【生肉转载】Febri特辑系列——《上伊那牡丹,酒醉身姿似百合花般》制作团队接力访谈①&②:制作人村上光×藤田规圣

取材・文/太田祥暉(oriminart)


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2026年4月14日~21日

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埼玉県・秩父を舞台にお酒を通じて揺れ動く女子大生たちの機微を描く『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』。オンエア開始にあわせてFebriではメインスタッフによるリレーインタビューをお届けする。第1回はアニメーション制作を担うソワネのプロデューサー・村上光と藤田規聖の対談。アニメ化の経緯から豪華スタッフ起用の裏話を語ってもらった。


会社を立ち上げるときに、真っ先に作りたかったタイトル

――『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花(以下、上伊那ぼたん)』のアニメ化の経緯から聞きたいのですが、村上さんと藤田さんが携わっていた『ヤマノススメ』シリーズでは、原作者の塀先生が原画を担当していましたね。

村上 『ヤマノススメ サードシーズン』を制作していた当時、参加していた松尾(祐輔)さんや古橋(聡)さん、嶋田(和晃)さんに塀先生が連載していた『月のテネメント』を勧められたんです。塀先生は松尾さんたちと交流もあったようでしたし、アニメ制作にもご興味を持たれていた。それならば……と松尾さんが総作画監督、古橋さんが作画監督の第12話で第二原画をお願いしたことが最初の出会いでした。

藤田 僕の制作進行担当回ですね。当時は「なんでマンガ家の方にお願いするんだろう?」 と驚いたのですが、上がりを見ると素晴らしくて。続編となる『ヤマノススメ Next Summit(以下、Next Summit)』でも第12話で原画をお願いしたんです。その『Next Summit』の制作中に塀先生が『上伊那ぼたん』を連載開始したんですよね。

――最初に読んだ際の印象はいかがでしたか?

村上 序盤はわかりやすいガールズコメディでしたよね。

藤田 でも、読み進めていくと、行間やテンポを重視して、読者に解釈を委ねるような作風になっていって、その余白の多い雰囲気が面白いなと思うようになりました。アニメにしたい、という気持ちが固まったのは、第3巻のラストを読んだあたりだと思います。

村上 そこからですよね、本格的にアニメ化に動いたのは。これまで自分たちが携わってきた作品とは異なるテイストの原作でもあるので、演出をうまく機能させれば面白くなるだろうな、という予感から企画を立ち上げました。

藤田 ソワネを立ち上げることになって、真っ先にやりたいと挙がったタイトルでしたね。

――企画を始動させた時点で、軸となったのがキャラクターデザインの吉成鋼さんだったそうですね。

藤田 まず、どなたにキャラクターデザインをお願いするかと考えたときに、『Next Summit』のエンディングアニメーションを担当されていた吉成さんのことが思い浮かびました。でも、「僕はお酒をあまり飲まないから」と最初は断られたんですよ。ただ、しばらく経って吉成さんからさまざまな提案をいただくようになって、ご興味があることがわかってから、吉成さんを軸に作品を考えるようになりました。

村上 同時に考えていたこととしては、クリエイターの個性を活かしたエピソード作りをすることですね。当初は方向性をもう少し定めるつもりだったのですが、各エピソードを担当する方の作風が画にあらわれるようにして、それを見どころにしたいな、と考えていました。

藤田 企画が動く以前に、塀先生が「自分の作品をアニメ化するなら、各演出さんの個性を発揮してほしい」とX(旧Twitter)で呟かれていたんですよね。その言葉に背中を押された節もあります(笑)。吉成さんが「各話の絵柄がキャラクターデザインから逸脱していてもいいのではないか」とおっしゃっていたことも大きかったですね。あくまで吉成さんの設定画が指針とはなりますが、各話ごとに異なるぼたんたちを描くことも面白いかなと。これも『上伊那ぼたん』という作品の懐が広いからこそ可能なことではありますが。

村上 補足しておきたいのですが、どれだけ作画のテイストが変わっても、キャラクターの魂はブレさせないように意識していますよ。

佐久間監督は「すさまじいバランサー」

――そして、プロップデザインの松尾さんや、サブキャラクターデザインのみやちさんが参加することになったと。

藤田 松尾さんは吉成さんの参加前にお声がけしていましたね。

村上 松尾さんにお願いした決め手は、やはり設定画がとても鮮やかだから(笑)。とはいえ、プロップデザインを担当されたことがあまりなかったので、松尾さんとしてはチャレンジ的な気持ちで乗り気になってくださったんです。みやちさんにもあらかじめ「メインスタッフとして入ってほしい」と声をかけていたおぼえがありますね。

藤田 本当にふたりがいると心強いんですよ。とても助かりました。

――監督の佐久間貴史さんの参加経緯を聞かせてください。

藤田 吉成さんからのご紹介です。佐久間さんのこれまでの作品も拝見していたので、ぜひお願いしたいなと。監督に誰を据えるのかによって作品の色や方針は変化しますが、佐久間さんはすさまじいバランサーなんです。吉成さんをはじめとした個性的なクリエイターの意見を取りまとめていただき、バラエティに富んだシリーズにすることができました。

――「各演出さんの個性を発揮させる」であるとか「バラエティに富んだシリーズを目指した」と話してもらいましたが、完成した映像を見ると、その言葉を証明するかのように、各エピソードで演出や作画のテイストが異なっています。そうなると、現場のスタッフも大変なことが多かったと思いますが……。

村上 設定画通りに描いたのに、作画監督から異なる修正が入ることもあるわけですからね……。なので、現場のスタッフは模索しながら奮闘してくださったはずです。

藤田 だからこそ、僕はラインプロデューサーとして、どうしたら各クリエイターの個性を活かせるのかを意識していました。撮影さんや仕上げさんにはかなり苦労を強いてしまったのですが、最善を目指して制作をしていたと思います。

村上 僕と藤田くんは「作画偏重型」とでも言うべきタイプの人間ですが、『上伊那ぼたん』はそれではいいものになりません。原作マンガにもあった、余白を活かした雰囲気作り、画面作りをしなければ、途端にダメなものになってしまうんです。そのために、作画以外のセクションにも時間を与えられるように意識していました。とはいえ、結果的にスケジュールはキツキツになってしまい、ご迷惑はおかけしてしまったのですが……!

『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』のオンエア開始にあわせてお届けするリレーインタビュー。プロデューサー・村上光と藤田規聖の対談の後編では、放送された第1話、第2話の見どころを解説。さらに、ともに立ち上げたソワネの展望やアニメ制作に抱く思いを訊ねた。


「すべてがいい」第2話の見どころは……?

――前回のキーワードだった「余白」がとくに発揮されているのが、ぼたんといぶきをはじめとした、キャラクターたちの関係性の変化です。

藤田 それぞれの関係性がどんどん変化していくことが、『上伊那ぼたん』の序盤における魅力ですよね。いぶきとかなでは開始時点ですでに出会っていて、身近なはずだけど遠い距離にいます。そこにいきなりぼたんが入ってきて……。一方で、やえかとあかねは、もうふたりだけの空間を築いているんですよね。

村上 ここからどう変化していくのかはお楽しみに、という感じなのですが、1クールで区切りといえるところまでを描きますので、期待していただければと思います。

――現時点で放送されている第2話までの中で、おふたりが気に入っているシーンやポイントを挙げると?

村上 第2話までだと、ぼたんといぶきの微妙な関係性の深まりですよね。

藤田 いぶきがまずぼたんを知るところと、かなでがいぶきへ矢印を向けていること。それが動いていく予感を抱かせる冒頭2話になっていると思います。


――第1話は佐久間貴史監督の絵コンテ・演出ですが、演出という観点ではいかがでしたか?

村上 かなでとぼたんがふたりでお酒を飲むシーンがよかったですね。お姉さんのようにふるまっているかなでが、じつは抜けていてかわいい人だということがうかがえるシーンなのですが、かわいさとコメディ的なやりとりの塩梅がうまくいったと感じています。

藤田 アバンで芝桜の中を駆け抜けるぼたんも気に入っています。TVシリーズの第1話の「つかみ」として「お、いいな」と思わされましたね。

――第2話は絵コンテ・演出が山本裕介さん、作画が松尾祐輔さんと、『ヤマノススメ』コンビの担当です。

村上 一人作画回はどこかのエピソードでやろうと思っていましたが、松尾さんにやっていただくことになるとは思いませんでした。最初から『ヤマノススメ』コンビでやろうと思っていたわけではなく、偶然の巡り合わせなんですよね。山本さんに合いそうなエピソード……と考えたときに、松尾さんのスケジュールとピッタリハマって。本当に21分、本編のすべてがいいんです。松尾さんが色味や背景までコントロールしてくださっているので、芝居が鮮やかなんですよね。ある意味、演出の領分まで担当されているのですが、それは山本さんとの仲があったからこそ成り立ったものだと思います。あと、なんといってもお酒の作画。プロップデザインの松尾さん自ら描かれているので、グラスや液体の表現が優れているんですよ。背景が上がってきてから、作画を調整するなんてこともされていました。

藤田 また、省略作画のニュアンスも素晴らしくて……! 力の入れどころ、抜きどころを理解して、バランスを取りながら描かれているんですよね。遠い場所まで描きこむ作品もありますが、限られたリソースで精一杯力を注ぎたいからこその省略作画の使い方がうまかったなと。単純に、小さく描かれている画がかわいいところも見どころなんですが(笑)、たとえば、服のシワだとか線の取捨選択の絶妙さなどからも、松尾さんのすごさが出ているので、ぜひ注目してください!


「アニメ作りは楽しい」ということを忘れないようにしたい

――第1話、第2話だけでも、ぼたんたちのファッションが次々と変化していきました。原作単行本には塀先生がファッションに対するこだわりを語るコラムが掲載されていますが、本作でも藤井有紗さんがかなりの枚数の衣装設定を手がけていますね。

藤田 アニメ制作において、衣装数が多ければ多いほど作業工数が大変になるので、ある程度の制限を設けるべきであることは理解しています。ただ、衣装のバリエーションが『上伊那ぼたん』の魅力であることも事実です。なので、塀先生が原作マンガを描かれた際に参考にされていた服をお聞きして、そこから藤井さんに仕上げていただきました。

――本作はソワネにとって元請制作2本目となるTVシリーズです。前作『mono』に続く「聖地もの」という側面もありますが、本作で秩父をはじめとした各地を舞台とするにあたって、意識したことはありましたか?

藤田 舞台をそのまま描くことも大事なことではありますが、アニメならではの魅力を生み出して、現地へ足を運んでもらえるきっかけにすることですかね。たとえば、原作の連載中に描かれていた場所が、アニメ化作業中に改装されてしまった……なんてこともあるんですよ。となれば、放送後に聖地巡礼をしても、その場所は変わっているわけです。それもある種の発見になると思うので、その時々に応じた見せ方で舞台の資料映像として敬意を払って描くこと。それが『mono』から引き続いて意識していることかもしれません。

――最後に、ソワネとしての今後の目標を教えてください!

藤田 周囲の方々から「ソワネは尖っている」とよく言われるんですよ。たぶん、クリエイティビティを活かした作りがそう言われているのだと思っていて。そこを残したまま、今後も作っていければなと。

村上 僕と藤田くんがやりたいことのために立ち上げたスタジオなので、最初の想いを抱き続けてアニメを作っていきたいですね。

藤田 アニメ作りは楽しい、ということは忘れたくないですね。一緒に楽しんでくれる人とともに、今後も制作を続けていこうと思います。

村上 そのためにも、まずは『上伊那ぼたん』全話納品を頑張ります!






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