【生肉转载】Febri TALK系列——横枪萌果

取材・文/前田 久


来源:日本深度动画内容网站Febri

采访发布时间:2021年5月24日~28日

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①自分の欲しいものが全部入っていた

『十兵衛ちゃん』

『【推しの子】』(原作/赤坂アカ)が好評連載中のマンガ家・横槍メンゴ。惚れ込んだマンガをSNSで猛プッシュすることでも有名だが、じつはアニメ愛も相当なもの。今回はその愛を、全3回のインタビューで語り尽くしていただいた。初回のテーマは「タイムスリップしてきたサムライフェチ」!?


サムライのいる時代は怖いから、ほっこりした現代に連れてきてあげたい

――週刊連載でとてもお忙しいなか、取材のご相談をしたら熱い即レスをいただいて。そのときの様子から、アニメがものすごく好きなのが伝わってきました。

横槍 そうなんですか? 知らない人よりは知っていると思いますけど、私、マンガに比べたらアニメの知識は浅いし、まわりにもっと好きな人がいるから、そんなにアニメ好きだとは意識していなくて。……これって「本当のオタクほど、自分のことをオタクと思っていない」みたいなアレですかね?(笑)


――かもしれません(笑)。そんな横槍先生が1本目に挙げたのは『十兵衛ちゃん』です。『十兵衛ちゃん -ラブリー眼帯の秘密-』『十兵衛ちゃん2 -シベリア柳生の逆襲-』というTVシリーズが2作作られた大地丙太郎監督のオリジナルアニメですね。

横槍 『1』は世代的にリアタイ視聴できなかったんですよ。高校生のときに『十兵衛ちゃん2』がリアタイで、それが私にとって最初に触れた「自分の欲しいものが全部入っているアニメ」です。いちばん幸せなTVアニメ体験として記憶に残っています。


――おお。

横槍 たぶん、世間的にはちょっとニッチなアニメですよね?


――このアニメを挙げたのは、横槍先生が初めてです。

横槍 私、千年後にも残ってほしい神アニメだと本当に思っているんです。変なアニメではあるんですけど(笑)。当時もそう思っていましたし、今見てもやっぱり変。大地監督のエッセンスがギュッと詰まっている感じですよね。原液みたいな(笑)。


――どんなところが好きなんでしょう?

横槍 まず、単純にクオリティーがすごく高い。めちゃくちゃよく動く。そしてシリアスなところはシリアス全振りなのに、そこから休む間もなく、はちゃめちゃなギャグも挟まる。むっちりむうにい先生原案のキャラクターデザインは子供向けでも通用する雰囲気があるのに、その絵で深夜アニメっぽいこともちゃんとやる。そんな、ごった煮感が好きだったんです。……でも、いちばん大きいのは鯉之介かな。置鮎龍太郎さんが声をあてている、この作品のメインキャラ。私、このキャラのせいで「タイムスリップしてきたサムライフェチ」になっちゃって。

――ど、どういうことですか?

横槍 現代社会の暮らしを知らない人が、日本に来て、ファーストフードにびっくりする……みたいなシチュエーションに対する萌えが、鯉之介で自分の中に根付いた。異性の好みが完全に固定されたんですよ。


――それはサムライに限らず、「カルチャーギャップにとまどう姿萌え」みたいなことですか?

横槍 ……サムライがいいんです!


――(爆笑)。

横槍 タイムスリップしてきた、現代を知らない人がいいんですよね……語尾は「ござる」で。本格的な時代劇は、殺伐としていて怖いんですよ。サムライのパーソナリティーには萌えているんだけど、サムライのいる時代は怖いから、ほっこりした現代に連れてきてあげたい。『十兵衛ちゃん』はまさにそういう話で。剣だけで生きてきた人を、「剣だけで生きなくていい」って解放してあげる話なんですよね。あと、もうひとつポイントがあって、タイムスリップサムライとは、物語の最後に永久の別れが訪れないといけない。これは『十兵衛ちゃん』の前に『天空のエスカフローネ』のバァンで知った萌えなんですけど、鯉之介はその点もバッチリで、そこがすごく好きなんです。


――うっすら自覚していた萌えが、鯉之介で確信に変わった。

横槍 そういうことですよね。鯉之介を知ってから、そのタイプを探し求めるようになっちゃいましたし。アニメじゃないんですけど、ゲームの『beatmania IIDX』に出てくる士朗も、タイムスリップはしていないですけど、現代でサムライを目指している感じが好きでした。


――『フルメタル・パニック!』の相良宗介はダメですか?

横槍 宗介、大好きです!! ああいう、話の通じなさそうな人が大好きなんですよ。「サムライっぽい」って、言い換えたら「融通がきかない、頑固」って感じなんだと思います。なんか、そういう人が萌えなんでしょうね。じつは二次元だけじゃなく、現実でもそうです。ただ……もし、同じようなタイプに萌えを感じる人がいたら、この場を借りて言っておきたい。この萌え、ちょっと間違えると、思想的にヤバい人を引きがちなので気をつけてください。男根主義な人、古臭いマッチョ思想の持ち主が、現実のサムライタイプには混ざっている。そういう人はダメですよ。私が好きなのは、そんなイヤなところがないサムライ……こういうタイプをパッと表せる言葉がほしいなあ。仲のいい友達には「ああ、メンゴが好きなヤツね」で通じているんだけど(笑)。最近だと『チェンソーマン』の早川アキも、そのエッセンスをちょっと継いでいる感じですね。あ、そうそう、もうひとつポイントがあって、タイムスリップしてきたサムライを養いたいんですよ、私。サムライは無職がいい。


――……業が深い!!

横槍 強いけど、現代では職なしで生きていけない。そういうギャップもいいんでしょうね。歪んでますかね?(笑) ともあれ、ほかにも最終回でめちゃくちゃ感動したとか、好きなところがいっぱいある作品です。どうしても鯉之介の存在がデカいので、今日はそこをいっぱい話しちゃいましたけど。


――先生の作品のファンは楽しめそうですね。

横槍 たぶん、好きになると思いますよ。自作で言うと『クズの本懐』より『レトルトパウチ!』寄りかな? 私の作品のコミカルな部分にシンパシーをおぼえてくれた人は、見てもらえるといいのかもしれないですね。


②演出とは何かを学んだ

細田守作品

『クズの本懐』『【推しの子】』のマンガ家・横槍メンゴの、あふれるアニメ愛を聞く全3回のインタビュー連載。第2回は、今や日本のアニメを代表する監督のひとりである細田守の作品から、キャリアの初期を代表する2作品について熱弁をふるってもらった。自作の最終話に関する裏話も……!


「千昭が嫌いな女っているのかな?」って思っているんです

――2回目は「細田守作品」という括りでのセレクトです。

横槍 私、自分が絵を描く人なので、アニメのスタッフも絵を描く人、アニメーターから意識したんですね。最初のきっかけは『彼氏彼女の事情』で、平松禎史さんや今石洋之さん、鶴巻和哉さんといった名前をまずはおぼえたんです。そのあとで、今度は「演出」という役職を意識するんですが、そのきっかけが細田さんだった。もちろん、作品のクレジットで「演出」という仕事があることは知っていました。でも、そう言われてもアニメーターと違って、子供にとっては仕事の内容がなかなか見えないじゃないですか。そんな状態から、細田さんの存在を通じて「ある人が『演出』として関わると、ほかの回と比べてめちゃくちゃセンスが良くなったり、カッコいいものになることがあるらしい」と意識するようになったんです。


――きっかけは何だったんですか?

横槍 オタクな弟がいるんですけど、『デジモン』が好きだったんです。それで部屋で『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(以下、ウォーゲーム!)』を見ていて、ちょうど最後の、核ミサイルがシューンって落ちてくるシーンのところで部屋に入ったんですよ。その短いシーンだけで「何、このアニメ!?」ってびっくりしたんです。『未来のミライ』の怖い電車のシーン、わかります?


――もちろん。主人公の4才児が迷い込む、異界っぽい東京駅のシーンですね。

横槍 あそこ最高じゃないですか? あの映画は、ずっとあのテイストでやってほしかったくらい (笑)。ああいう、ちょっと狂気的なシーンが細田作品の魅力だと私は感じているんです。子供のときに見た悪夢みたいな、根源的な恐怖を、さらっと描いてくれる。『ウォーゲーム!』はそういうシーンがたくさんある映画で、最初に見たときは、それが演出によって作り出されているとは意識していなかったんです。でも、インタビューを読んで、あえて不安定なパースの構図にしたり、カット割りも変なところでブスッと切ったり、そういう演出上の工夫を積み重ねて空気を作っていると知って「ああ、『演出』で不安が煽れるんだ」と感銘を受けたんですよね。「なんだかわからないけど怖い、不気味」という雰囲気を意図的に作っている人がいるのが、その頃の私には衝撃だった。しかも、『ウォーゲーム!』って、すごい秀逸なワンルームものじゃないですか。子供たちが台場の、集合住宅の一室ですべてを完結させる。それを自分も集合住宅の一室で、まだ子供だった弟と一緒に見たのは強烈な思い出で、自分にとっての原体験のひとつですね。で、そこから演出を意識して、いろいろなものを見るようになったんです。

――モノの見方が変わるレベルの体験だったんですね。取材前にうかがった話だと『ウォーゲーム!』と『時をかける少女(以下、時かけ)』が重要ということでしたよね。『時かけ』のほうは、横槍先生にとってどんな作品なんですか?

横槍 『時かけ』はもう本当に、ひたすら超好きなんです。細田監督の作品で、いちばん繰り返し見たのは『時かけ』です。公開時には映画館に通いまくったし、その頃の細田さんのトークショーは全部行きました。


――すごい。何がそこまで横槍先生を『時かけ』に駆り立てたんでしょう?

横槍 ひとえに千昭(即答)。


――……さっきまでの演出の話の流れはなんだったんですか!!(笑)

横槍 いやー、千昭もちょっとタイムスリップサムライ(第1回参照)っぽいじゃないですか(笑)。


――なるほど……。

横槍 「千昭が嫌いな女っているのかな?」って思っているんですよ。それくらい、私のなかで特別なキャラなんです。あ、でも、ちゃんと演出の話ともつながるんですよ。じつは自作で影響を受けたシーンがあるんです。千昭が真琴に最後の別れを告げるところ。あそこの真琴が泣き出してから、千昭の「未来で待ってる」のセリフまでの一連の流れは神だと思っているんです。私、「もうダメ」と思ったときに、もう一度救いがあってほしい気持ちがとても強くあるんです。それを完璧に叶えてくれるアニメ体験だった。だから、何度も繰り返し見ちゃう。で、細田監督がトークショーで「あのシーンで千昭と真琴にキスをさせなかったのは、それをやると呪いになってしまうからだ」みたいなことを言っていた記憶があるんですね。それを聞いたとき、「逆にすげぇ強い呪いになってるぞ!」と思ったんですけど、まあ、それはさておくとして(笑)。『クズの本懐』の続編として描いた『décor』の最終話のネームを切ったとき、最初は麦と花火のキスシーンを描いていたんです。でも、それを締め切りギリギリで描き直したんですよ。「ここでキスするのは、細田イズム的に間違いなのでは?」と強く感じて。ふたりの関係について、決定的なセリフも言わせなかった。


――大きな変更じゃないですか。

横槍 そういう「ここで〇〇するのは違う」みたいな、何をどこまで描くかの線引きを、細田作品から学んだように思います。演出の塩梅とでもいいますか。「ここでキスシーンがきたら絶対盛り上がる」というところで、ためらわずキスさせるのがハリウッド映画やディズニー作品の演出なのだとしたら、させない情緒を選ぶのが日本的演出で、そのやり方を細田監督は踏襲している。私はそこから、とてもわかりやすく影響を受けていると思います。


③「哀」の感情が刺激される

『屍者の帝国』

『クズの本懐』『【推しの子】』のマンガ家・横槍メンゴが、強い影響を受けたアニメを深堀りしていくインタビュー連載。最終回では、プロデビュー後に影響を受けたタイトルとして、夭折のSF作家・伊藤計劃の遺作をアニメ化した「Project Itoh」三部作の一本を語る。キーワードは「哀」、そして……。


ふたりだけで完結した関係に、すごい憧れがあるんです

――最後は『屍者の帝国』です。2015年と、比較的近年の作品ですね。

横槍 これまでお話してきたのは人格形成の時期に影響を受けた作品ですけど、作家になったあとに強く影響を受けたタイトルを選ぶなら『屍者の帝国』かな、と。伊藤計劃が好きな友達に誘われて見に行ったんですね。その子はフラットにアニメを見る子なんで、見終わったあとに「エンタメ超大作だったね」と言っていたんです。実際、ちゃんとした感想はそうだと思います。冒険活劇だし、きれいな女の子も出てくるし。でも、私、見終えたとき、なぜだかまったくそんなことが考えられないくらい悲しくなってしまって、その感覚がずっと残っていたんですよね。


――ご友人の感想もわかりますし、横槍先生のお気持ちもわかります。派手なアクションがあって大団円的に終わりますが、手放しのハッピーエンドではないですからね。

横槍 マンガ家って、喜怒哀楽のどの感情で描くかで分類できるという話を聞いたことがあるんです。私の好きな作家さんたちは「怒」の感情で創作するタイプが多いんですけど、私自身は怒るのが下手なんですよ。怒りの感情も強くないし、発散も下手で、表現として苦手。喜怒哀楽の中で得意なのは「哀」で、興味もある。その「哀」の感情をすごく刺激してくれる映画でした。主人公のワトソンに、永遠に親友のフライデーを失った悲しみのなかにいてほしいと思ってしまう。なんかそういう、ちょっと良くない楽しみ方をしているんです。


――いやいや、そんなことは。

横槍 自分が持っている「ずーっと、なんだか悲しい」みたいな気持ちに寄り添ってくれるところがあって、どこか奇妙な映画なんですよね。「この企画がよく通ったな」なんてことを少し思ってしまう。……あ、そうか。話していて気づきましたよ。今回選んだ作品には、どれもそういうところがありますね。アニメを作るのにはけっこうなお金がかかるし、たくさんの人を動かさないといけないしで、普遍性のある、みんなが好きなテーマのほうが企画は絶対通りやすい。そんななか、いろいろな条件をクリアして、よく通ったなあ、この企画……みたいな作品が好きみたいです。マンガって個人的なコンテンツだから、かなり変わったことでも、本人が発信したいという強い気持ちだけでわりと世に出せる。予算もそんなに……まあ、アニメに比べたら小規模で済みます。アニメになるということは、それだけでけっこうな人数の人が、その作品を認めているということなんですよね。「これは私だけが感じているものかもしれない」という奇妙な気持ちを、形にしたいと考える人が何人もいること、奇妙なアニメが存在することそれ自体が、私にとっての救いみたいな一面があるんでしょうね。

――面白いですね。

横槍 あと、『屍者の帝国』って主人公が死んだ親友に固執して、その死体と一緒に旅をする内容ですよね。主人公はその過程でいろいろな人間と出会って世界が広がったのに、最後はやっぱり、ふたりきりの関係に戻る。その状態になってからの主人公のモノローグも、EGOISTの主題歌も、全部好みなんです。完全に解釈一致!みたいな感じ。……エンドロールのあとにある2分くらいの映像はちょっとわからないですけど(笑)。


――ホームズが出てくるあれは、まあ……ファンサービスというか……(笑)。

横槍 ともあれ、『天気の子』もそうですけど、私、「セカイ系」っていうのかな……ふたりだけで完結した関係に、すごい憧れがあるんですよ。なりたいけど、なれない。世の中にはけっこういるじゃないですか。人間関係はもう、パートナーひとりでいい……みたいな人。いません?


――いますね。結婚するとプライベートな部分が家庭のみで完結する人。もちろん、それが必ずしも悪いわけではないのですが。

横槍 私は親しい人間が50人ぐらいいないと無理なんですよ(笑)。絶対に、ふたりだけの関係に閉じられない。私が描くキャラクターは、ふたりだけの関係に閉じたがる人が多いので、よく誤解されるんですけどね。なれないから、憧れて、興味を持って、そういう人たちを描いているだけなんですよ。


――創作をするには、そうしたどこかしら俯瞰の目線がないと厳しいのでは?

横槍 どうですかね? それこそ作家になるような人って生きづらそうな人も多いから、余計に「この人だ!」と気を許せる人を見つけたら、人間関係を一本化する人が多いイメージがあります。あんまり私みたいなタイプは見ない。


――うーむ、なるほど……。

横槍 私は『チェンソーマン』風に表現するなら、「人間の悪魔」なんです。これ、最近、似たタイプの友達と笑いながら話していたんですけど。他人にしか興味がないんです。赤坂アカは「メンヘラじゃなくて、メンヘラに興味を持ってよく見ている人。つまり、メンヘラのオタク」なんて表現してくれます。さすが、よく私を理解してくれているなと思いますね(笑)。


――『屍者の帝国』は、そんな横槍先生の気持ちにズバッとハマる作品だった。

横槍 そう。見ていると、ワトソンとフライデーの関係がうらやましくて仕方ないです。






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