめ波が登場する回。

――もう最高に盛り上がる回ですよね。

大塚 ええ。あらためて見た『ドラゴンボールZ』の第31話は大人の目で見ても衝撃というか、引き込まれる映像で、そういうケレン味あふれるアクションが好きだったことを思い出した。そして『プリキュア』をきっかけに、ケレン味のあふれるアクションを追求し始めたんです。そして演出助手のときに得たいろいろな技を、演出になって試してみました。うまくいったり、なかなかうまくいかなかったり……そこからはひたすら修行でしたね。何かを試してみては、出来上がった映像からフィードバックして蓄積を積んでいく。映像面でも演出面でも音楽面でも。『プリキュア』が、僕の修行期間でした。界王星でバブルスくんを追いかけている悟空的な(笑)。


――アツいです……!

大塚 そうやって失敗や成功を繰り返していくうちに、映画の監督をまかせてもらう機会があり、そして『スマイルプリキュア!』で初めてTVシリーズの『プリキュア』で監督をやる機会に恵まれた。そこでは『どれみ』で身につけた心理表現と、『プリキュア』で身につけたケレン味のあるアクションが、大きなふたつの柱になりました。その柱を中心に『ビックリマン』『セーラームーン』『ゲゲゲの鬼太郎』『北斗の拳』『キン肉マン』……子供の頃からの僕の東映アニメーション体験が、作品に全部流れ込んでいます。それらの作品が子供の頃の僕にくれたのは「楽しい時間」でした。監督をまかされたときにいちばん考えたのは、「楽しい時間」を作ることでした。見てくれる子供たちが、毎週「この時間は楽しい!」と素直に感じて、待ち望んでくれるものにしたい。そういったものを作ることに自分がやる意義を感じていましたね。


――ふたつの柱の基準は明快で、素晴らしいですね。

大塚 『スマイルプリキュア!』までで僕の中の芯は固まった感じです。いろいろな監督像がありますが、僕は作家型監督ではなくエンターティナー型監督ですね。なので、僕は自分を「アニメーション監督」とは名乗らず「アニメ監督」と言っています。アニメを作っています! それからの仕事だと『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』などがありますが、基本的には同じです。しっかりと観客を意識して捉え、その観客と一緒に遊ぶ感覚でどういったフィルムなら観客が楽しめるのかを全力で考える。欲張って多方面を取り込んで中途半端なものにしてしまうようなことにはせず、どんと芯を貫く作りにする感じです。これからの仕事も見てくれる人が楽しめるアニメを作っていきたいなぁと思っています。






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