【生肉转载】Febri TALK系列——内海纮子

取材・文/宮 昌太朗
来源:日本深度动画内容网站Febri
采访发布时间:2021年8月23日~27日
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①アニメーターを目指すきっかけ
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』
監督最新作『SK∞ エスケーエイト』も大きな反響を呼んだ、監督・アニメーターの内海紘子。そのアニメ遍歴を聞く連載インタビューの第1回は、高校生のときにハマってその後の人生を決めたという、あのカードゲームアニメについて。
「友情」は自分が携わる作品に欠かせないテーマ
――内海監督のアニメ遍歴をうかがいたいのですが、子供の頃に見ていて、パッと思いつく作品は何になりますか?
内海 兄が見ていた『聖闘士星矢』を一緒に見ていました。かわいいものよりもカッコいいものが好きだった、というのは昔からあります。
――では、意識的にアニメを見た最初の作品というと……。
内海 高校生のときに見た『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(以下、遊☆戯☆王)』(※2000年から放送されたスタジオぎゃろっぷ制作版)ですね。
――今回、1本目に挙げていただいた作品ですね。
内海 高校生の頃まではマンガ家を目指していたんです。それこそ友達と組んで、『週刊少年ジャンプ』に投稿したりとか。少年マンガが好きだったんですけど、私はストーリーを作るのが苦手だったので、友達がストーリーを、私は絵を描いて、それで投稿して編集者から連絡をもらったこともあるんです。
――それはすごい!
内海 ところが、いざ話をしてみたら「お話を書いた方と話がしたい」と。「絵の方はまだまだです」と言われて(笑)。その頃はただ絵を描くのが好きなだけでぼんやりと目指していたマンガ家の道だったんですけど、この作品に出会ってはっきりと自分のやりたいことが決まりました。
――そもそも見始めたきっかけは何だったんでしょうか?
内海 偶然です。もちろん、『遊☆戯☆王』自体の存在は知っていたんですけど、絵柄が独特だったこともあって苦手意識があり、見たことがなかったんです。でも、たまたまつけたテレビで放送していて、なんとなく見始めたら毎週気になっていって……気づいたらハマっていたという(笑)。というのも、何週かに一度、すごくクオリティの高い回があるんですよ。それまでアニメの絵が毎週違うなんて気づかなかったし、意識したこともなかったんですけど、その回だけ作画のクオリティが明らかに違っていて、素人ながらに「アニメって描く人によってこんなに変わるんだ?! こんな仕事をできる人がいるんだ!」と興味を持ったんです。そしてクレジットを見ると、共通してある方が携わっていて……。それがアニメーターの加々美高浩(かがみたかひろ)さんだったんです。
――加々美さんは『遊☆戯☆王』の初期から関っていますよね。
内海 そうですね。当時はシリーズで作画監督をされていた加々美さんに興味を持ったことがきっかけで、私の夢は作画監督になりました。そこからアニメーションに興味を持つようになり、作画監督ってどんな仕事なんだろうと、アニメーターを目指すきっかけになったんです。

――加々美さんのお仕事の、どんな部分に惹かれたんでしょうか?
内海 『遊☆戯☆王』の独特の絵柄をこんなにカッコよく描けるんだ、という衝撃ですよね。アニメだと、往々にして原作の絵のテイストが変わってしまうことがありますけど、原作のテイストをしっかり守りつつも、アニメらしい魅せ方になっていて、加々美さんらしい魅力のある絵に仕上げている。それが本当に素晴らしかったんです。しかも作画監督だと、1話分まるまる加々美さんの絵で見ることができる。
――加々美さんの持ち味を、1話通して楽しめる。
内海 加々美さんはレイアウトはもちろん、動きまでしっかり手を入れられていて――当時は専門的なことはまだわかっていなかったですけど、ほかの話数と比べてみても明らかに動きが生き生きとした、そのキャラクターらしい芝居が入るんです。それは、キャラクターが魅力的に見える理由のひとつだと思います。絶対的な画力と、どんなデザインでも魅力的に落とし込める技術、そして迫力あるレイアウトや生き生きとした芝居作り、そのすべてに惹かれて「私もこういう仕事ができる人になりたい!」と思ったんです。
――ちなみに『遊☆戯☆王』が、今の内海さんのお仕事に影響を与えていると感じることはありますか?
内海 ありますね。多感な思春期にハマったせいだと思うんですけど、『遊☆戯☆王』の「友情」の部分です。世間的にはカードバトルが有名な作品と認識されていると思うんですけど、根底にあるのはキャラクター同士の友情だったり、人間ドラマのほうで。私はそこにすごく惹かれたんです。しかも、『遊☆戯☆王』を通してできた友達がいたり……。
――その友達というのは、たとえば一緒に同人活動をしたり?
内海 そんな感じです(笑)。作品を通して仲良くなって。もちろん、今までも友達はいたんですけど、本当の意味での友達ができたのが本当にこの頃だったので、そのときの楽しさや喜びは計り知れないくらい大きくて。それが遊戯と城之内に重なったことで、よりこの作品への思い入れが大きくなったのと、自分が携わる作品に欠かせないテーマとして「友情」が揺るぎないものになりました。
――なるほど。
内海 自分が作品を作っていても、心に響くとか、感情が動かされることってすごく重要だと思っているんです。それは見ている人だけじゃなく、携わっているスタッフももちろんそうで。作り手の琴線に触れて、その人が共感できれば、それは必ず画面にも現れるんです。そうやって出来た作品はきっと見ている人の心も動かす。そういう作品に出会えたからこそ今の自分があるので、自分もそういう作品を作っていけたらいいなと思っています。
②アニメーター・馬越嘉彦を
初めて意識した『エアマスター』
連載インタビューの第2回は、内海監督が専門学校時代に見てハマったという名作バトルアニメをめぐってトーク。アニメだからこその動きの楽しさとケレン味。今でも参考にするという『エアマスター』の魅力とは?
男女というものに囚われない、 なんでもありの世界観が面白い
――内海さんは高校卒業後、専門学校を経てアニメーターの道に進んだわけですが、当時はどんな感じだったんでしょうか?
内海 『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(以下、遊☆戯☆王)』を見て「作画監督になりたい!」と思ったまではいいんですけど、でもどうやってなるかなんて全然わからなくて(笑)。当時はネットもそれほど普及していなかったですし。ただ、専門学校に入ると内情が少しずつわかって、会社に入ってようやく道筋が見えてきましたね。
――家族から反対されなかったんでしょうか?
内海 わりとされなかったですね。ただ、会社に入ってからは、けっこう反対されました。当時は出来高で、自分の手が遅いのもあり給料が本当に低かったので……(笑)。親からも「毎日働いてこの給料はなんだ」みたいな。実際、同期のなかにはそれが原因で辞めていった子も多かったんですけど、私は親から「辞めろ」って言われても「うるせー!」と言って、実家から通っていました(笑)。今は固定給の会社が多くなってきたので、そういう人も減ってきていると思うんですけど。
――で、2本目が『エアマスター』。これは東映アニメーション制作の深夜アニメですね。
内海 深夜というか、もう朝じゃん!みたいな時間に放送していましたね(笑)。これは専門学校に通っていた頃に出会った作品なんですけど……。『遊☆戯☆王』が加々美(高浩)さんに出会った作品だとすると、この『エアマスター』は馬越嘉彦(うまこしよしひこ)さんに出会った作品です。
――なるほど! 馬越さんは『エアマスター』にキャラクターデザインと総作画監督で参加していますね。
内海 『遊☆戯☆王』を経て、絵柄の食わず嫌いをやめて、あらゆるアニメを見るようになった頃に出会った作品ですね。最初はとりあえず見ていただけなのですが、ストーリーとキャラクターがとにかく魅力的で面白く、回を追うごとにハマっていった感じです。しかも馬越さんが入ったときの画面が本当にすごくて。ある意味、『遊☆戯☆王』と同じというか、原作だけではここまでハマらなかったと思います。
――たしかにすさまじい迫力のアクションシーンを筆頭に、アニメーションならではの楽しさがあふれた作品ですよね。
内海 アニメって動いてなんぼだと思っていて、その躍動感や迫力を映像として見せられるのが魅力なんですよね。主人公の摩季ちゃんには新体操をやっていたという過去があって、そのリーチを生かして敵を倒していく。その新体操の躍動感みたいなものは、動きのあるアニメだからこその説得力があって。原作の上に、馬越さんの画力が乗ったときの画面のすごみには本当に感動しました。……あと、女の子がフルコンタクトで戦うじゃないですか。
――そうですね。そもそもストリートファイトがモチーフですし(笑)。
内海 そうなんですよ。女の子なのに、手加減なしにボコボコに殴られる。同じ女性だからこそ、こういう強い女の子が屈強な男たちと渡り合うのが、めちゃくちゃカッコいいなあ、と。

――同性だからこそ、のめり込んだ部分があったわけですね。
内海 男女だとどうしても力の差があるんですけど、そういうハンデ込みで平等に描いてくれるスタイルに純粋に惹かれました。あとキャラクターの関係性でも男女の恋愛関係がありつつも、女の子同士や男の子同士のそういう関係まであって、男女というものに囚われない、なんでもありな世界観がすごく面白いなって思ったんです。自分がオリジナルで『SK∞ エスケーエイト(以下、SK∞)』をやったときも、そこは意識していましたね。固定観念に囚われないように――フィクションなんだからリアルに囚われすぎても面白くないな、って。
――リアリティを押さえながら、フィクションの面白味を盛り込んでいく、というか。
内海 劇中、コンクリートが吹き飛んだりするんですけど(笑)、完全な超能力というわけではなくて、ギリギリ現実味があるラインなんですよね。あまりハメを外しすぎるとキャラクターが受ける痛みだったり、ツラさが軽く見えてしまいかねないんですけど、そうならないギリギリというか。『SK∞』のときも、スタッフに作品のテンション感を『エアマスター』くらいにしたい、と伝えていました。
――今でも内海さんの監督作に影響を与えているわけですね。馬越さんとはそのあと、一緒にお仕事はしていないのでしょうか?
内海 じつは、馬越さんがキャラクターデザインで参加している『僕のヒーローアカデミア』のエンディングで一度、コンテ・演出を担当させてもらったことがあるんです(第2シーズン後半)。そのときに作画監督として入っていただいたんですけど……。いや、恐ろしかったです(笑)。
――馬越さんのすごさを体感したという。
内海 出久たちの衣装がいつもと違ったので、資料が原作の一枚絵しかない状態で制作することになったんです。その一枚の資料から妄想してコンテを切っていたので「どんな絵になるのかな」って思っていたんですけど、もう恐ろしいクオリティで上がってきて。キャラクターが本当に生き生きしていたんですよね。魅力にあふれていて。原作にないシーンでこんな魅力的な絵が描ける、これぞ馬越さんだなと実感させられました。もう、作画オタクとして片っ端からコピーしちゃいましたね(笑)。
――あはは。
内海 あと一度、馬越さんのスタジオに遊びに行かせていただいたことがあって。馬越さんご自身の机でお仕事をされている状態で、お話しさせていただいたんですけど……。会話をしながらも、ずっと手が止まらず絵が出来上がっていくんですよね……。恐ろしい人だなと思いました(笑)。業界内でも馬越さんほどの手の速さと、あの技術と絵の魅力を兼ね備えているアニメーターはごくわずかで。そんな方と少しですが、一緒にお仕事できたことはとても光栄でした。馬越さんは、私のこと全然おぼえていないと思いますけど(笑)。
③アニメらしい動きの理想形を見た
『アベノ橋魔法☆商店街』
監督・アニメーターの内海紘子が影響を受けた作品を語る連載インタビュー。その第3回はガイナックス制作の秀作『アベノ橋魔法☆商店街』。そして、アニメーターとして仕事を始めてから経験したという、衝撃の「出会い」についても、たっぷり語ってもらった。
最低限の枚数で、こんな動きが描ける平松さんのすごさを痛感しました
――3本目に選んだのは『アベノ橋魔法☆商店街(以下、アベノ橋)』なんですが、これも専門学校時代ですか?
内海 そうですね。『遊☆戯☆王』でアニメに目覚めてからはアニメを見まくっていて、とくに学生の頃は時間があったので、放送中のものは片っ端から全部見ていました。
――『アベノ橋』は各話ごとのコンテマンや作画監督の個性が強く出ている作品ですね。
内海 そうなんですよ。作画オタクにとってガイナックス系のアニメは必ず通る道だと思うんですけど(笑)、『アベノ橋』が好きだったのは作画に特化しすぎていないというか。ちゃんとドラマがあったうえで、すごい作画が見られるっていう作品で。あとはやっぱり平松禎史(ひらまつただし)さんとの出会いですね。
――平松さんはアニメーションキャラクターデザインのほかに、第1話の絵コンテ・作画監督も担当していますね。やっぱり好きなのは第1話ですか?
内海 そうですね! もともとキャラクターを好きになるタイプなので、キャラクターたちがいちばん魅力的に感じられたのが第1話でした。アニメって、線が多ければ多いほど大変になっちゃうんです。最近のアニメだとディテールが多すぎるあまり、動きを単純化してしまうことが往々にしてあるんですけど、『アベノ橋』の平松さんのデザインは少ない線と最低限の(原画)枚数で動かしてみせる。そこはもう、アニメーションとして目指すべき姿だと思うんです。しかもすごくシンプルなんだけど、かわいくて魅力的で、動きも柔らかい。アニメらしい「つぶし」「伸ばし」(※編注:動きのデフォルメ)が効いたデザインで、加えて背景も、そういうシンプルなキャラクターに合わせてリアルに描きこまず、いい感じの抜け感があって。
――同じ頃に平松さんが参加していた作品、たとえば『フリクリ』は……?
内海 やっぱり第1話がいちばん好きですね。理由もまったく同じ。単純に平松さんのファンなんですよ。新しく作品を作るときは『アベノ橋』と『フリクリ』を必ず見ています。コミカルなアニメらしい、でもアニメに振り過ぎない絶妙なリアリティある動きの理想形です。演出面やテンポの気持ちよさは鶴巻和哉(つるまきかずや)さんのお仕事だと思うのですが、すべて含めていまだに何度も見返しては、勉強させてもらっていますね。

――今でも参考にしているんですね。
内海 『BANANA FISH』を監督させてもらったときに(キャラクターデザイン・総作画監督の)林明美さんのツテで、平松さんに少しだけ原画をお願いできることになったんです。私は重要度で第6話の草原のふたりのシーンがいいんじゃないかと言ったんですが、林さんが「そこは簡単だからダメ」って(笑)。林さんご指定の大変な第5話の車のシーンになったんです(笑)。
――車のシーンというと、アッシュたちが乗り込んでいる場面ですね。
内海 そうです。刑事のチャーリーが車を運転していて、そこでアッシュが気分が悪いと言って車を止めるシーンです。映像としてはカメラが車のなかにあって、彼らを撮っているイメージなんですけど、車のような狭い場所はカメラを入れるのが難しい場所なので、絵で起こすと空間が広くなりがちなんです。しかも何人かが乗り込んでいるので、乗っている配置だったり、車を降りるときの芝居だったり、とにかく絵作りとして技術が求められるし、作画が面倒なんですよ。ただ、だからこそ平松さんの技術のすごさを感じたんですよね。最低限の枚数で、こういう動きが描けるんだ、と。
――それほど枚数はかけていないんですね。
内海 加々美さんもそうなんですけど、ベテランのアニメーター世代は当時のTVシリーズのスケジュールがない苛酷な環境で、スピーディかつ、たくさん仕上げる腕を磨いてきた方たちなので、少ない枚数でもしっかり原画が構築できるんですよね。今だと、原画枚数をたくさん描くスタイルのアニメーターも多いのですが、じつはそれはスケジュールが逼迫する要因のひとつでもあるんですね。原画枚数が多くなれば、当然そのあとの動画仕上げ作業も大変になるので。そのあたりの技術はやっぱり段違いというか、実際にお仕事を拝見して強く感じました。
――ひとまず、内海さんのアニメ遍歴……というか、作画オタクとしての歴史をうかがってきたのですが、アニメーターを始めてから影響を受けた方というとどなたになるのでしょうか?
内海 たくさんいるのでお名前を挙げるときりがないのですが……挙げるとすると、会社に入って衝撃を受けたのは、堀口悠紀子さんですね。私はそれまでかわいい系にはまったく興味がなくて。
――たしかに、これまでの話をうかがっているとそうですね(笑)。
内海 『涼宮ハルヒの憂鬱』で初めて原画を描くことになったんですけど、そのときの作画監督が堀口さんでした。堀口さんの絵がすごくかわいいのは社内でも有名だったのでもちろん知っていたんですけど、正直魅力はわからなかったんです。加々美さんに憧れてガッチガチの線で生きてきたので(笑)。でも、堀口さんが私の原画に乗せてくれた修正を見て「あっ、こういうやわらかい線にはこんな魅力があるんだ……!」と直で実感させられました。それまで真逆の線を目指していただけにその衝撃は大きくて。そこから自分の描く線がやわらかく変わったんです。絵描きとして線が変わるのはとても大きな事件で(笑)。加々美さんと堀口さんという両極端なアニメーターの洗礼を受けられたのは、私自身にとってとても貴重な経験になったなと思います。
――自分の描いた絵に直接、修正が乗るとインパクトが大きいですよね。落差をより身近に感じられるというか。
内海 そうですね。自分のレベルアップにも確実につながりますし、どこがどうダメなのかが直接伝わってくる。それは今でも変わらないんですよ。『SK∞ エスケーエイト』で監督をやっていても、自分の描いた絵に(キャラクターデザイン・総作画監督の)千葉道徳さんの修正が乗って返ってくるとめちゃくちゃ感動します。それがほしくて原画を数カットやったり(笑)。憧れのアニメーターさんのお仕事を生で感じ取れる。この仕事をやっていて、いちばんサイコーだと感じる瞬間はこれだなって思います。だからどんなにつらくても一生辞められないんですよね(笑)。
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